NVIDIAが GeForce RTX 5060 のレビューを操作? 指定条件のレビューを先行公開を条件にドライバーを事前提供。

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NVIDIAが GeForce RTX 5060 のレビューを操作? 指定条件のレビューを先行公開を条件にドライバーを事前提供。

NVIDIAが2025年5月19日に発売するミドルレンジモデルのGeForce RTX 5060はスペック面ではCUDAコアを3840コア備えるほか、128-bitのバス幅ではあるものの28GbpsのGDDR7を搭載することで448 GB/sの帯域幅を実現するなど、先代のRTX 4060と比べるとCUDAコア数は25%増、帯域幅は1.65倍増などかなり高いスペックを持っています。しかし、VRAM容量が8GBしか用意されない点が懸念として挙げられており、先行して発売されたGeForce RTX 5060 Ti 8GBでは一部のタイトルがVRAM不足でパフォーマンスが大きく低下したり、PCIe Gen 5 x8レーンと言うインターフェースが原因で、PCIe Gen 4環境ではGen 5環境に対してパフォーマンスが10%以上落ちることが明らかになるなど、評価は芳しくありませんでした。

こうした背景からNVIDIAは、GeForce RTX 5060についても、RTX 5060 Ti 8GBと同様にVRAM容量やPCIe Gen 5 x8レーン対応といった点がゲーミング性能に悪影響を及ぼし、レビューで酷評されることを警戒しているようです。そのため、悪いレビューが発売日近辺に登場しないように、レビュー用ドライバー提供を発売日当日に行うことを明らかにしています。これに対して多くのYoutuberやメディアは怒りを表明していましたが、さらにNVIDIAは、消費者に対してRTX 5060の性能が優れているように見せようと一部メディアに対し、特定の条件下で測定したレビュー記事を掲載することを条件にRTX 5060のドライバーを事前提供していたことが明らかになりました。

NVIDIAは指定したゲームタイトル、グラフィックス設定、そして比較対象とするグラフィックカードの選定に至るまで、厳しい条件を提示し、これらの条件に従うことを前提にGeForce RTX 5060のドライバーの事前提供を行い、上記条件に従ったレビュー記事(通称:プレビュー)を掲載させるなど情報統制とも取れる手法を用いていたとのことです。

実際に、このプレビュー記事を公開したドイツの『GameStar』にれば、NVIDIAはRTX 5060と比較してよいグラフィックカードは2世代前のRTX 3060と3世代前のRTX 2060 SUPERのみで、先代のRTX 4060との比較は許可されていないとのことです。

また、テストが許可されたタイトルは『Avowed』、『DOOM: The Dark Ages』、『Marvel Rivals』、『Cyberpunk 2077』、『Hogwarts Legacy』の5作品に限定。ベンチマーク条件も1080p解像度の最高画質設定で、可能な場合はレイトレーシングまたはパストレーシングを有効化し、RTX 5060しか使えないDLSS MFGは必ず有効化した状態でのみ計測が認められたとのことです。

特に比較対象となるグラフィックカードはRTX 3060やRTX 2060 SUPERと古いほか、RTX 5060しか使えないDLSS MFGが有効化されているため、グラフだけ見ると飛躍的な性能向上が見られるように誤認する結果になっており、知識があまりないユーザーを騙すことを意図したような結果になっています。

GameStarが、NVIDIAからこのような厳しい制限を受けながらもプレビュー記事の公開に応じた理由については、「ドライバーの事前提供を受けることで、正規のレビュー記事を他メディアに先駆けて迅速に公開できるため」と説明していると伝えられています。この背景には、プレビュー記事公開に踏み切らざるを得なかったメディア側の苦渋の判断があったのかもしれません。

これらのプレビュー記事に関してはGameStarや日本のASCIIなどは『プレビュー記事』であることを明記しているほか、上述の通りNVIDIAから指示された条件だけを公開していることを明記しています。ただ、一部メディアはNVIDIAからの介入があることを明記していないなどステルスマーケティングに近い記事も掲載しています。また、RTX 5060発売時にはドライバーが提供されていないことからNVIDIAの介入がない客観的なレビューが発売日に掲載される可能性は低く、RTX 5060に興味があるユーザーがNVIDIAが介入した記事を正規のレビューであると誤認してしまう可能性があるなど、今回のNVIDIAのやり方に関しては問題が多いと考えられます。

そのため、GeForce RTX 5060などミドルレンジのグラフィクスカード購入を検討している人に関しては、日本での発売日は5月20日ですが、NVIDIAの介入がないレビューを確認してから購入に踏み切った方が良さそうな状況になっています。

ソース

Geforce RTX 5060 Preview mit exklusiven Benchmarks: Was könnt ihr von der neuen und bislang günstigsten Nvidia-Karte erwarten? | GameStar

https://www.gamestar.de/artikel/geforce-rtx-5060-preview-benchmarks,3433080.html

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この記事を書いた人

『ギャズログ | GAZLOG』の編集兼運営者
幼い頃から自作PCなどに触れる機会があり、現在は趣味の1つに。
高い買い物でもある自作PCやガジェットをこれから買おうと思ってる人の役に立てるような記事を提供できるよう心がけています。
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コメント

コメント一覧 (3件)

  • こういう姑息な事をしても製品が出てしまえば明らかになるのにな。

  • ウッソだろお前www

    コンシューマーを馬鹿にしすぎじゃねぇかNVIDIA。

    いくらBtoCからBtoBにシフトしたとはいえなぁ……。

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