12V-2×6を4個搭載した GeForce RTX 5090 の試作基板が見つかる

12V-2×6を4個搭載した GeForce RTX 5090 の試作基板が見つかる

NVIDIAが発売している最上位グラフィックカードのGeForce RTX 5090では21,760コアのCUDAコアと32GBのGDDR7を搭載する一方で、消費電力は575Wと非常に大きくなっています。ただ、この575Wでも12V-2×6コネクターが供給できる600Wを下回っているため、多くのGeForce RTX 5090では12V-2×6コネクターを1つしか搭載していませんが、どうやらNVIDIAはGeForce RTX 5090の初期の試作品においては12V-2×6コネクターを4口も搭載していたことが明らかになりました。

リークされた画像に写る基板は、NVIDIA自身またはそのボードパートナーがテスト目的で使用したごく初期のエンジニアリングサンプルであると見られており、16枚のGDDR7を搭載していることからGeForce RTX 5090向けの基板と見られています。基板上にはファンヘッダやUSBヘッダ、診断用と思われるピンなど、リテール製品には見られない多数のコネクタ類が配置されており、これが試作品であることを明確に示しています。このような基板は通常、開発が完了すると流出を防ぐために破棄・破壊されますが、今回は破壊されているものの全容がリークされてしまっています。

この試作基板で特徴的かつ異常とも言えるのが電源周りの構造で、基板右側にはGPUやメモリーなどに電力を供給するVRMが2列配置されているほか、12V-2×6コネクターが4口搭載されています。12V-2×6コネクターは1口あたり最大600Wもの電力を供給できるため、理論上このグラフィックカードは2400Wもの電力を受け取ることが可能で、これは日本で一般的に販売されている電気自動車に備わる普通充電器に迫る電力量になります。

4つの12V-2×6コネクターを搭載する目的については、開発用基板と言うことや過去に12VHPWRでコネクター周りの不具合が頻発したことから複数のコネクタを用いることで負荷を分散し、過熱を防ぐとともに、万が一いずれかのコネクタに不具合が生じた場合のフェイルセーフ機構としての役割を意図していた可能性があります。また、ほかにもGB202 GPUのオーバークロック耐性の評価や他のコンポーネントの電力特性などを確認する目的で大電力を供給できるように設計されていると考えられています。

なお、この4つの12V-2×6コネクターを使ったGeForce RTX 5090の試作品に関しては上位モデルであるGeForce RTX TITANに向けた試作品だった可能性も指摘されています。しかし、NVIDIAはGeForce RTX 5090に搭載されているGB202 GPUに関しては、AI向けのRTX 6000 Blackwellなどで200万円近い高値で販売できることや、既に販売価格の観点でRTX 5090を超える価格帯での販売を行ってもほとんど売れないことは明確であることから、RTX TITANが投入される可能性は極めて少ないと言えます。ただ、NVIDIAがこのような基板で次世代グラフィックカードのテストをしていたと言うことから、将来的に登場するグラフィックカードではより高い消費電力が求められる可能性もありますので、特にGeForce RTX 6090などでどこまで性能が上がりつつも消費電力も増えるのかなどは注目が集まりそうです。

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