2021年11月4日からデスクトップ向けのAlder Lake-Sが発売されますが、2022年初旬に登場が予定されているモバイル向けAlder Lake-Pの上位モデルCore i9-12900HのAshes of the Singularityベンチマークが出現しました。
Alder Lake-P上位モデル Core i9-12900H
Intelではデスクトップ向けのAlder Lake-Sを2021年11月4日から発売する予定ですが、それから2か月後の2021年1月頃にモバイル向けAlder LakeであるAlder Lake-MとAlder Lake-Pの2つをリリースする予定となっています。前者はタブレットや薄型モバイルPC、Pはメインストリームから最大45Wのハイエンド向けまでラインアップしますが、今回Ashes of the SingularityベンチマークにAlder Lake-Pの中でTDP45Wとなる上位モデルCore i9-12900Hの結果が掲載されました。
このCore i9-12900Hは現行のTiger Lake H45にあたるCore i9-11900Hを置き換える事を想定したモデルとなっています。
20スレッドを搭載する6C+8Cモデル
『Ashes of the Singularity』上で出現したベンチマークにはCPUにCore i9-12900Hと16GBのメモリーを搭載し、グラフィックにはラップトップ向けGeForce RTX 3080が搭載されたPC構成となっています。
このベンチマーク上ではAlder Lakeの異種混合コアを正しく認識できていないようで、最大スレッド数である20を物理および論理コアとして認識しています。ただ、実際にこのCore i9-12900HはP-Coreが6コア、12スレッド、E-Coreが8コア8スレッドで合計14コア20スレッドがCPUの構成になっています。
ベンチマーク結果では通常はFramerateとCPUの性能を測る参考になるCPU Framerateの2つが掲載されるのですが、こちらではFramerateしか掲載されていない状態となっています。
合計点が10600ptとなっており、各バッチ毎のFPSは、Normal Batchでは131.3、Medium Batchでは110.4、Heavy Batchでは89.3を記録し、平均Framerateは107.6を記録しています。
同等のプリセットやグラフィックスカードの条件ではCore i9-10980HKの記録が掲載されています。合計点が7900ptで各バッチ毎のFPSは、Normal Batchで94.4、Medium Batchでは84.0、Heavy Batchでは61.6を記録し、平均Framerateは77.4を記録しています。
この2つの結果ではグラフィックカードは同等ではあるものの、動作クロックやcTDPの値などは不明なため参考程度にはなりますが、Core i9-12900Hは2世代前のモバイル向け最上位CPUであるCore i9-10980HKに対しては平均Framerateで比べると39%、合計点で比べると34%程度スコアが向上している事が確認できます。
Arc Alchemist登場後もIntel CPU+NVIDIA製GPU搭載モデルは健在?
Intelでは2022年1月頃に今回ベンチマークに出現したAlder Lake-P CPUなどをリリースする予定としていますが、同時期にはIntel製ディスクリートGPUであるArc Alchemistの登場が予定されています。そのため、ディスクリートGPUを搭載するラップトップの多くはAlder Lake + Arc Alchemistの構成になると見られています。ただ、Arc Alchemsitではハイエンドモデルはラインアップされておらず、そのような構成を必要とするラップトップでは今回のAoTSで出現した構成のようにNVIDIAのGeForce RTX 3080と組み合わされた構成となるようです。
個人的にこのAshes of the Singularityベンチマークはバリエーションが多すぎてCPUの値を測ったり、比べたりするのには微妙な気もするのですが、計測誤差を含めてもCore i9-12900Hは2世代前のCPUに対して相応のスコアを伸ばしている事から既にQS品などが各社OEMに対して配布がされ始めているのではないかと考えられます。
モバイル向けCPUについてはつい先日発表されたM1 ProやM1 Maxや2022年1月にAMDから登場予定のZen 3+アーキテクチャーを採用したモバイル向けAPU『Rembrandt』も登場しますので年末にかけて様々な情報が出てくるものと見られています。
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