GEEKOM GT13 PROの実機詳細レビュー:CPU性能高めのミニPC

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GEEKOM GT13 PROの基本的な仕様について

GEEKOM GT13 PROは主にミニPCを製造、販売するGEEKOMの最新鋭ミニPCで、CPUにはIntel Raptor Lake世代となるCore i9-13900Hを搭載したモデルになっています。

価格はCore i9-13900Hで32GBのRAMと2TBストレージを搭載したモデルが160,800円ですが、セール中は132,000円以下で購入することが可能になっています。

CPUCore i9-13900H @TDP 45W
グラフィックスIris Xe Graphics
メモリーDDR4 3200MT/s 16GB x 2 = 32GB
ストレージPCIe Gen 4 NVMe SSD 1TB or 2TB
OSWindows 11 Pro
インターフェイスフロント側
– USB3.2 Gen2 Type-A x 2 (1つはPD対応)
– 3.5mm ステレオジャック
リア側
– USB3.2 Gen 2 Type-A x 1
– USB 2.0 Type-A x1
– USB 3.2 Gen 2 Type-C (PD/Alt-Mode対応) x1
– USB4 Gen 3 Type-C (PD/Alt-Mode対応) x1
– 2.5Gbps イーサーネットポート
– HDMI 2.0 x 2
側面
– SDカードリーダー
拡張スロットなし
ワイアレス機能Wi-Fi 6E / Bluetooth 5.2
サイズ幅112.4 x 奥行き112.4 x 高さ37mm
電源USB-PD / 19V ACアダプター
価格Core i9-13900H:160,800円
Core i7-13620H:110,280円

今回のレビューはGEEKOMからGT13 PROの提供を受けています。
(だからと言って忖度はしないので安心してご覧ください。)

パッケージ内容と同梱物

箱はシンプルで、Apple製品などでお馴染みの箱を持ち上げると、重力で本体を同梱する下側の箱が落ちて来るパッケージになっており、箱の外側にはシュリンク包装がされています。こちらは兄弟機種のA8と同じです。

同梱されている付属品はACアダプターの他に、長さ100cmのHDMIケーブル、モニターの裏面にGT13 Proを設置するためのマウントに加え、簡単な説明書が入っています。

ACアダプターの大きさは極めて普通なのですが、同封されているプラグ部分が日本では一般的ではない3ピンであるため、変換プラグなどを用意する必要がありそうです。

GEEKOM GT13 PROのデザインと品質、拡張性について

ここではGEEKOM GT13 PROのデザインや品質そしてミニPCではあるものの気になる拡張性について解説します。

デザインと品質:本体は全面アルミ筐体

外観は一般的なミニPCでよくある正方形デザインになっています。また、素材はケーブル類がある裏面と、底面を除く全周アルミニウム合金で作られています。表面はサンドブラスト加工が行われており、触れた感触はさらさらとした手触りで、持ち上げる際には堅牢かつ電源オフ時はひんやりとした手触りで、質感は非常に高いと言えます。

なお、数日前にレビューしたA8とGT13 PROは筐体デザインが全く同じものを採用していますが、色はA8は明るめのシルバー色に対してGT13 PROはガンメタリックな色になっています。

アルミニウム合金で作られた外装に対して、インターフェイス類との合わせ面も左右にズレていると言った事はありません。ただ、電源ボタンが若干傾いている事は気になりますが、それ以外は品質面で特に不満に思う箇所張りません。

インターフェイスは、前面にUSB Gen3.2に対応するType-Aポートが2つとオーディオジャックがあり、後面にはUSB4とUSB3.2 Gen2対応のType-Cポートがそれぞれ1つずつ、USB Type-AポートとHDMIポートがそれぞれ2つと2.5Gbpsまで対応するイーサーネットがあります。

こちらもA8と同じくインターフェイス類がまとめられた後面は各ポートが綺麗に並べられています。

拡張性:SSDの追加やメモリーの交換などが可能

本体底面にはゴム足が4つあり、これを取るとネジが出てきます。このネジを取り外すことで本体内にアクセスすることができます。ゴム足は両面テープで固定がされているのですが、ゴム足自体に突起が設けられているため、両面テープの粘着性が無くなっても、ゴム足が勝手に取れないようになっています。

本体底面を覆っている蓋にはWi-Fi用のアンテナが内蔵されているため、本体側と蓋は細いケーブルで繋がれています。そのため、底面の蓋を開ける際は注意する必要があります。

拡張性としては、2つのSO-DIMMスロットが設けられているため、1枚あたり32GBのメモリーモジュールまで対応しているため最大64GBのDDR4まで搭載する事が可能です。また、PCIe Gen 4に対応するNVMe SSDが元々搭載されていますが、さらに追加で2242サイズのM.2 SATAスロットも用意されているため、ストレージを追加する事が可能になっています。

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GEEKOM GT13 PROの各種パフォーマンスについて

内蔵のCore i9-13900H CPUについて

今回提供されたサンプルモデルではCore i9-13900Hが搭載されています。このCPUはIntelの第13世代CPU、Raptor Lakeと呼ばれているモデルで、コア数はP-Coreが6コア、E-Coreが8コアの合計14コア、20スレッドで構成されるCPUになっています。

動作クロックは仕様上ではブースト時は最大5.40 GHzで動作しますが、こちらは冷却性能に依存するためGT13 Proでは最大4.4 GHzでの動作に留まっています。

なお、このGT13 ProではBIOS画面でファンの騒音と性能を両立する『Balanceモード』と性能を重視する『Performanceモード』の選択が可能になっているため、CPUベンチマークではこの2つの設定で計測が行われています。

GEEKOM GT13 PROのCPUパフォーマンス

CPU性能は、Raptor Lake搭載と言う事でシングルコア性能は比較的高く、デスクトップ向けのCore i5-12600KやRyzen 7 7800X3Dなどに迫るパフォーマンスを発揮しています。一方で、マルチコアではポテンシャルとしてはCore i5-12600Kに迫る性能はあるものの、ミニPCと言う筐体と冷却性能の不足からCore i5-12600Kを下回るほか、Core Ultra 7 155Hなど最新鋭のノートPCにも劣る性能になってしまっています。

PCMark 10のスコア:4Kの動画編集も可能?

PCMark10においては合計6250ポイント記録されています。

各項目においてはウェブブラウジングや各アプリの起動など日常用途の快適性を表すEssentialsでは11667ポイントを記録しているため、日常的な使用で不満に感じる部分は無いと言えます。

Wordやエクセルなどオフィス用途での性能を示すProductivityにおいては10226ポイントでデスクトップ向けCPUと比べるとCore i7-12700K並みを記録しているため、データ数が多いエクセルや重いパワーポイントプレゼンテーションも快適に作業することができます。

RAW画像や動画編集、3Dのレンダリングなどを評価するDigital Content Creationにおいては7770ポイントを記録しています。こちらのスコアではグラフィックカードの性能も考慮されるため、レンダリングなどでスコアが引き下げられてしまっています。ただ、それ以外の画像編集においてはスコアは非常に高いため、5000万画素を超えるようなRAWデータでも特にもたつくことなく編集や書き出しが可能と言えます。

GT13 PROのゲーミング性能

GT13 Pro内蔵のIntel Core i9-13900HではIris Xe Graphicsが内蔵されています。ただ、この内蔵GPUはゲーミング重視のものではないためApex Legendsの様なシューティングゲームをプレイするには不適で、画質を落とした上でLeague of Legendsなど軽めのゲームなどのプレイまでしか対応することは出来ないと言えます。

GT13 PROの消費電力と長時間の負荷を与えた際の動き

Core i9-13900HはTDPは45Wですが、ブースト時の最大は115Wと発熱が大きなCPUになっています。そのため、PerformanceモードでCinebench R23を10分間連続で回した際には最初の数秒間は動作クロックが4.4 GHzを超えますが、そのあとは2.5 GHzとかなり低い動作クロックに下がってしまいます。この理由としてはCPU温度が100℃近辺に到達しており、CPUの性能に対して冷却が不足してしまっている事が伺える動きになっています。実際に消費電力も動作クロックの抑制によりベンチマーク動作中はほぼすべての期間中70Wで動作するなど発熱をかなり抑えた動きになっています。

また、Balanceモードで動かしたい際にはさらに動作クロックは下がり、ブースト時で最大3.0 GHz、そのあとは2.3 GHzで動作しています。その代わり消費電力は50Wに抑えられてはいます。

内蔵されているSSDの性能

内蔵されているSSDはAcer製N7000 Shadow Nightと呼ばれるPCIe Gen 4対応NVMe SSDが搭載されています。容量は2TBになっています。

このN7000は読み取り性能が約7000MB/s、書き込みが約6200MB/sと非常に高速なNVMe SSDが標準で搭載されているため、日常での使用で困る事は全く無いと言えます。

GEEKOM GT13 PROの日常での使い心地と使い勝手

PCではパフォーマンスなどが重要でもありますが、毎日使うという点で気になる使い勝手や使い心地について取り上げて行きます。

ミニPCで気になるライセンス問題は・・・問題なし

前回のGEEKOM A8のレビュー時に寄せられたコメントで、ミニPCで気になるWindowsライセンスについて確認してほしいという声がありましたので、今回のGT13 PROで確認しましたが、OEM_DM Channelと記載されているライセンスであるため、正規ライセンスが使われている事が確認できます。ですので、半年後に使えなくなるなどの心配は一切ありません。

ファンノイズは小さめだがCPU性能に制約が発生

ミニPCでは高回転で回るブロワー型ファンを搭載しているのですが、ファン回転数はかなり低く抑えられており高負荷時を除けばほとんど音は聞こえません。ただ、この低く静かなファンは回転数が低いため、ベンチマークの結果でも記載した通りCPUの性能に制約を生み出しているとも言えます。一応、BIOSでBalanceとファン回転数を上げて性能を上げるPerformanceなど設定が用意されていますが、それでもファンの回転数は抑え気味で、上述の通り性能に制約が生まれている点は少々残念です。

GEEKOM GT13 PROの最終評価:ゲームもプレイできる万能ミニPC

  • ストレージ2TB、メモリー32GBと容量に困らない構成が選べる
  • ストレージの追加が可能
  • 金属製筐体で質感が高い
  • SDカードスロット標準搭載
  • 初期設定ではバランスモードで性能が低い
  • USB-PD入力には非対応

GEEKOM GT13 PROでは非常に高い性能を持つCore i9-13900Hを搭載しているものの、筐体が小さく騒音を抑えるためにファン速度が抑えられていることからCPUが持つ本来の性能を発揮できていないような動きがベンチマークなどを動かすと明らかになっています。そのため、高性能なCPUであることを期待しても、冷却不足で想定以下の性能になる可能性があります。

ただ、ファンの回転数を上げるなど冷却性能を上げれば性能の底上げも可能であるため、BIOSアップデートなどを通じてファン設定をユーザーが設定できるようになるとCore i9-13900Hの性能を活かすことができるようになるかもしれません。

レビューとは話が逸れますが、このGT13 PROで興味深いのが、筐体デザイン含めてRyzen 9 8945HSを搭載するA8と全く同じことです。GEEKOMではほかにもIntelのNUC 13 Proの筐体をそのまま使ってAMDのRyzen 9 8945HSを内蔵したAX8 Proと呼ばれるモデルを発売しているため、GEEKOMから出るミニPCに関しては同じ筐体でIntelとAMDそれぞれのCPUが選べるなど少々ぶっ飛んだメーカーであることが分かりますので、今後出てくる製品にも期待です。

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この記事を書いた人

『ギャズログ | GAZLOG』の編集兼運営者
幼い頃から自作PCなどに触れる機会があり、現在は趣味の1つに。
高い買い物でもある自作PCやガジェットをこれから買おうと思ってる人の役に立てるような記事を提供できるよう心がけています。
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