Dellが年末までにメモリーとSSD価格が最大20%程度上がると予測。AI特需が原因?
DDR5やGDDR6向けのDRAMやNVMe SSDなどに使われているNANDメモリーは2023年頃までは過剰在庫により供給価格が大幅に値下がりし、各社メーカーの収益を圧迫する状況になっていました。この状況に対して2023年夏ごろから各社は減産に踏み切り、過剰在庫を適正化するとともに、生成AIブームの到来によりサーバー・データセンター向け製品が爆発的に売れはじめたことで2024年に入るとメモリーやSSDの価格は大きく値上がりしています。
しかし、この値上がり傾向は2024年末にかけて続き、今よりさらに20%程度価格が高騰する可能性があることをDellのCOOが予測しているようです。
工場への投資や低い工場稼働率、ウェハーの立ち上げが少ないことから、メモリーやストレージの需要に対して供給が少なくなることが示されています
Dell COO Jeff Clarke
Dell COOのジェフ・クラーク氏が第一四半期決算発表の際に、メモリーやSSDなどが需要に対して供給が追い付いていない現状が今後も続くと予測している他、需要の面では生成AIブームがまだまだ続くと考え、より多くのHBMや高速なNANDストレージに対する需要が堅調に推移すると予測、結果として2024年後半にはSSDやDRAM価格が追加で15~20%程度上昇すると予測しているようです。
ここ最近、DRAMやNANDなどを製造するメーカーの多くはDDR4やDDR5など一般的なDRAMを作るより高単価で収益性が高いHBM製造に割り当てる措置をしていると言われている他、需要の面ではHBMのほかに生成AIには高速なNANDストレージも必要であるとも言われており、HBMもですが、DDR4/DDR5やSSD用NANDは需要に対して供給が追い付かない状況が続くようです。
なお、このDRAMやSSDの値上げによりDellでは今年後半以降に製品の値上げなども検討しているとのことです。
DRAMやNANDといったフラッシュ系半導体については減産やAI特需による需要増加により需給バランスが狂っている状況のようですが、その結果としてこれら製品の大幅値上がりは不可避な状況といえそうです。この話は2024年はじまりぐらいから言われており、実際にSSDやDDR4/5の値段を見ていても上がっている状況ですので、もし直近でメモリーの増設やストレージの拡充を考えている人は早めに買っておいた方が良いと言えそうです。
Dell predicts 20 percent jump in memory and SSD prices later this year | The Register
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