GeForce RTX 5090 や RTX 5070 Ti のROP不足はバレたから公表? 発売前から認知していた可能性
NVIDIAが発売した新世代グラフィクスカード、GeForce RTX 5090およびRTX 5070 Tiでは、ゲームなどのレンダリング処理に不可欠なROP(Raster Operation Processors)が、仕様として公表された数に対して不足している個体が存在することが確認されています。この不具合は全体の約0.5%の僅かな確率で発生しており、NVIDIAは該当する場合、メーカーへ保証交換の申請を行うよう声明を出しています。(なお、その後、RTX 5080についてもROP不足が指摘される個体が登場しています。)
グラフィクスカード | RTX 5080 (New) | RTX 5090 | RTX 5070 Ti |
---|---|---|---|
正規のROPコア数 | 112コア | 176コア | 96コア |
不具合のあるROPコア数 | 104コア | 168コア | 88コア |
この不具合が話題になってから、不具合を認めるまでの時間が非常に短かったこと、またROP不足自体が製造工程で比較的容易に検出できる不具合である点、さらにROPが不足していてもゲームが正常に動作することから、NVIDIA側はROP不足の個体が存在することを事前に把握し、NVAPIやドライバーソフトウェアレベルでマスキング・降格処理を施した上で販売していたのではないか、との疑惑が指摘されています。
没有任何别的解释能说得通。如果是生产过程中没有筛出来缺陷品,那么在用户手里应该表现为玩游戏崩溃不稳定或者花屏等等故障。但如果NVAPI/驱动软件层面能识别,说明封测时已经发现缺陷并且作了对应的屏蔽、降级处理。
— David Huang (@hjc4869) February 22, 2025
David Huang氏によると一般的にGPUなどチップは製造工程でコア数が一部動作しないなどの不良品を排除しない場合、ゲームのクラッシュや表示の不安定化などユーザーが認識できる形で問題が発生する可能性が高まるとのことです。しかし、NVAPIやドライバーソフトウェアレベルで不具合を予め認識し、対策を施している場合はこのような不具合は発生しないとのことです。
今回のROPが不足が発生しているグラフィクスカードはGPU-ZでROP数が確認されるまでの約1か月間にわたり不具合の発覚を免れており、そのあとにベンチマークを行っても問題なく完走するなど動作には全く問題がない状態になっています。そのため、David Huang氏が言うようにNVIDIAが事前にこの問題を認識し、ドライバーレベルで問題なく動作するように対策を施していたのではないかと言う疑惑が向けられているようです。
If you have an RTX 5090 or RTX 5070 Ti with fewer ROPs than are supposed to be on the card, we are putting a bounty out. We will pay you the cost on your receipt + $500 USD. Applies to both. Email tips at gamersnexus dot net. We will cover your total receipt cost for the device,…
— GamersNexus (@GamersNexus) February 23, 2025
PCパーツ系の問題に調査することが多い海外のYoutuber、GamersNexusではROPが不足しているRTX 5090やRTX 5070 Tiを調査するために購入金額+$500で買い取るとのことです。そして、ここで入手したRTX 5090やRTX 5070 Tiについてはパフォーマンスへの影響を調査するとともに、まだ明らかにできない他の調査にも用いるとのことです。ただ、このROP不足の問題についてNVIDIAはGPUダイをすべて検査しているとのことで見逃す可能性は少なく、とりあえず発売して問題が起きれば対応するという方針でROP不足の個体を認識しておきながら販売したのではないかと推察しています。
なお運悪くROPが不足するRTX 5000シリーズを手にしてしまったユーザーはメーカーや代理店保証を通じて交換対応をしてもらえるとNVIDIAは明らかにしています。ただ、GeForce RTX 5000シリーズは極度な品薄状態で、ROP不足とは別件でRTX 5080が初期不良で動作しなかったというユーザーも購入店や代理店にいつ交換できるかわからないと言われている状態です。そのため、ROP不足のグラフィックカードを掴まされてしまったユーザーは交換品が手配されるまで本来の性能より低いままRTX 5000シリーズを使い続けるしかないのが現状と言えそうです。
David Huang | X (Twitter)
コメント
コメント一覧 (10件)
欠陥把握した上で擬装してたなら景品表示法違反と詐偽罪やん
チェックで気づかない訳はないよね~とは思ってた
数量の把握が出来てる時点で知ってたよねって
革ジャンならやるだろうね
これはそう、もし仮にこれを見逃すくらいの管理体制なら大問題だし、不良個体が正常動作してる点も辻褄が合わない
NVIDIA的には問題として扱うほどのものではないくらいにしか思っていないのかもしれない
でしょうね
もともとコア数少ない版のリリースが計画されてて、スクリーニング時に分別して分けてたんだけど、そのシリコンが誤って流出してしまったオチだろうなぁ。
ドライバは無効化されたコアを自動で非使用にするから、コア数が何個でも普通に動くはず。
ホントnVIDIAって違法スレスレの商売をしてるよね。GTX970で同様の問題をやらかした時革ジャンは「二度とこんな問題は起こさない」って公式声明を出したジャン。
コネクター問題もだけどnVIDIAのユーザー軽視の姿勢は度し難いよ。ここまで成長できたのはゲーマーのお陰だろう。
今回は確信犯的に一定の割合で不良品が混じるって分かってて販売したんですよね。
こんなクソ会社の製品は正直買いたくない。
>>この不具合は全体の約0.5%の僅かな確率で発生しており
発生率まで出せてるということは既に認知されていたということだろうな。
これは金額的な損失以上に信用を落としたな。
ただでさえ数が確保出来ないのに、ROPが欠けたシリコン省いたら弾数揃わないから
解った上で販売したんかなぁ
何にしろこの話が本当ならひどいってレベルじゃないぞ
市場が独占されると、ユーザーが直面するのはメーカーの無責任な態度と高額な価格設定です。それでも、選択肢がないため、結局その製品を買わざるを得ません。AMDや他の企業がNVIDIAを打ち負かしてくれることを期待しています。さもなければ、一般ユーザーは永遠に被害を受け続けるでしょう。