Pixel 10シリーズに搭載されるTensor G5のAnTuTuベンチマークが登場
Googleは2025年8月21日に次世代フラッグシップスマートフォン「Pixel 10シリーズ」を正式発表し、同月末までに発売すると見られています。今回、その上位モデル「Pixel 10 Pro XL」を用いたAnTuTuベンチマークスコアがリークされました。
スペック | Tensor G5 | Tensor G4 |
---|---|---|
製造プロセス | TSMC 3nm | サムスン 4nm |
コードネーム | Laguna | Zumapro |
コア数(Prime+P+E) | 1 + 5 + 2 (合計8コア) | 1 + 3 + 4 (合計8コア) |
Prime Core | Arm Cortex-X4 | Arm Cortex-X4 |
P-Core | Arm Cortex-A725 | Arm Cortex-A720 |
E-Core | Arm Cortex-A520 | Arm Cortex-A520 |
GPU | PowerVR DXT-48-1536 | Arm Mali-G715 MP7 |
Pixel 10 Pro XLに搭載される「Tensor G5」は、従来のサムスンExynosベースのTensor G4とは異なり、Googleが独自開発し、TSMCの3nmプロセスで製造されています。
アーキテクチャはPrime CoreおよびE-Coreが従来と同じですが、P-CoreがCortex-A720からCortex-A725に刷新され、さらにコア数も3基から5基に増加。これにより基本性能の底上げが期待されています。
CPU+GPU含めた総合性能はTensor G4に対して16%向上。マルチコア性能は2倍

Redditに投稿されたリークによると、Tensor G5を搭載するPixel 10 Pro XLのAnTuTuスコアは 1,140,286ポイント で、Pixel 9 Pro XL(Tensor G4搭載)の 983,628ポイント を大きく上回りました。
スコア項目 | Pixel 10 Pro XL (Tensor G5) | Pixel 9 Pro XL (Tensor G4) |
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総合スコア | 1,140,286 | 983,628 |
CPU | 313,500 | 181,033 |
GPU | 394,695 | 447,118 |
メモリ | 246,571 | 165,598 |
ストレージ | 185,520 | 189,879 |
総合スコアは約16%の伸びを示しており、特にCPU性能は181,033から313,500へと73%向上しました。なかでもマルチコア性能は前世代比でおよそ2倍に達しており、P-Core増加やTSMC 3nm化によるクロック向上の効果が表れていると考えられます。
一方でGPU性能は447,118から394,695へと12%低下し、ストレージ性能もわずかに下回る結果となっています。メモリ性能については165,598から246,571へと大きく改善しているため、CPUとメモリの進化が目立つ一方で、GPUとストレージは最適化がベンチマーク計測時点では十分ではなかった可能性があります。
Snapdragon 8 Eliteなど同価格帯スマートフォンに搭載されるチップセットには及ばず
Tensor G5は前世代に比べて確実に進化しているものの、Pixel 10シリーズと同価格帯で競合するSnapdragon 8 Elite搭載機種と比べると、その性能は依然として半分程度にとどまっています。フラッグシップモデルとして登場するにもかかわらず、ベンチマーク上の性能では競合に及ばない状況は続いていると言えるでしょう。
もっとも、Googleは以前からTensorシリーズについて「ベンチマークスコアの追求ではなく、AI機能や利便性を通じたユーザー体験の向上を目的としている」と繰り返し強調してきました。今回のTensor G5でも、純粋な処理性能だけでなく、AI機能や省電力性、バッテリーの持続時間といった実使用での快適さを重視した設計がなされていると見られます。Pixel 10シリーズが実際の体験面でどのような進化を遂げているのかは、8月21日午前2時(日本時間)の正式発表で明らかになる見通しです。
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