偽物のGeForce RTX 4090が中国で出回る。中身は動作しないRTX 3090 GPUを搭載
NVIDIAが2025年1月30日に発売した「GeForce RTX 5090」は、2万を超えるCUDAコア、512-bitのバス幅で接続される32GBのGDDR7メモリーを搭載しており、市販されているゲーミング向けグラフィックカードの中で最強の性能を誇っています。また、ゲーミング用途のみならず、AI用途でも絶大な性能を発揮するグラフィックカードとなっています。その一方で価格は非常に高く、一般市場では約50万円という高価格で販売されている上に、入手難易度も極めて高いのが現状です。
こうした状況から、1世代前の「GeForce RTX 4090」も未だに非常に高い人気を誇っています。RTX 4090は24GBのVRAMを搭載し、ゲーミングだけでなくAI関連の用途にも適しているため、中古市場(例えばeBayやヤフオクなど)では現在も30万円以上の高額で取引されています。しかし、この高価格と高い需要を背景に、中国を中心として巧妙に偽装された偽物のRTX 4090が流通する問題が報告されています。

中国の動画共有サイトであるBilibiliに投稿された情報によれば、偽装されたGeForce RTX 4090はPalit製の中古品として出品されており、パッケージやGPUクーラーの外見が本物とほぼ同じ品質で作られています。しかし実際には、これらの製品は正常に動作しないことが多く、GPUクーラーを外すと、「AD102」と刻印されたGPUチップが現れ、一見するとただの故障品に見えます。

さらに詳しく調査したところ、この偽装品の基板上に配置されているMLCC(積層セラミックコンデンサ)の位置が、RTX 3090の基板と全く同じレイアウトになっており、RTX 3090に搭載されているGA102 GPUの刻印を削り、RTX 4090搭載の「AD102」として再刻印したものである可能性が高いことを示しています。
このRTX 4090は3800人民元、日本円換算で8万円ほどで出品されていたとのことであるため、動作未確認品と言う形態で出品されたと考えられますがAD102 GPUを備えているということから修理やパーツ取りを目的として購入すると考えられ、このようなユーザーから金銭を騙すことを目的にこの偽装されたGeForce RTX 4090が作られたと見られています。
ちなみに、RTX 4090などハイエンドグラフィクスカードについてはGPUやメモリーモジュールを抜き取り基板とGPUクーラーのみにして動作未確認品としてハードオフなどPCパーツに知識があまりない業者に高値で買い取らせる手法が2024年終わりごろに続出していました。しかし、今後はこのように中国で出回っている偽装AD102 GPU搭載のGeForce RTX 4090がメルカリやヤフオクに加え、ハードオフなどリユース店に動作未確認品として売却が試みられる可能性があるため、安値でGeForce RTX 4090が出品されているからと安易に購入することは絶対にないようにするとともにリユース品販売業者も動作未確認のRTX 4090の買取には警戒する必要があると言えそうです。
GPU scam resells RTX 3090 as a 4090 — complete with a fake ‘AD102’ label on a lapped GPU | Tom’s Hardware
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