AMDではZen4アーキテクチャーを搭載するコンシューマー向けCPUのRyzen 7000シリーズを2022年8月29日に発表を行いましたが、今回サーバー・データセンター向けにZen4を搭載するEPYCのラインアップが出現しました。
Zen4とZen4cを搭載するEPYC
AMDではTSMC 5nmで製造されるZen4アーキテクチャーを搭載したコンシューマー向け製品のRyzen 7000シリーズを2022年8月29日に発表をし、9月27日から発売すると言われていますが、AMDでは稼ぎ頭でもあるサーバー・データセンター向けにZen4を搭載したEPYC Genoaを2022年中に市場投入を行う予定となっています。
このEPYC Genoaでは現行のEPYC Milanの最大64コアから最大96コアにコア数が増え、メインメモリーにはDDR5、PCI ExpressはGen 5.0に対応する事がAMDからは既にアナウンスがされていますが、今回EPYC Genoaに加え、Zen4cを搭載したEPYC Bergamoを含めたラインアップ一覧が出現しました。
EPYC 8004とEPYC 9004が存在。8004はソケットSP6、9004はソケットSP5向け
Update:
1. 4th Gen AMD EPYC naming rules
2. AMD EPYC Genoa-X model
(P1:My statistical form)
(P2:Tables in AMD’s files)
(P3:naming riles)
—–
Other content will be sent out later … pic.twitter.com/byel6eRe6w— 结城安穗-YuuKi_AnS (@yuuki_ans) September 1, 2022
EPYCに関するリークはYuuKi_AnS氏から出現しており、過去にはEPYC Genoaのラインアップ一覧を同氏はリークしていましたが、今回はEPYC GenoaとGenoa-X、EPYC BergamoなどZen4系アーキテクチャーを搭載するEPYCすべてのラインアップに関する情報をリークしています。
まず、EPYC各モデルの読み方としては、モデル名は最大5桁となり1桁と4桁は製品のシリーズ名となります。これはソケット名によって変わるようで、小型なソケットSP6対応製品は8004シリーズ、大型なソケットSP5対応製品は9004シリーズと名付けられます。(4桁目はEPYCの世代を表しており今回は第4世代という意味で4固定です)
2桁目にはCPUのコア数を示しており、EPYC 8004、EPYC 9004では0から7までの数字が使われ、SP5の場合コア数112-128を表す7からZen4c(Bergamo)となり、SP6の場合は48コアを示す4と64コアを示す5からZen4c搭載となります。
2桁目 | 0 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 |
コア数 | 8 | 16 | 24 | 32 | 48 | 64 | 84-96 | 112-128 |
コアの種類 | Zen4 | Zen4 | Zen4 | Zen4 |
Zen4/Zen4c(Bergamo) |
Zen4/Zen4c | Zen4 | Zen4c |
対応ソケット | SP6 | SP5/SP6 | SP5/SP6 | SP5/SP6 | Zen4 SP5/Zen4c SP6 | Zen4 SP5/Zen4c SP6 | SP5 | SP5 |
3桁目はそのCPUのパフォーマンスを示しており、動作クロックなどに応じて1から6の数字が変わります。また、動作クロックが高いモデルは7と末尾にFが付き、3D V-Cacheを搭載するモデルは8となり末尾がXとなります。
TDPは400W超えのモデルも。3D V-Cache版は4モデル登場
EPYCについてはソケットSP5に対応する9004シリーズが先行してリリースがされるようでそのラインアップがリークしています。
EPYC Genoaとして最上位モデルとなるのEPYC 9654でコア数は96コアで動作クロックはベースが2.05~2.15 GHz、ブーストクロックは3.5~3.7 GHzに及ぶとのことです。TDPについては標準は360Wですが、運用者側でTDP値を調整できるcTDPの範囲は320Wから最大400Wとなっています。
EPYC Bergamoとして登場するのは合計2モデルで、112コアを搭載するモデルと128コアを搭載するモデルの2つになっています。こちらの動作クロックは128コア版がベースが2.05~2.15 GHz、ブーストクロックは最大3.2 GHzとなっておりTDP関連の数字はEPYC 9654と同じく標準360W、cTDPが320~400Wとなっています。
EPYC Genoaの中で動作クロックを重視する9074F系ではコア数は最大48コアとなり、ブーストクロックは4 GHzを超えるようです。
EPYC Genoaに3D V-Cacheを搭載したEPYC Genoa-Xも4モデル準備される見込みで、16コア、24コア、32コアと96コアとなっています。このEPYC Genoa-Xについては動作クロックなど詳細はまだ明らかになっていませんが、TDPは標準状態で400Wと高めに設定されており、cTDPは更に20~40Wほど高く設定が可能な見込みです。
AMDのサーバー・データセンター向けのEPYCはAMDの稼ぎ頭とも言える存在で、コア数の多さと電力効率の高さが評価されているため、次々の大手サーバー・データセンターでの採用が決まっています。これに危機感を持っているのがIntelですが、EPYC Genoa、Bergamoの前世代であるEPYC Milanに対抗するために開発されているSapphire Rapids-SPについては投入時期が遅れており、2023年初旬にまで遅れるのではないかと言われています。
そのため、AMDのEPYC GenoaとBergamoをまもなく投入するAMDではさらにサーバー・データセンター向け製品のシェアを拡大すると見られています。
EPYC Genoaには及びませんが、32コアのRyzen Thredripper Pro 5975WXが54万円でAmazonで売られていますので気になる方は如何でしょうか?
PS5は6000円値上げされますので、買えるかは分かりませんが欲しい人は早めにエントリーする事がオススメです。(転売屋からは買っちゃだめですよ)
コメント