第11世代デスクトップ向けCPU『Rocket Lake-S』の最上位モデルであるCore i9-11900Kですが、CPU-ZのシングルコアベンチマークでRyzen 5000シリーズを大幅に超える新記録を達成したとの事です。
Intel第11世代CPU『Rocket Lake-S』の最新情報
Core i7、Core i9共にRyzenを越えるシングルコア性能
Intel Core i9-11900K “Rocket Lake-S” breaks CPU-Z barrier of 700 points – VideoCardz.com
CES 2021にて発表が予定されている『Rocket Lake-S』ですが、一足先にChiphellでCore i9-11900Kが、Raichu氏がCore i7-11700Kで計測されたCPU-Zのベンチマーク結果が掲載されました。
シングルコア性能は『Comet Lake-S』から約18%~20%の向上
Core i9-11900Kで計測されたCPU-Zのベンチマークスコアは全コアを5.2GHzで動作させています。その結果、シングルコアは706pt、マルチコアでは7199ptを記録しています。
🚀11900K
🤪https://t.co/T9od2II5UO pic.twitter.com/zOvajAS96j
— HXL (@9550pro) December 31, 2020
一方で定格での動作状態はHXL氏によって計測がされており、ここではシングルコアが695pt、マルチコアが6522ptを記録しています。
Defeat setting 11700K~ pic.twitter.com/y0TLXmDIZv
— Raichu (@OneRaichu) December 31, 2020
また、Core i7-11700Kのスコアも計測されており、定格動作でシングルコアは673pt、マルチコアが6381ptとなっています。
これら2つのCPUのベンチマーク結果をHarukaze5719氏が比較しやすいように、Ryzen 7 5800XやCore i7-10700Kと並べた比較グラフを作成しました。
競合であるRyzen 7 5800Xと比較すると、シングルコア性能においてはCore i9-11900Kが約5%上回り、Core i7-11700Kでも約2%上回るスコアを記録しています。一方で、マルチコア性能ですが、こちらはRyzen 7 5800XがCore i9-11900Kを約4%上回る結果となっています。両者同じコア数・スレッド数でありながらこのような結果になったのは全コア利用時のブーストクロックがCore i9、Core i7の方が低い事が想定されます。実際に、Core i9-11900Kを全コア5.2GHzに固定されたマルチコアスコアでは7199ptを記録しておりRyzen 7 5800Xを約6%上回っています。
『Zen3』アーキテクチャを採用したRyzen 5000シリーズの登場により、シングルコア性能の高さを謳っていたIntel製CPUはアドバンテージを失いましたが、『Rocket Lake-S』の登場でまたそのアドバンテージは奪還できそうです。『Rocket Lake-S』ではアーキテクチャが5年ぶりに刷新され、IPCはSkylakeアーキテクチャーと比較して約2桁台の向上が見込まれています。今回のベンチマーク結果を見る限りIPC向上は確実でアーキテクチャ刷新の効果は非常に大きいです。性能面では文句なしで後は価格設定次第ではありますが、ゲーミングPC向けCPUとして『Rocket Lake-S』はAMDに乗り換えようか迷っている人を止める大きな武器となりそうです。
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