最近登場しているCPUやGPUなどは消費電力が大きく、性能が高いゲーミングPCなどを作るとなると多くのファンを搭載するなど騒音が気になると思います。しかし、そんな悩みを解決する最強のファンレスPCケースがComputex2023で公開されました。
CPU+GPU合計最大600Wまで対応するファンレスクーラーを搭載するPCケースが登場。
ここ最近登場している性能が高めなCPUやGPUについては消費電力が大きいため大量のファンを搭載した巨大クーラーが必要で、PCケースについても排熱を効率よく逃がす為に多くの12cmファンが搭載できる構造になっています。そのため、性能が高い代わりに静粛性が犠牲となるケースもありますが、CPUとGPUの消費電力を合わせて600W程度までであれば完全ファンレスで冷却可能なクーラーを搭載したPCケースがComputex2023にて公開されました。
このファンレス搭載PCケースを発表したのは多くのファンレスPCケースを手掛けるStreacomと呼ばれるメーカーで、特にStreacom ST-DB4Tについてはファンレスかつ個性的な見た目から4万円近い価格のケースでありながら根強い人気があります。
そんなStreacomがファンレスクーラーの限界に挑んだ『SG10』と言う製品を公開しました。このSG10は2017年にKickstarterで立ち上げられたプロジェクト『Calyos NSG S0』を引き継いだものになっており、2021年にティザーが公開されるなど、Kickstarter時代から遡ると約6年の歳月をかけて開発が行われており、遂に完成に近づいているようです。
Kickstarterで当時立ち上げられていたCalyos NSG S0については大量のアルミ製ヒートシンクを搭載する事で冷却をし、熱源とヒートシンクはポンプレスで冷媒液を循環させるなどでGTX 1080 Tiにも対応するなどかなり野心的な内容になっていました。そのため、当時は非常に大きな話題となり2000万円の出資ゴールに対して、4000万円近い出資を集める事に成功しました。しかし、技術的な難易度が非常に高かったことからCalyos NSG S0についてはいつまで経っても出資者の元に製品を届ける事ができませんでした。そんなCalyosは2020年にStreacomと提携し、新たなCalyos NSG S0を作る事とするなど長い期間開発が行われてきたPCケースとなっています。
今回登場したSG10についてはCalyos NSG S0の超高性能マシーンをファンレスで動かすというコンセプトは踏襲しつつも、完全新設計となっています。ただ、熱源とヒートシンクの間には冷媒を使う事などは共通していますが、ケースのデザインなどは全く新しくなっています。デザインは現代風のシンプルな長方形型となっており、ヒートシンクについてはCalyos NSG S0では側面にレイアウトされていたものが、上部にレイアウトされる形になっています。
また、マザーボードやグラフィックカードについてはそれぞれ斜めに入れるなどPCケースとしてはかなり変わったレイアウトとなっています。
なお、このStreacom SG10については価格や発売時期については明らかにされていませんが、展示品の完成度は比較的高いため2023年中に登場する可能性はありそうです。ただ、価格については特殊な冷媒を入れた冷却装置に加え、大量のアルミと銅を用いたヒートシンクを搭載しているため、安くても10万円はするものと見られています。
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