Intelのサーバー向けCPUであるIce Lake-SP XeonのSiSoftware Sandra Databaseにベンチマークが出現しました。パフォーマンス面ではEPYC Rome(現行)と同等性能を持っている模様です。
Ice Lake-SP世代Xeonのベンチマークが2つ出現
Intel 3rd Gen Ice Lake-SP Xeon Platinum 8352S & 8352Y 32 Core CPU Benchmarks Leaked (wccftech.com)
Intelのサーバー向けCPUであるIce Lake-SP世代のXeonですが、登場は2021年中とされていますがSiSoftware Sandra Databaseにベンチマークが出現しました。
出現したのはIntel Xeon Platinum 8352SとXeon Platinum 8352Yで両者ともに32コア64スレッド構成となっています。クロック周波数はベースは2.20GHzで最大3.40GHzのブーストクロック、L2キャッシュは40MB、L3キャッシュは48MB搭載し、TDPは205Wとなっています。
この2つのCPUで末尾Sと末尾Yで異なっていますが、これは対応するソケット数が異なっており、Sは最大4ソケット(32×4=128コア)、Yはデュアルソケット(32×2=64コア)に対応しています。
性能は現行のAMD EPYC Romeと同等程度。EPYC Milanに対抗するには力不足か?
ベンチマークはXeon Platinum 8352Sではシングル(32コア・64スレッド)、Xeon Platinum 8352Yではデュアルソケット(64コア・128スレッド)構成で計測がされています。
結果として、Xeon Platinum 8352SではArithmetic Test(計算テスト)では813.40GOPSを記録し、Xeon Platinum 8352Yでは1604.36GOPSを記録しています。Multi-Media TestではXeon Platinum 8352Sでのみ計測されこちらは3564.27Mpix/sを記録しています。
ちなみに計算テストではスコアはほとんど完璧にコア数に応じてスケーリングしています。
このスコアですが、他のサーバー向けCPUなどと比べた結果がwccftechが掲載しています。
比較結果ですが、Ice Lake-SP Platinum 8352系はAMD EPYC Rome 7532 32コアCPUと同等か少し上回る程度のパフォーマンスを発揮しています。また、デュアルソケットを搭載したIce Lake-SP Platinum 8352と64コア搭載したEPYC Rome 7742との比較では、Xeonの方が4%ほどリードする結果となっています。
ただし、こちらでまとめられた比較対象はあくまで現行のEPYC Romeです。AMDでは3月15日にEPYC Romeの次期型にあたるEPYC Milanの発表を控えておりこのEPYC Milanではマルチコア性能はRomeと比較して10%以上向上する事が2020年12月時点で判明しています。そのため、発売される際には更なる最適化が進んでいると見られておりIce Lake-SPの現時点での性能ではEPYC Milanを越えるには力不足感が否めません。
AMD EPYC 『Milan』のラインアップとベンチマークが出現
Ice Lake-SPは2021年中にリリースとなる予定で、AMDのEPYC Milanの後に登場する事は確実視されています。そんな中でEPYC Romeに対して同等か少し超える程度の性能であればIPCなどが大きく向上したEPYC Milanにパフォーマンス面で対抗するのは難しそうです。Intelとしては価格面またはAVX512を活用する環境下での性能しか武器が無く、今後の決算でサーバー向け製品がどれほど売り上げを稼げるのか注目です。
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