Intelでは2023年以降にノートPC向けの第13世代CPU、Raptor Lake-PとUシリーズを投入しますが、この中でミドルレンジ向けでTDP28W台となるCore i5-1350Pのベンチマークが出現しましたが、中身は第12世代のAlder Lake-Pとほぼ変わらないようです。
TDP28WのミドルレンジノートPC向け、Core i5-1350Pのベンチマーク出現。性能はCore i5-1250Pに対して5%増しも中身はAlder Lake-P
Intel’s upcoming Core i5-1350P CPU benchmark shows 6% uplift over predecessor | Videocardz
Intelでは2023年に第13世代CPUであるRaptor LakeのノートPC向けモデルとしてハイエンドなRaptor Lake-HXをはじめ、TDP28W台のRaptor Lake-P、TDP15W以下のRaptor Lake-Pなど複数モデルの投入を予定していますが、今回この中でTDP28W台のミドルレンジ向けCPU、Core i5-1350Pのベンチマークが出現しました。
ベンチマークに出現したのは、Acerのビジネス向け薄型ノートPCであるTravelMateの新モデルと見られています。
このノートPCに搭載されているCore i5-1350Pの仕様は12コア16スレッドで、4コアのP-Core、8コアのE-Coreを搭載したコア構成になっており前世代のCore i5-1250Pと同じ構成になっています。
また、キャッシュ面でもL3キャッシュは12MB、L2キャッシュは各P-Coreに1.25MBとなっており前世代のAlder Lake系CPUと同じCPUアーキテクチャーを使用している事がわかります。
なお、動作クロックに関してはベースクロックが1.7 GHzから1.9 GHzに、ブーストクロックは4.4 GHzから4.7 GHzに向上しています。
そんなCore i5-1350Pのベンチマークスコアはシングルコアが1686pt、マルチコアが8980ptを記録しています。
なお、このCore i5-1350Pのスコアは前世代で仕様面でもほぼ同じCore i5-1250Pに対してシングルコアは6%、マルチコアは2%の向上を記録しています。
特にシングルコアのスコア向上率の6%は動作クロックの向上率と同じため、Core i5-1350Pについては、Core i5-1250Pに対して動作クロックと名前だけ変更したモデルと言えそうです。
真の第13世代CPUとなるRaptor Coveアーキテクチャーについてはおそらくサーバー向けのGranite Rapidsでの採用も見据えて開発は行われていたため、Raptor Lake-Sの上位モデルには搭載されていますが、デスクトップ向けのミドルレンジや省電力性能が要求されるノートPC向けにまで開発リソースを割けないという判断だったのか、Raptor Lake-HXを除くノートPC向けCPUではAlder Lake世代のGolden Coveアーキテクチャーをそのまま流用してMeteor Lake登場まで乗り切る作戦と言えそうです。
ちなみに、このCPUの登場によって消費者として気をつけなければならないのが、第13世代CPU搭載というウリ文句で最新鋭ノートPCを買うことです。
結局、第13世代CPUのうち、ゲーミングノートPCなどに搭載されているRaptor Lake-HX以外、第12世代のAlder Lakeに対して動作クロックを上げただけのCPUとなりますので、CPU以外に変更点がなければ2021年に発売がされたAlder Lake(第12世代CPU)を搭載したノートPCを買ったほうが賢いと言えそうです。
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