GeForce RTX 5090 の評価は微妙。コストパフォーマンスや電力効率は上がらず。

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GeForce RTX 5090 の評価は微妙。コストパフォーマンスや電力効率は上がらず。

NVIDIAが2025年1月30日に発売する次世代フラッグシップグラフィックカードのGeForce RTX 5090では新しいGPUアーキテクチャーであるBlackwellを搭載するほか、先代モデルに対してCUDAコアの増加やメモリー仕様をGDDR7へアップグレードするなど大幅な性能強化が図られたモデルで、ゲーマーやAI開発者からの期待が非常に大きなグラフィックカードになっていますが、1月23日に一斉公開されたレビューによると、少なくともゲーミング目的の場合はコストパフォーマンスや電力効率などがほとんど向上していないという何とも残念な結果であることが明らかになりました。

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グラフィックスカードモデルGeForce RTX 5090GeForce RTX 4090
内蔵GPUGB202AD102
クラスフラッグシップフラッグシップ
CUDAコア数21,76016,384
ベース クロック2.01 GHz2.24 GHz
ブースト クロック2.41 GHz2.52 GHz
VRAM仕様28Gbps GDDR721Gbps GDDR6X
VRAM容量32GB24GB
バス幅512-bit384-bit
帯域幅1.8 TB/s1.01 TB/s
TDP575W450W

GeForce RTX 5090は新たにBlackwellアーキテクチャーで構成されるGB202 GPUを搭載し、CUDAコアは21,760コアとコンシューマー向けグラフィックスカードとしては初めて2万コアを超えています。また、先代のRTX 4090に対して33%多くのCUDAコアを搭載しています。メモリー仕様はGDDR7にアップグレードされており、これにより速度は28Gbpsを発揮、またバス幅が512-bitに拡大されたことで容量は32GBとなり、帯域幅も1.8 TB/sに大幅向上しています。ただ、この大幅なパワーアップにより消費電力も増えており、RTX 4090の450Wから28%増の575Wに変更されています。

大幅なハードウェアスペック向上が行われているRTX 5090ですが、Hardware UnboxedのレビューではRTX 5090のことを「RTX 4090 Ti」と揶揄するなど評価は良いとは言えず、実際に4K解像度で17タイトルの平均値を取った結果はRTX 4090に対してRTX 5090の性能は27%向上に留まるとのことです。

この27%向上という結果は新世代グラフィックカードとしてはかなり小さく、先代のRTX 4090が発売されたときは、1世代前のRTX 3090 Tiに対して60%近い性能向上を実現していたとのことです。

ただ、レイトレーシングについてはもう少し性能が向上する様で、Tom’s HardwareやTechPowerUPが計測したベンチマークでは約30~37.5%向上を記録していますが、タイトル毎のバラツキが大きいことも今回のベンチマークで明らかになっています。また、RTX 4090では先代のRTX 3090 Tiに対して68%の性能向上を記録しているため、レイトレーシング性能の向上率も限られていると言えそうです。

性能はラスタライズで30%に行かないぐらい、レイトレーシングなら30%を少し超えるレベルのRTX 5090ですが、消費電力はCUDAコアが増えている分以上に増えてしまい、ゲーミング時はRTX 4090が411W程度消費する中、RTX 5090は42%増の587Wを記録しています。また、電力効率でもRTX 5090はRTX 4090に対して同等レベルで、アーキテクチャー刷新による効果はほとんどありません。そのため、RTX 5090は単純にCUDAコアが増えた分だけ性能と消費電力が上がっているだけと言う見方が出来ます。

性能や電力効率の観点では少々残念なRTX 5090ですが、コストパフォーマンスも向上していないようで、アメリカのメーカー希望小売価格をベースに計算するとRTX 4090に対してRTX 5090は同等レベルであることが明らかになっています。

GPU1FPSあたりのコストFPS販売価格
GeForce RTX 50902874円137393,800円
GeForce RTX 40902759円108298,000円

ちなみに、日本での販売価格を基に計算すると1FPSあたりRTX 4090が2759円しますが、RTX 5090は2874円とコストパフォーマンスは4%近く悪化しています。

RTX 4090はRTX 3090 Tiと同等の価格での発売でしたが、性能が大きく上がっていたため、コストパフォーマンスの向上が見られていました。一方でRTX 5090ではコストパフォーマンスの悪化が見られるなど製品としての魅力は最高性能のグラフィックカードという称号が得られる以外に無いと言えそうです。

GeForce RTX 5090に関しては多くのレビューでCUDAコアが増えた分だけの性能向上しか見られず、価格も消費電力もCUDAコアが増えた分だけ高くなるなど新世代グラフィックカードとして期待されていたアーキテクチャー刷新による性能向上は見られないという評価になっています。

NVIDIAではGeForce RTX 5090と同時発売となるRTX 5080のレビュー解禁を1月29日に予定しています。またそのあと、2月下旬にはRTX 5070シリーズ、そして3月以降にはRTX 5060シリーズの発売も予定しています。ただ、RTX 5090のコストパフォーマンスや電力効率を見る限り、RTX 5080以下のモデルはさらに酷い結果になる可能性が高くなっており、価格が相当下がらなければ率先して買い替える意義がほとんどないグラフィックカード世代になると言えそうです。

ちなみに、NVIDIAはRTX 5000シリーズ発売に備え先代モデルの在庫が一掃されるように生産終了時期をかなり前倒しで設定していましたが、NVIDIAとしてもRTX 5000シリーズのコストパフォーマンスが良くないことを認識した上での対策だったのかもしれません。

ソース

Nvidia GeForce RTX 5090 Review, 1440p & 4K Gaming Benchmarks | Hardware Unboxed

https://www.youtube.com/watch?v=eA5lFiP3mrs&t=1303s

NVIDIA GeForce RTX 5090 Founders Edition Review – The New Flagship | TechPowerUP

https://www.techpowerup.com/review/nvidia-geforce-rtx-5090-founders-edition/

Nvidia GeForce RTX 5090 Founders Edition review: Blackwell commences its reign with a few stumbles | Tom’s Hardware

https://www.tomshardware.com/pc-components/gpus/nvidia-geforce-rtx-5090-review

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この記事を書いた人

『ギャズログ | GAZLOG』の編集兼運営者
幼い頃から自作PCなどに触れる機会があり、現在は趣味の1つに。
高い買い物でもある自作PCやガジェットをこれから買おうと思ってる人の役に立てるような記事を提供できるよう心がけています。
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コメント

コメント一覧 (7件)

  • コストパフォーマンに関してずっと前から悪いですよ。
    以前購入したグラボの値段で、今売っているグラボを買うと考えます。
    そのグラボと性能を比較すると同じか、かえって悪くなる事も多いです。

  • まぁコスパ考えてたらハイエンドグラボとか買えないよね
    DLSS4のマルチフレーム生成が実用的なら5000シリーズの価値も上がるんだろうけど

  • 国内メディアも言葉を選んでなんとか褒めてる感

  • 4Kだけに絞れば5090の伸びはそこそこあるけど、ケーブル一本で600Wを超える電力を供給するからケーブルの質が悪いと流石に溶けたり燃えそう

    しかしFEは600Wという消費電力に対しデュアルファンでよく冷えるのが今回の5090で1番驚いたこと

  • 昔は同じ値段で性能アップだったのが、今や同じ値段じゃ劣化してるからね

  • これはやめた方がいいなあ。6090が出たらこんなん中古でも売れないはず。消費電力で全てのメリットがなくなる。4090を使いながら6090を待つのが懸命

  • 皆さん製造プロセスが基本変わっていないということをすっかりお忘れのようですね。
    今のNVIDIAなら、使おうと思えばN3Eも使えたと思うんですけど。
    それをしないあたり、TSMCの思うがままにはさせん、という強烈な意思を感じます。
    若しくは、最新鋭プロセスはAI向け優先、ゲーミング向けは型落ちプロセスで十分、とか。

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