EVGAがNVIDIAとのAIB契約を終了しGPUから撤退。原因は利益減少と不信感?

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NVIDIA製GPUを買うとなると、ZotacやGIGABYTE、ASUSの他にEVGAがメジャーなブランドとなっていますが、そのEVGAがNVIDIA製GPUの取り扱いを終了する可能性があるようです。

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22年の歴史があるEVGAとNVIDIAの関係

EVGAは北米やヨーロッパでは比較的有名なブランドでグラフィックカードの他にマザーボード、電源ユニット、クーラー、PCケースやBTOなどPCパーツ系は手広く扱っており、グラフィックスカードに関しては2000年に発売がされたNVIDIAのGeForce MX 440以来、NVIDIA製GPUを取り扱ってきています。

そんな、EVGAですが現行のGeForce RTX 3000シリーズを最後に、グラフィックカードの製造から撤退することを発表したようです。

原因は利益縮小とRTX 3000シリーズの在庫問題でNVIDIAに不信感

EVGAのグラフィックカード撤退についてはEVGA公式からは何も発表は出ていませんが、9月17日からGamers NexusやJayztwocentzなど海外の有名なテック系Youtuber経由で発表がされており、撤退に関してはほぼ確定という状態のようです。

Jayztwocentzでは、カメラやスマホなど持ち込めない会場でなにか発表があると案内が来て、AMD製グラフィックカードの取り扱いに関することだとワクワクして行ったら、唖然としたと完全に予想外な展開だったと語るように多くのユーザーはEVGAがグラフィックカードから撤退するとは考えてもいなかったようです。

ただ、EVGAはこのグラフィックカード販売からの撤退は2022年6月ごろからすでに最終決定をしていたようです。

この撤退の原因はEVGAから公式には発表されていませんが、Jon Peddie Resarchによると主に2つの理由があるようで、1つはGPUダイの価格高騰による利益縮小のようです。

特にここ数年は消費電力の増大に伴い、電源回路や冷却機構の開発費や原価が高騰していたとのことです。また、NVIDIAもGPU開発に多大な開発費や投資を行ってきたため、GPUダイの価格も高騰し、EVGAが得られる利益は年々縮小してきていたとのことです。また、オーバークロック用ソフトウェア開発や3年間の保証期間など開発費以外にも多くのコストがかかっており、それに見合う利益が取りにくくなっているようです。特に2022年から2023年にかけてはグラフィックカードの在庫がだぶついていることから高い販売価格の維持は不可能で更に利益は減ると予測されています。

2つ目の理由はNVIDIAとの信頼関係の悪化です。

NVIDIAではAIBに対してリークを避けるため秘密主義に傾いてきているようで、最近では新製品についていつ発表が行われるかや価格などの情報は一切共有されていないとのことです。

また、最近ではEVGAなど多くのAIBがRTX 3090 Tiを1399.99ドルで販売しているなか、NVIDIAは自社で製造するRTX 3090 Ti Founders EditionをBestBuyで1099.99ドルで販売するなどAIBに対して大きな影響が出ることを警告なしに行ってきたようです。このような行動もNVIDIAに対する不信感を増大させる原因になってきたようで、EVGAとしてはグラフィックカードを作り続ける事による経営上メリットは無いと判断に至ったようです。

この他にもMoore’s Law is Deadによると、EVGAではRTX 3000シリーズについて1年分ぐらいの在庫を持っているようで、RTX 4000シリーズの販売が行える環境では無いにも関わらず販売をしようとするなどパートナーであるはずのAIBを無視した姿勢に嫌気がさしているとも言われています。

なお、EVGAは北米におけるグラフィックカードのシェアを40%近く握っていたようで、EVGA撤退により他のAIBにとってはチャンスとなりますが、ユーザーからすると慣れ親しんだブランドから他のブランドへの移行はあまり歓迎される出来事ではないのは確実です。

 

グラフィックカードに関しては最近は消費電力が400W近くにまで上がり電源回路や冷却面などコストが上がる要素満点かつNVIDIAが開発するGPUダイも価格高騰が続いており、自作PCシェアが高い北米で40%もシェアを握っているEVGAでさえも利益を出すのに苦しんでいる様子を見ると他のメーカーもこの動きに追従する可能性がありそうです。特にRTX 3000シリーズの在庫問題やインフレなどAIBにとっては試練は続くため他社の動きにも注目です。

 

 

 

 

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この記事を書いた人

『ギャズログ | GAZLOG』の編集兼運営者
幼い頃から自作PCなどに触れる機会があり、現在は趣味の1つに。
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