Intel Core Ultra 5 125Hを65Wで動作させた際の性能が判明。グラフィックス性能はGeForce GTX 1650並みだが、CPU性能は伸び悩む
Intelでは2023年12月14日からMeteor Lake世代となるCore Ultra 5およびCore Ultra 7を搭載したノートPCの出荷を解禁し、これらの製品に関する情報がすべて公開されると見られていますが、今回この中でミドルレンジモデルにあたるCore Ultra 5 125Hを通常のTDP 28Wから65Wに大幅ブーストした状態で計測されたベンチマークが判明しました。
今回のベンチマークはCore Ultra搭載の一部Lenovo製ノートPCなどに65Wで動作するモードが搭載されるようです。
Core Ultra 125H 4+8+2@65W vs 65W (Lenovo leak)https://t.co/LFAZ0bWYxc pic.twitter.com/TOoVhQ8bD2
— HXL (@9550pro) December 12, 2023
Benchmark Name | Ryzen 7 7840HS (65W) | Core i5-13500H (65W) | Core Ultra 5 125H (65W) | Core Ultra 5 125H (28W) |
---|---|---|---|---|
Cinebench R15 (MC) | 2308 | 2179 | 2266 | 1916 |
Cinebench R20 (MC) | 6309 | 5628 | 5690 | 4373 |
Cinebench R23 (SC) | 1800 | 1805 | 1689 | 1630 |
Cinebench R23 (MC) | 16473 | 14264 | 14771 | 12703 |
3DMark Time Spy | 3007 | 1530 | 3548 | 3077 |
3DMark Fire Strike | 8543 | 5303 | 9095 | 8432 |
ベンチマークではCore Ultra 5 125Hの28Wモードと65Wモードに加え、65Wで動作するCore i5-13500HとRyzen 7 7840HSと比較が行われています。
まず、CPU性能ですが、Core Ultra 5 125Hの28WモードではCore i5-13500Hに対して15%劣る性能にはなっていますが、TDPが半分以下でありながら15%しか劣らないのは驚異的な電力効率と言えます。ただ、65Wモードにすると話は変わります。まず、28Wから65Wに切り替える事で性能は20%向上しますが、Core i5-13500Hと比べると3%しかスコアは向上しておらず、高いTDPにおいてはMeteor Lake系はあまり電力効率や性能の向上が見られない結果になっています。
この結果を見ると、デスクトップ向けMeteor Lakeが発売されなかった理由は高TDPにおけるパフォーマンスが問題であったと言えそうです。
また、65Wモードでの性能はRyzen 7 7840HSにも劣っておりマルチコア時の性能は10%程度差が開いています。
なお、シングルコア性能でもCore Ultra 5 125Hの65Wモードは伸び悩んでおり、28W時は1630でしたが、65Wに切り替えても3.6%の向上しか見られません。そのため、Ryzen 7 7840HSやCore i5-13500Hに対して7%程度劣る性能になっています。
Benchmark Name | Ryzen 7 7840HS (65W) | Core i5-13500H (65W) | Core Ultra 5 125H (65W) | Core Ultra 5 125H (28W) |
---|---|---|---|---|
3DMark Time Spy | 3007 | 1530 | 3548 | 3077 |
3DMark Fire Strike | 8543 | 5303 | 9095 | 8432 |
ただし、グラフィックス性能についてはCore Ultra 5 125Hの65Wモードは驚異的な性能を発揮しており、3DMark TimeSpyにおいて28W時は3077ポイントでこの時点でRyzen 7 7840HSのスコアを2%上回っていますが、65W時には3548ポイントを記録しており、18%も上回るスコアを記録しています。また、この3548ポイントと言うスコアはデスクトップ向けのGeForce GTX 1650とほぼ同じスコアを記録しているため、1080p解像度であればどんなゲームでもプレイする事が可能と言える性能を持っています。
このMeteor Lake内蔵のCore UltraシリーズはノートPC向けでしか登場しませんが、CPU性能がRyzenシリーズに多少劣っていてもこのグラフィックス性能は魅力的と言えます。特にGeForce GTX 1650並みであればeSports系タイトルであれば快適に動作が可能であるので、デスクトップ向けにもCore Ultraシリーズを出せばRaptor Lake Refreshより話題性もあり、売れる気もしますが。。。Intelに期待したいですが、多分2024年末発売のArrow Lakeまで我慢ですよね。
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