ウクライナで電力網から盗んだ電気で運営していたマイニング工場が摘発され、その時に約3800台のPS4が押収されました。当初はPS4が仮想通貨マイニングに利用されていたと見られていましたが、どうやらゲーム内通貨をマイニングするのに使われていたようです。
PlayStation4 (PS4) 3800台の謎用途
Illegal Cryptocurrency Farm Was Also Mining FIFA 21 Characters | Tom’s Hardware
7月7日、ウクライナの保安庁は電力網から不正に電力を盗んでマイニングを行っていたとして、マイニング工場を摘発しました。その際に、このマイニング工場からは500枚のグラフィックスカード、50個のCPUやノートPCの他、3800台のPS4が押収されました。
この中で、GPUやCPUなどはマイニングに利用されるパーツでEthereumなどをマイニングしていたと見られていますが、PS4が3800台については、GPUの入手が困難だったため何かしらの方法でマイニングできるようにしたのでは無いかと見られていました。しかし、そうだとしたらPS4 SlimよりPS4 Proの方が効率よくマイニング出来、更にPS4の金額や性能を考えると同等価格のASICの方がより利益が取れるはずで、このPS4は謎に包まれていました。
答えはBOTファーミング。ゲーム内通貨を売却して利益を得ていたか?
押収の際に撮影された写真では、PS4からディスクが吐き出されているのですがそのディスクはFIFA21であったようです。FIFA21では、Ultimate Team Modeと呼ばれるモードがあり、プレイヤーがルートボックスなどで得た選手を基にチームを編成し、ゲームがプレイできるモードがあります。
この選手を得るのに必要なルートボックスはゲーム内通貨または課金する事で得られるのですが、強いキャラクターを手に入れられる確率は非常に低いとの事です。そのため、プレイヤーは課金をしない場合はゲームをプレイする事を通じてゲーム内通貨を得てルートボックスを買う必要があります。
今回、ウクライナで摘発されたマイニング工場では、プレイする行為をBOTなどで自動化して制御していたようで、自動的にゲーム内通貨を獲得するようにしていたようです。そのゲーム内通貨をeBayで販売したり、BOTで得られたゲーム内通貨でルートボックスを購入し、出現確率の低いレアキャラが出ればそれらをまたeBayなどで売却する事で利益を得ていたと見られています。
ゲーム内通貨やキャラクターはeBayなどで驚くほど高値で売れるものではありませんが、3800台ものPS4を導入していたという事は、盗電によって電気が無料で手に入る状態であれば十分収益が出せると見込まれていたと考えられますが、どれほど利益が出ていたかなどは明らかになっていません。
収益など、詳細は不明ですがもし仮にBOT操作でゲーム内通貨をマイニングする事で十分な利益を得ていたという事であれば、同じ様な事をする人たちが大量に表れそうな気がします。特に中国では仮想通貨規制はされたものの、BOT操作でゲーム内通貨やキャラクターをマイニングし、売却益を得る事はまでは規制されていないはずです。そのため個人的には近いうちに中国で同様の事をより大きな規模で行う集団が出てきても不思議ではない気がします。
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