NVIDIA GeForce GTX 1080 TiがGeForce RTX 5050に完敗。一時代の終わり

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GeForce GTX 1080 Tiを極限までOCしてもRTX 5050を超えられず

2017年に登場したGeForce GTX 1080 Tiは、その卓越した性能から「GOAT (Greatest of All Time)」の愛称で呼ばれる伝説的なグラフィックスカードです。しかし、8年近い技術の進化は残酷なようです。海外YouTuberが、このGTX 1080 Tiを極限までオーバークロックして最新エントリーGPUのRTX 5050に挑む企画を実施したところ、GTX 1080 Tiが性能面で完敗するという結果が明らかになりました。

YoutuberのTrashBench氏は良好なオーバークロック耐性を持つGTX 1080 Tiに対して本格水冷でGPUや搭載されるGDDR5Xを冷却することでRTX 5050と渡り合える性能を引き出せると期待していました。

しかし、RTX 5050の性能はGTX 1080 Tiの定格状態に対してShadow of the Tomb Raiderを除くと平均11%ほど上回るなど4世代分の進化を見せつける結果になっています。加えて、GTX 1080 Tiを最大1.58 GHzから2.2 GHzへオーバークロックした状態でも定格に対して性能は約2%しか変わらず、定格状態で動作するRTX 5050に対して最大12%劣る結果になっています。

対するRTX 5050もオーバークロックが試みられており、その際は大型のCPUクーラーを搭載する改造が施されていますが、これにより動作クロックは定格の最大2.57 GHzから3.3 GHzまで向上させることに成功。その際の性能は、GTX 1080 Tiの定格状態に対して20%、オーバークロック状態に対しても18%優位となり、アーキテクチャーの世代交代がもたらす進化を明確に示す結果となりました。

プロセス微細化の効果は絶大。一方でVRAM容量は向上せず

スクロールできます
アーキテクチャーPascalTuringAmpereAda LovelaceBlackwell
登場年2016年2018年2020年2022年2025年
搭載モデルGTX 1000RTX 2000RTX 3000RTX 4000RTX 5000
製造プロセスTSMC 16nmTSMC 12nmSamsung 8nmTSMC 4nmTSMC 4nm

GTX 1080 Tiに搭載されているPascalは2016年に投入されたGPUアーキテクチャーで、TSMC 16nmプロセスで製造されていました。一方で今回エントリーモデルのRTX 5050に搭載されているBlackwellは2025年に登場し、TSMC 4nmで製造されています。

この差により、GTX 1080 TiのGPUダイサイズが471mm²であるのに対し、RTX 5050は149mm²と3分の1以下です。それにもかかわらず、トランジスタ数はGTX 1080 Tiの118億個から、RTX 5050では169億個へと43%増加。結果としてトランジスタ密度は約4.5倍にも達しており、技術の進歩を改めて感じさせられる内容になっています。

ただし、これだけ大幅な進化を遂げたGPU性能とは対照的に、VRAM容量についてはGTX 1080 Tiが11GBを搭載する一方で、RTX 5050は8GBに留まっています。このVRAM容量の停滞については、今後のGeForce RTX 5000 SUPERシリーズなどで改善されることが期待されます。

ソース

GTX 1080 Ti vs RTX 5050 – 3300MHz CHAOS & a 17% FPS Gain! | TrashBench

https://www.youtube.com/watch?v=D1gf638YMfk

この記事を書いた人

『ギャズログ | GAZLOG』の編集兼運営者
幼い頃から自作PCなどに触れる機会があり、現在は趣味の1つに。
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