中国向けの GeForce RTX 5090D が生産中止に。 日本などでは RTX 5090 の在庫が改善の可能性も
NVIDIAは2025年1月30日にBlackwellアーキテクチャを搭載するGeForce RTX 5000シリーズの最上位モデルとしてGeForce RTX 5090を日本やアメリカなど中国除く国で発売し、一方で中国ではアメリカで施行されている高性能半導体に対する輸出規制に伴い、FP4処理を無効化し、この輸出規制に抵触しない性能に落としたGeForce RTX 5090Dを中国限定で発売しています。
しかし今回、NVIDIAが米国の輸出規制強化の動きなどを警戒し、このGeForce RTX 5090Dの生産を停止したとの噂が浮上しました。さらに、AIB各社も、RTX 5090Dの生産に必要な部品や資材の調達を停止したと報じられています。


中国の掲示板サイトBaiduに投稿された情報によると、NVIDIAはAIB各社に対してRTX 5090Dの出荷停止を通知した模様です。これにより、正規販売ルートでのRTX 5090Dの流通は事実上停止していると見られます。この出荷停止は急遽決定されたようで、AIB各社は手持ちのRTX 5090D在庫を、保証期間内の故障修理や交換といったアフターサービス用として確保せざるを得ない状況になっているとのことです。そのため、販売代理店への新規出荷は厳しく制限されている模様です。
台湾メディアのBenchlifeも、AIBに冷却装置などを供給するサプライヤー筋の情報として、RTX 5090D向け部品の大幅な減産要求があったと報じており、RTX 5090D出荷停止の噂を裏付ける形となっています。
GeForce RTX 5090Dが登場した背景には、米国の対中半導体輸出規制があります。この規制はTotal Processing Power (TPP)という指標値に基づいており、TPPが4800を超えると輸出に際して個別ライセンスが必要となります。TPPは特定のビット数におけるAI処理性能(TOPs)にそのビット数を乗じて算出されます。標準のRTX 5090はFP4性能が1676 TOPsとされており、TPPは 1676×4=6704 となり、規制値4800を超過します。そこでNVIDIAは、RTX 5090DにおいてFP4演算機能を無効化することでTPPを規制値以下に抑え、輸出規制に対応していました。
しかし、アメリカの対中国戦略はトランプ政権発足後は流動的な状況で今まで規制TPPに満足していたサーバー・データセンター向けGPUのH20 GPUが突然輸出規制の対象となり出荷停止に至った事例もあります。このような状況を踏まえ、NVIDIAとしては将来的な規制強化による損失リスクを避けるため、米国の対中政策がある程度定まるまで、予防的にRTX 5090Dの出荷を一時停止したのではないか、と推測されています。
なお、このRTX 5090Dは通常のRTX 5090と同じダイを使っているため、RTX 5090Dの出荷停止により現在も抽選販売状態のRTX 5090に関しては今後出荷量が増える可能性もあるため、日本やアメリカ、欧州では入手難易度が下がるほか、販売価格についても下がることが期待されます。
NVIDIA GeForce RTX 5090 D 可能面臨「暫停供應」的尷尬局面 | Benchlife
https://benchlife.info/nvidia-geforce-rtx-5090-d-might-stop-supply/
コメント
コメント一覧 (4件)
性能があまり変わらないD付きが許されてたのが昔から不思議だった
東南アジアの某国のGeForce RTX 5090輸入が極端増えそうな気配がする。
日本に来て買い占めがどうせ起きるw
GPU以外でも買い占めがある現状どうにか対策をしなければ、とばっちり枯渇しそうや
中国への直接輸出は規制されても、どうせミャンマーとかベトナム経由で輸送されそう。