G-Sync Ultimateの要件が緩和。HDRの数値要件が消える。

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G-Sync Ultimateに対応したモニターはNVIDIAが定めたスペックを満足した高品質ディスプレイのみに付けられるモノとなっていますが、どうやらNVIDIAはこのスペックの一部要件をサイレントで緩和していた模様です。

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HDRが1000nits以上の要件が削除

NVIDIA quietly lowers the requirements for G-Sync Ultimate monitors | VideoCardz.com

G-Syncとは、通常は60Hzなどに固定されている画面のリフレッシュレートをゲーム描写時のフレームレートと同期させることで、ティアリングの発生やラグ、すたったーを抑える技術となっています。このG-Syncの中でもG-Sync Ultimate対応製品では、G-Sync対応の他に、以下の項目への対応が求められます。

  • 瞬間最大輝度は1000nits以上である事(DisplayHDR 1000)
  • 高解像度、高リフレッシュレート
  • 低遅延
  • ローカルディミング対応バックライト
  • 幅広い色域対応
  • 高性能G-Syncプロセッサー

このような要件がG-sync Ultimateに当てはまるには対応が必要ですが、CES 2021にてNVIDIAから複数のG-sync Ultimate対応のPCモニターが発表されました。それが、ASUS PG32UQX、LG 34GP950G、MSI MEG381CQRです。この内、2つの製品ではVESA Display HDR 600までの対応にも関わらずG-sync Ultimate対応が謳われていました。

数値要件から感性的な要件に

NVIDIAでは、この要件の変更についてはCES 2021のプレスリリースで以下のように記載しています。

G-SYNC ULTIMATE Gaming Monitors: The highest-grade G-SYNC monitors available, with G-SYNC Processors, the latest panel technologies, excellent HDR (up to 1400 nits), and the latest advancements, such as Mini-LEDs.

日本語訳

G-SYNC ULTIMATE ゲーミングモニター:G-SYNCの中で最高峰モデルとなるモニターで、G-SYNCプロセッサの他、高品質なHDR(最大1400nits)そして、最新鋭の液晶技術であるミニLED搭載などを搭載したモデルもあります。

プレスリリースではHDRの最大輝度が1400nitsである事は記載されていますが、最低要件の変更については何も記載がありません。一方で、G-Syncを紹介するウェブサイトでは、『1000nits以上のHDR』と言う表記が『リアルなHDR』と言う曖昧な言葉に置き換えられています。

従来までは『1000nits以上のHDR』と数値要件が定められておりG-Sync Ultimateと書かれた製品を選べば自動的に最高レベルのHDR技術が搭載された製品を選べました。しかし、最新のG-Sync Ultimateでは『リアルなHDR』としか書かれておらずHDR技術の性能については製品毎に異なりユーザーが調べて選ぶ必要性が出てきます。

PC用ディスプレイを専門に扱うウェブサイトであるPC MonitorsのTwitterアカウントでは『G-Sync Ultimateの定義について再度教えて欲しい』とNVIDIAのTwitterアカウントに対してツイートを送っていますが、特に返答は無い模様です。
また、NVIDIAもCES 2021でのプレスリリース以外ではこのG-Sync Ultimateの変更については何も明言がされていません。

 

NVIDIAのG-Sync Ultimate対応ディスプレイは基本的に高価でその大きな原因はDisplayHDR 1000への対応と見られていました。そのため、NVIDIAとしては、より安価に対応が可能となるようにDisplayHDRの要件を緩和したと考えられますが、それと同時にG-Sync Ultimateの中でも大きな性能差が生じる事になります。(DisplayHDR 600と1000では主観ですが、比べてみるとかなり変わります)
そのため、HDR性能を重視する人は、G-Sync Ultimate対応を参考にするのではなく、製品毎にどのDisplayHDRまで対応しているかを見る必要が今後は出てきます。

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この記事を書いた人

『ギャズログ | GAZLOG』の編集兼運営者
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