CES2022にてNVIDIAから発表されたエントリー向けのグラフィックスカードであるGeForce RTX 3050ですが、3D Markのベンチマークがレビュー解禁日に先立ち出現しました。価格が大きく異なると見られていますが、AMDのRadeon RX 6500 XTより20%ほど高いパフォーマンスを記録しているようです。
NVIDIAから2年ぶりに登場するエントリーモデル、GeForce RTX 3050
NVIDIA GeForce RTX 3050 gets first 3DMark scores, GTX 1660Ti performance with DLSS/raytracing?
NVIDIAは2022年1月に開催されたCES2022にて、デスクトップ向けGPUの中でハイエンドモデルとなるGeForce RTX 3090 TIとエントリーモデルとなるGeForce RTX 3050の2モデルを発表しました。この中で、RTX 3050については、NVIDIAから2019年10月に登場したGTX 1660 Super以来のエントリー向けモデルとなり、従来モデルに比べて高いパフォーマンスやレイトレーシングやDLSSなど最新技術がエントリーモデルでも体感できることが期待されています。
そんな、RTX 3050ですが、レビューなどが解禁される1月26日に先立ち、3D Markのベンチマークがリークされました。
RTX 3050はミドルレンジモデルとなるRTX 3060と同じGA106 GPUを搭載していますが、CUDAコアは2560基に減らされており、VRAM容量も8GB GDDR6、バス幅は128-bitとなっており、RTX 3060に対して価格を抑えるためスペックダウンが行われています。ただ、その分TDPは130Wとエントリー向けモデルとして扱いやすい消費電力となっています。
Radeon RX 6500 XTより20%高いパフォーマンスを発揮。ただし、GTX 1660 Tiより劣る
Videocardzが間も無く登場するNVIDIA GeForce RTX 3050のベンチマークを入手したとのことで、その結果が掲載されています。
詳細なシステム構成は判明していませんが、Radeon RX 6500 XTやGeForce GTX 1660 Tiとの比較も掲載されていることから、ある程度CPUなどは同等条件に設定されていると見られています。
GeForce RTX 3050の3D Mark Time Spyではグラフィックススコアが6166pt、Time Spy Extremeでは2801ptを記録しています。
1月21日に発売が開始されたAMD Radeon RX 6500 XTでは3D Mark Time Spyが4970pt、Time Spy Extremeでは2270ptということで、RTX 3050は前者では24%、後者では23%ほど優れたスコアを記録しており、1080p環境では最新タイトルでもそこそこ使えるパフォーマンスを発揮できそうなスコアになっています。
ただし、残念ながらRTX 3050のスコアはGTX 1660 Tiに対して若干劣ったスコアになっています。
GTX 1660 TiではTime Spyが6360pt、TimeSpy Extremeが2882ptとなっており、それぞれ3%ほどRTX 3050が劣っているという結果になっています。
ちなみに、RTX 3060はTimeSpyが8783pt、TimeSpyExtremeが4111ptということでRTX 3050に対して50%近いスコア差があります。
DirectX11用で負荷がTimeSpyに比べて軽いFireStrikeにおいてはRTX 3050は15843ptを記録しており、GTX 1660 Tiに対しては6%劣っていますが、Radeon RX 6500 XTに対しては4%優れたスコアになっています。
Radeon RX 6500 XTとRTX 3050の差がFireStrikeではTimeSpyに比べて差が大きく縮まっていますが、これはFireStrikeでは負荷が低くRX 6500 XTの4GBのVRAM容量や64-bit幅のバス幅という短所があまり出ていないように見られます。
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マイニング性能はRTX 3000シリーズ史上過去最低。73Wで12.5MH/s
NVIDIA GeForce RTX 3050 is not good for Ethereum mining | Videocardz
Videocardzではマイニング性能に関する情報も独自に入手しています。
GeForce RTX 3050に関しても、他のRTX 3000シリーズと同じようにEthereumマイニングに対して制限を課す、Lite Hash Rate仕様になっており、73Wの消費電力で12.5MH/sのマイニング性能を発揮しています。
なお、Lite Hash Rateはマイニング開始後すぐには起動しないのですが、起動する前でも20MH/s程度のため、決してマイニング性能が高い訳ではなく、マイニング効率も最近発売されたグラフィックスカードの中でも最低レベルとなっています。
GPUモデル | MH/s | W | PPW |
---|---|---|---|
CMP 170HX | 164 | 250 | 0.656 |
Radeon RX 6600 | 30 | 50 | 0.600 |
Radeon RX 6600 XT | 32 | 55 | 0.582 |
GeForce RTX 3060 Ti | 58 | 130 | 0.446 |
GeForce RTX 3070 | 58 | 130 | 0.446 |
Radeon RX 6800 | 64 | 150 | 0.427 |
GeForce RTX 3080 | 91 | 230 | 0.396 |
GeForce RTX 3050 (LHR起動前) | 20 | 73 | 0.274 |
GeForce RTX 3050 (LHR起動後) | 12.5 | 73 | 0.171 |
全コア5.4GHzで動作するIntel Core i9-12900KSのベンチマーク出現
NVIDIA GeForce RTX 3050に関してはAMDから発売されたRadeon RX 6500 XTに対しては20%以上高い性能を記録していますが、2年以上前に発売されたGTX 1660 Tiに対してほぼ同じ性能というのは個人的に少々期待外れと思っています。
ただ、価格については玄人志向のRTX 3050は5万円から発売ということで、GTX 1660 Tiと同じ価格となっています。GTX 1660 Tiに対してレイトレーシングとDLSSが追加されていると考えるとコストパフォーマンスは悪くないと捉えることもできます。
ただ、性能と価格を考えると1.5万円ほど高いですが、6.5万円ほどのRTX 2060 12GBの方がいいかもしれないです。(Techpowerupが掲載したRTX 2060 12GBのベンチマーク結果)
幸いなことに、RTX 3050はマイニングは可能ですが、性能と効率が非常に悪いためマイナーの餌食になる可能性は限りなく低いと言えそうですので、発売直後のご祝儀価格が解ければ高値で買うマイナーの存在は期待できないため、安くなってくる可能性もありそうです。