GeForce RTX 5080 のレビューは低評価。RTX 4080 SUPERに対して進化がほとんど見られず
NVIDIAが2025年1月30日(日本では1月31日)に発売する次世代ハイエンドグラフィックカードのGeForce RTX 5080はGPUアーキテクチャーをBlackwellアーキテクチャーに刷新するほか、GDDR7の採用により先代のRTX 4080やRTX 4080 SUPERに対して大幅な性能向上が期待されていたモデルになっていました。しかし、1月29日に解禁されたメーカー希望小売価格モデルのレビューでは恐らく過去最悪クラスと言える評価で、性能やコスパもかなり残念なグラフィックカードになってしまっていることが明らかになりました。
グラフィックスカード | GeForce RTX 5080 | GeForce RTX 4080 SUPER | GeForce RTX 4080 |
---|---|---|---|
内蔵GPU | GB203 | AD103 | AD103 |
クラス | ハイエンド | ハイエンド | ハイエンド |
CUDAコア数 | 10,752 | 10,240 | 9,728 |
ベース クロック | 2.30 GHz | 2.30 GHz | 2.21 GHz |
ブースト クロック | 2.62 GHz | 2.55 GHz | 2.51 GHz |
VRAM仕様 | 30Gbps GDDR7 | 23Gbps GDDR6X | 22.5Gbps GDDR6X |
VRAM容量 | 16GB | 16GB | 16GB |
バス幅 | 256-bit | 256-bit | 256-bit |
帯域幅 | 960 GB/s | 736.3 GB/s | 716.8 GB/s |
TDP | 360W | 320W | 320W |
GeForce RTX 5080のスペックはCUDAコアを合計10,752コア搭載し、メモリーには30Gbps動作のGDDR7をバス幅256-bitで接続することで16GBの容量と960 GB/sと言う先代のRTX 4090に迫る帯域幅を実現しています。ただ、このスペックから見てわかる通り、先代のRTX 4080 SUPERに対してはコア数は5%、RTX 4080に対しては10%しか増えていません。また、消費電力もRTX 4080 SUPERから13%増になるなどコア数と動作クロック向上がそのまま跳ね返りとして消費電力に反映されてしまっています。
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そんなGeForce RTX 5080はHardware Unboxedのレビューでは『RTX 4080 Ti SUPER』と揶揄しているぐらいの性能で、実際に、4K解像度でのゲーミングはRTX 4080 SUPERに対して11%向上に留まり、RTX 4080に対しては14%向上とかなり限られた性能向上であることが明らかになっています。ちなみに、先代のRTX 4080はRTX 3080に対して45%の性能向上を記録しており、当時のフラッグシップモデルであったRTX 3090を25%超える性能を実現しています。しかし、今回はRTX 4090に対して17%劣る性能になっています。
また、ここまで限られた性能向上だとラスタライズ性能のみで見るならRadeon RX 7900 XTXに対して9%しか優れていません。
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レイトレーシングになると性能の向上幅はさらに目減りするようで、Tom’s Hardwareが計測したベンチマークではRTX 4080 SUPERに対して6.5%の向上、TechPowerUPのベンチマークでは11%向上に留まるなど本当に新世代化されたグラフィックカードなのか疑いたくなる性能になっています。
ちなみに、レイトレーシングにおいても先代のRTX 4080はRTX 3080に対して2倍以上の性能を発揮し、RTX 3090に対しても40%近く上回る性能であったため、このRTX 5080の性能向上幅は過去最悪クラスと言えそうです。
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唯一優れている点を見つけるとすると、ゲーミング時の電力効率は向上しているようで、TechPowerUPによると現在発売されているグラフィックカードの中では最も優れており、RTX 4080 SUPERに対して10%近く電力効率が向上しています。実際に、消費電力もFurmarkを動かした際にはRTX 5080は375WとRTX 4080に対して19%上回る電力を示しますが、ゲーミング時はRTX 5080は325WとRTX 4080の300Wから8%しか余分に電力を使っていないため、この点は優れていると言えそうです。
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コストパフォーマンスに関しては、メーカー希望小売価格基準で言えば、RTX 5080はRTX 4080 SUPERに対して12%ほど優れている結果になっています。しかし、市場価格基準でこのRTX 5080を評価するとRTX 4080 SUPERに対して9%しか優れていません。
GPU | 1FPSあたりのコスト | FPS | 販売価格 |
---|---|---|---|
GeForce RTX 5080 | 2184円 | 91 | 198,800円 |
GeForce RTX 4080 SUPER | 2096円 | 81 | 169,800円 |
ちなみに、日本での販売価格を基に計算すると1FPSあたりRTX 4080 SUPERは2096円ですが、RTX 5080は2184円とコストパフォーマンスは4%ほど悪化しています。この差は俗にいうアリバイ価格基準での計算であるため、一般的に売られているモデルであればさらにコストパフォーマンスは悪化することになります。
先行してレビュー解禁されたRTX 5090ではコストパフォーマンスも電力効率の向上も一切見られず、単純にコア数が増えただけ性能が上がったという結果でしたが、RTX 5080も同様にコア数と動作クロック向上が性能向上の原資で、Blackwellアーキテクチャーに刷新されたことによる性能向上はあまり大きくないです。
ちなみに、2月下旬にはGeForce RTX 5070 TiとRTX 5070が発売されると言われていますが、これらのモデルもコア数の増加が限られているほか、レビュー解禁日もメーカー希望小売価格モデルが発売日の前日などRTX 5080と同じ戦略が取られています。そのため、RTX 5070 TiやRTX 5070、そしてそのあと登場すると言われているRTX 5060シリーズ含めて、今後登場するモデルにはあまり期待しないほうがいいかもしれません。特にRTX 5070クラスになると、まだ販売されているRTX 4070 Ti SUPERの方がRTX 5070 Tiに対してコストパフォーマンスの観点では優れている可能性が高いと言え、旧世代のグラフィックカードを買うのを躊躇するのであれば、3月発売予定のRadeon RX 9070 XTのレビューを見てから購入した方がいいかもしれません。
GeForce RTX 4080 SUPERの生産終了が早かった理由がコレ・・・
NVIDIA GeForce RTX 4090は生産終了済み。RTX 4080 SUPERも10月中に生産終了へ
GeForce RTX 5080のレビューを見ると、RTX 4080 SUPERを購入した方がお得と考える人も多くなりそうな結果になっていますが、NVIDIAはこのような消費者の行動に先手を打って対応をしています。と言うのも、RTX 4080 SUPERは2024年10月の段階で既に生産終了が行われており、日本の量販店では1月中旬ごろから在庫が全くない状態になっています。そのため、コストパフォーマンスも何もRTX 5080を購入するしかハイエンドグラフィクス・カードを購入する手段はない状態になっています。
Nvidia GeForce RTX 5080 Review, 1440p & 4K Gaming Benchmarks | Hardware Unboxed
NVIDIA GeForce RTX 5080 Founders Edition Review | TechPowerUP
https://www.techpowerup.com/review/nvidia-geforce-rtx-5080-founders-edition
Nvidia GeForce RTX 5080 Founders Edition review: Incremental gains over the previous generation | Tom’s Hardware
https://www.tomshardware.com/pc-components/gpus/nvidia-geforce-rtx-5080-review
コメント
コメント一覧 (6件)
今は時期が悪い!と様子見ばかり決め込んでいると次々値上げされて結局きついといういい例なのでは
買いたい時が買い時、どうせ安くはならないし次世代機も高い。
覚悟決めてGO!(思考停止)
為替とアスク税の関係で値が下がることは絶対にないからはよ買わないといかんばい
今は買うな時期が悪いおじさん「今は買うな時期が悪い」
言えるのは5080よりもさらにショボい強化ぐらいの5070Ti以下は、さらにこれ以下の性能アップ率になるでしょうと
30世代熱すぎて早く変えたかったんだが
4090も超えれずメモリも同容量なら
もう6080待ちも視野に入ってきて頭抱えてる
どうすっかねこれ
5070Tiは関税100%で大幅に値上げされる