GEEKOM Air12 Liteの実機レビュー:高コスパなオフィス用ミニPC

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GEEKOM Air12 Liteの基本的な仕様について

GEEKOM Air12 Liteは小型PCなどを主に販売するGEEKOMのエントリー向け小型PCとなっており、CPUにはAlder Lake-NであるIntel N100を4コア搭載するモデルとなっています。

価格は8GBメモリーと256GB SSDを搭載したモデルのみラインアップされており、定価は29,990円で販売されています。

CPUIntel N100 (4コア/4スレッド)
グラフィックスIntel Core UHD Graphics (24EU @750MHz)
メモリーDDR4 3200MT/s 8GB x 1 = 8GB (最大16GBまで対応)
ストレージ256GB M.2 SATA SSD ※NVMe SSDはPCIe Gen 3まで対応
OSWindows 11 Pro
インターフェイスフロント側
– USB3.2 Gen2 Type-A x 2
– ヘッドセットジャック x1
– マイクジャック x1
– フロントパネルヘッダー x1
リア側
– USB3.2 Gen 2 Type-A x 2
– USB 2.0 Type-A x2
– 1Gbps イーサーネットポート x1
– HDMI 2.0 x 1
– DisplayPort 1.4 x1
拡張スロットなし
ワイアレス機能Wi-Fi 5 / Bluetooth 5.1
サイズ幅135.5 x 奥行き115.5 x 高さ34.5mm
電源19V ACアダプター
価格29,990円

今回のレビューはGEEKOMからAir12 Liteの提供を受けています。

パッケージ内容と同梱物

箱は持ち上げると上半分が外れるタイプで、低価格ながらしっかりとしたパッケージになっています。

同梱されているものは、ACアダプターの他に、長さ50cmのHDMI、モニターの裏面に設置するためのマウントと説明書が入っています。

なお、ACアダプターはアース付の3ピンプラグになっているため、変換器が必要になりますので、この点は注意が必要です。

GEEKOM Air12 Liteのデザインと品質、拡張性について

デザインと品質:全面プラスチック製だが3万円を切る価格の妥協点?

外観は一般的なミニPCでよくある正方形デザインになっていますが、本体の厚さは薄くなっています。筐体の材質は底面を除くとプラスチック製で、質感も如何にもプラスチックと言う感じのチープさがありますが、本体価格が3万円を切っていることからこれは必要な妥協点と言えます。

インターフェイスは正面にはUSB3.2 Gen 2を2口、フロントパネルヘッダー*、マイクとヘッドセットジャックをそれぞれ1口ずつ備えています。

*フロントパネルヘッダーは自作PCなどで多くの人間を苦しめる、電源ボタンやアクセスLEDなどを繋ぐときに使うアレです。

後面インターフェイスはDisplay Port 1.4、1Gbps対応イーサーネット、HDMI 2.0をそれぞれ1口備え、USB 2.0とUSB 3.2 Gen 2ポートをそれぞれ2口ずつ備えるなど安いながらも高い拡張性を持っています。

建付けについても筐体の穴と各種ポート類の隙間は均等で品質面は良いと言えます。

拡張性:SSDとWiFi、メモリーの交換が搭載可能。ただし増設は不可。

本体の分解は底面4つのネジが剝き出しで配置されているため、これらを緩めるだけで簡単に外せます。

また、このネジはキャプティブスクリューになっているため、ネジを紛失する心配がありません。

本体内部で交換可能な部品はM.2 2280サイズまで対応するSSD(SATAおよびNVMe対応)とM.2接続のWiFiモジュールの2点に加え、シングルチャンネルのSO-DIMMがあります。なお、このモデルでは3200 MHz動作の8GB SO-DIMMが組み込まれています。

GEEKOM Air12 Liteの各種パフォーマンスについて

内蔵のAlder Lake-N100 CPUの仕様

Air12 Liteに内蔵されているCPUであるN100 CPUはAlder LakeやRaptor Lake CPUに内蔵されているE-Coreを4コア搭載しており、合計4コア4スレッド構成となっています。このCPUはAtom系のGracemontアーキテクチャーであるため、高い性能には期待できませんが、軽いウェブ・ブラウジングやワードやエクセルなどオフィス用途であれば必要十分な動作速度が確保できると言えます。

Air12 Liteのパフォーマンス

性能としては4コア4スレッドと言うことで性能はあまり高くなく、近しい性能のCPUとしてはCore i5-6600Tなどが挙げられます。Core i5-6600Tは2015年末に登場したCPUで、Intel N100と同様に4コア4スレッドのCPUですが、TDPは35Wと高く、N100はこのCPUに近しい性能を出しつつ、40%程度の消費電力で動作します。

PCMarkベンチマークの結果は2142ポイントで最新鋭のPCのように動作がサクサクできるという訳ではないです。ただ、ウェブブラウジングなどの快適性を図るEssentialsは6348ポイント、ワード、パワーポイントなどのオフィス用途での性能を図るProductivityは4055ポイントでSkylake世代のCore i5-6600に等しいスコアになっているため軽めのサイトでウェブブラウジングをしながらOfficeを起動して作業する程度であれば不自由がない程度の性能は確保できていると言えます。

Air12 Liteの消費電力

Air12 Lite搭載のIntel N100はTDPが6Wと非常に低いため、ベンチマーク時などブースト時でもCPUは15W程度しか消費しないなど非常に低い消費電力を記録しています。この時のファンノイズは手元に置いた状態では聞こえますが、机の下などに配置した状態では体感上はほとんど聞こえないレベルの騒音になっています。

内蔵されているSSDの性能

Air12 LiteではWodpositと呼ばれる中国メーカーのSATA接続M.2 SSDが搭載されています。このSSDはSATA接続と言うことでCrystal Disk Markでは読み込み、書き込み共に550MB/s台となっていますが、WindowsはBIOS画面から起動まで30~60秒以内で動くので必要十分な性能があると言えます。また、このAir12 Lite自体、PCIe Gen 3対応NVMe SSDにも対応しているため、より高速なSSDに交換することも可能になっています。

GEEKOM Air12 Liteの日常での使い心地と使い勝手

PCではパフォーマンスなどが重要でもありますが、毎日使うという点で気になる使い勝手や使い心地について取り上げて行きます。

ライセンスも問題なし

Air12 Liteは定価で29,990円と3万円を切る価格で販売されているため、Windowsのライセンスなど不安に感じられる部分もありましたが、確認するとWindows 11 ProのOEMライセンスを搭載しているため、途中でライセンスが無効になる心配はありません。

Windows 11 Proを搭載

個人で使用する際にはWindows 11 Homeでも特に問題ありませんが、オフィス用途で例えば複数ユーザーまたは複数台導入する場合にはセキュリティーやサポート機能が充実しているWindows 11 Proのほうが最適と言え、特にBitlockerへの対応やリモートデスクトップ、グループポリシーなど設定することが可能になっています。

ファンノイズがほとんど聞こえない

Air12 Liteでは上述の通りTDP 6Wで動作するIntel N100を搭載しているため、冷却のためにファンを高回転で回す必要がほとんどなく、ベンチマーク中もファン音は聞こえるものの、甲高い耳障りな音がずっと鳴るということはありませんでした。そのため、机の上に置いておいても音が気になることはあまり無いと言えるほか、ディスプレイの裏や机の下など遮蔽物があればエアコンや生活音に紛れてほとんど聞こえないと言えそうです。

GEEKOM Air12 Liteの最終評価:ネットやオフィス用途なら高コスパなミニPC

  • 価格が3万円以内と安価
  • 日常やオフィス用途であれば十分な性能
  • Windows 11 Pro搭載
  • 高負荷時でもファンノイズは小さい
  • USB-C非搭載(USB-PDにも非対応)
  • 3ピン・プラグが同封(一般的なコンセントで使うには変換コネクターが別途必要)

GEEKOM Air12 Liteについては価格が29,990円で購入はできるものの、性能は日常ではYoutubeやNetflixを見たり、ウェブブラウジングをしたり、ワードやパワーポイント、メールなど含めた簡単な事務作業を単独で行うのであれば必要十分な性能を持っているミニPCと言え、コストパフォーマンスは高めと言えます。

注意点がCPU性能は高いとは言えませんので、例えばYoutubeで音楽を聴きながら、ChatGPTで文章を考えてもらいながら、エクセルとパワーポイントを切り替えるなどマルチタスクは苦手で、Yahoo!など軽いサイトの閲覧であれば問題ありませんが、画像やアニメーションを多用したサイトを見ながら、ほかの作業をすると言った場合にはもたつきが顕著に表れ、ストレスが溜まることもあります。そのため、ヘビーに使う場合はより高価で高性能なCPUを搭載したミニPCを選んだ方がいいと言えます。

おすすめできるユーザー像としては、使う用途がオフィス作業など決まっている個人や小規模な事業者に最適で、特に複数台導入する際にはリモートデスクトップ機能やグループポリシーなどが使用できるWindows 11 Proが最初から搭載されているため、ほかのIntel N100搭載ミニPCに比べると明確なアドバンテージになると言えそうです。

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この記事を書いた人

『ギャズログ | GAZLOG』の編集兼運営者
幼い頃から自作PCなどに触れる機会があり、現在は趣味の1つに。
高い買い物でもある自作PCやガジェットをこれから買おうと思ってる人の役に立てるような記事を提供できるよう心がけています。
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