サムスンとSK hynixがDDR3の生産を終了、価格は最大20%程度高騰へ。HBM3生産を優先するため
DDR3は2007年頃に市場投入が行われ、IntelのCoreシリーズ1世代目となるNehalemアーキテクチャーから一般的に普及したメモリー規格になっています。ただ、DDR3は登場から既に15年以上経過し、現在の主力はDDR4やDDR5に移ってきていますがWi-Fiルーターやスイッチなど安価かつ簡易な組み込み向け用途ではコストが安いことからまだまだ現役で使われています。
しかし、DDR3を製造しているサムスンおよびSK hynixはより収益性が高いDDR5やAI用途で需要が爆発的に拡大しているHBM3へ生産キャパシティーを割り当てるためDDR3は間もなく生産を終了するようです。
台湾の業界筋からの情報によると、サムスンはDDR3を2024年第二四半期末にあたる2024年6月末までに生産を終了する事を顧客へ通知しはじめているとのことです。また、SK hynixも2023年末にDDR3を製造する工場をHBM3生産が可能な様に改修を完了しており、2024年内にDDR3の生産を完全に終了する計画になっています。
これによりDDR3を製造するメモリー大手はMicronのみとなりますが、同社は現時点ではDDR3の生産終了には言及していません。しかし、収益性が非常に高いHBM系メモリーの需要が増える中で生産量拡大のために既存工場を活用するとなるとMicronも近い内にDDR3の生産を終了する可能性はあります。
サムスンとSK hynixの大手2社がDDR3の生産終了に伴い、DDR3の供給価格は最大20%高騰する可能性があるようです。ただ、DDR3の用途は限られていることから価格が急騰するとは考えられず、徐々に価格が高騰しやがて需要がほとんどなくなり市場から消えるというシナリオが予測されているようです。
DDR3はSandy Bridgeでも採用されているメモリー規格なのですが、登場から既に15年以上経っていることや需要も減少し、新たな稼ぎ頭でもあるHBMを製造するために2024年中にはMicron含めて生産終了は近いと言えます。そのため、DDR3を搭載するPC(俗にいうSandy Bridgeおじさんなど?)を使っている人はそろそろDDR4やDDR5を採用するプラットフォームに乗り換えた方が良いと言えます。特に2024年はIntelは新ソケットを採用するArrow Lakeを、AMDはZen 5を投入するためタイミング的には買い替えに最適と言えます。
消息称 SK 海力士、三星电子陆续停产 DDR3 内存,带动市场价格上行 | IT Home
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