NVIDIAがGeForce RTX 4000シリーズの供給を50%削減へ。AI向けGPUを優先生産するのと、GeForce RTX 5000シリーズ登場後も現行モデルの価格を維持する狙い?
NVIDIAでは2025年1月ごろに次世代デスクトップ向けグラフィックスカードとしてBlackwellアーキテクチャーを採用したGeForce RTX 5000シリーズの発売を計画していますが、NVIDIAは現行モデルのGeForce RTX 4000シリーズのモデル末期から移行期にかけて販売価格が大きく下落しないように2024年7月から供給量を大幅に削減している事が明らかになりました。
業界筋の情報によると、NVIDIAでは2024年に入ってからGeForce RTX 4000シリーズすべてのモデルで供給量を削減しているとのことです。最初はGeForce RTX 4060とRTX 4060 Tiが2024年第一四半期から供給が不足気味になり、4月初旬にはこれらのモデルの値上げが行われ始めていました。GeForce RTX 4070やRTX 4080、RTX 4090などハイエンドモデルについては、6月18日に中国で開催される618商戦に向けて5月ごろまでは供給量が潤沢だったようですが、7月に入るとNVIDIAはAIBに対して同モデルのGPU供給量を30~50%削減することを通達したとのことです。
これにより、GeForce RTX 4060からRTX 4090含むすべてのRTX 4000シリーズの在庫量は減少傾向に転じる見込みで、近い内に販売価格が値上がり方向に改訂される可能性がかなり高い状況の様です。
NVIDIAがこのようにGeForce RTX 4000シリーズの大幅な供給量削減を行う背景にはより高単価で高収益が期待できるRTXシリーズなどエンタープライズ向けグラフィックカードにGPU供給を割り振っている可能性があります。特にRTX 4070以上のモデルに使われているGPUダイはRTX 4000 Ada Generation以上のモデルに使われており、これらのグラフィックカードは同様のGPUダイを使うモデルに比べて2倍~3倍以上の価格で販売されています。
また、冒頭で挙げた通りNVIDIAは次世代グラフィックカードのGeForce RTX 5000シリーズを2025年1月以降に順次発売していくことが確定的な状況ですが、新しいグラフィックカード登場前に販売台数が落ちても在庫量を削減しておくことで値引き販売などを防ぎ、現行モデルでの収益率維持および次世代モデル登場時に割高感の緩和などを狙っているとも考えられます。
NVIDIAでは先代のGeForce RTX 3000シリーズでは半導体不足やマイニングブームで調子に乗り在庫が積みあがりすぎてしまった結果、販売価格がどんどん落ちてしまい、GeForce RTX 4000シリーズ登場時には新旧モデルの間で大きな価格差が生まれたケースがありました。そのため、同じ過ちを繰り返さないために、かなり前から供給量削減を行うようです。
こうなると消費者側としては販売価格が上がるのでもしRTX 4070やRTX 4080などハイエンドモデルを半年以内に購入したいというユーザーは早めに購入しておいた方がいいかもしれません。近い内に購入する場合の狙い目はお盆期間中に開催されるセールなどになりそうです。
一方で、1年以内などいつまでに買うか決めていないけど、良いハイエンドモデルが出たら買いたいという方はGDDR7化など性能的に大きく上がる可能性が高いRTX 5000シリーズまで購入を待った方がいいかもしれません。とは言っても次世代モデルでは値上がりも心配されるため悩ましいところと言えます。
輝達 GPU 減產顯卡漲聲響 技嘉、微星等大啖商機 | 経済日報
コメント
コメント一覧 (5件)
粗悪なサーマルペースト問題への対処とかではないんですかね?
全体の生産量は急激には増やせないから仕方がないな
供給量調整罪とか作ってほしい
不当に価格を吊り上げず、適正価格で販売して欲しいけどAMDのグラボ性能が上がらないと根本的には無理やろね
資本主義と自由の国の思想が合体するとこうなる
価格を吊り上げるというか過度に値下がりすることを避ける動きなのかなと。
相場(適正価格帯)の下げ要因には競合や需給バランス悪化(需要減)などが無いと…