2014年発売のGeForce GT 710の新モデルがASUSから発売。意外と需要がある模様
ASUSでは上位モデルではGeForce RTX 4090を発売する一方で、エントリーモデルではGeForce RTX 3050 6 GBなど幅広いランアップのグラフィックスカードを取り揃えていますが、なんとこのラインアップに新たに2014年3月から発売が開始されたGeForce GT 710を搭載したグラフィックカード『GT 710 2GB GDDR5 EVO』と言うモデルを新たに発売することが明らかになりました。
このGeForce GT 710は2014年3月に発売されたGPUで、世代的にはKeplerアーキテクチャーを搭載する製品になっています。このKeplerは現行アーキテクチャーのAda Lovelaceに対して7世代前の製品で、SwitchのSoCに搭載されているGPUのMaxwellよりも1世代古いGPUアーキテクチャーになっています。製造はTSMC 28nmで行われ、CUDAコアは合計192コア搭載し、動作クロックは最大954 MHzで動作します。VRAMは1.8 Gbpsで動作するGDDR5を合計2GB搭載し、バス幅は64-bitで帯域幅は14.40 GB/sを発揮します。
近い内にBlackwellアーキテクチャーを搭載するGeForce RTX 5000シリーズの発売が予定されるなか、なぜ骨董品とも言えるようなグラフィックカードを新たに投入するかと言うと、新しいグラフィックカードでは現代のマザーボードで一般的なUEFIにしか対応しておらず、古いシステムでは出力することができない場合があります。しかし、GT 710ではそのような古いシステムの画面出力を行うのに最適な上、価格も非常に安価であることから古いシステムを使い続けなければならない用途において需要があるようです。
この『GT 710 2GB GDDR5 EVO』の価格と発売日はまだ明らかにされていませんが、筐体はロープロファイルに対応するブラケットを備えるほか、冷却はファンレスで、昔ながらのヒートシンクを備えています。スロット厚はヒートシンクが2スロット分占有しているため、2スロット分のPCIeレーンの空きが必要になります。
出力ポートはHDMI、DVI、VGAなど古い規格も搭載し、PCIe Gen 2で16レーンに対応し、消費電力はたったの20Wで動作します。
ちなみに、NVIDIAではGeForce GT 1010やGT 1020などを販売していましたが、GeForce GT 710ほどの成功は収めていません。また、現在販売されているGeForce GT 1030では北米では$100以上の価格設定で、日本円でも1万円近くするなど画面出力だけできればいい割に価格が高くこちらも人気がありません。
そのため、ASUSではとにかく価格を抑えたGeForce GT 710を新たに発売することを決定したようです。
一般家庭でUEFIが備わっていないPCを持っているケースは2024年時点ではもうほとんど無いと考えられますが、企業や特殊な機械を動かすためのPCではかなり古いPCを使っているケースがあり、そのようなPC向けにGeForce GT 710は重宝されそうなグラフィックカードになっています。まだ価格は明らかになっていませんが、北米では$100以下での販売が予想されるため、日本でも5000円台ぐらいで購入することが可能になるかもしれません。
ASUS GeForce GT 710 2GB GDDR5 EVO | ASUS
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