中国に密輸されたNVIDAI A100/H100 GPUの修理が活況。修理費は1台約36万円

目次

中国で密輸されたNVIDAI A100/H100 GPUの修理が活況

米国の厳しい輸出規制により生成AIなどで必要不可欠なNVIDIAのデータセンター向けGPUであるA100やH100 GPUは中国国内では販売に加え、修理サポートなどの受付も取りやめられる状況になっています。

ただ、このA100に関しては一時的に中国で正規販売されていたことや、H100 GPUはシンガポールを経由して大量に密輸されていたなどから中国国内にはこれらGPUがかなりの台数、存在していると見られています。

そんな状況で輸入されたA100やH100 GPUですが、長年の稼働で修理を要する機会も増えているようですが、中国国内でこれらGPUを修理するビジネスが大人気となっているようです。

月に500台以上を修理。価格は1台あたり約36万円に

データセンター向けに使われるGPUは24時間365日稼働することからGPUダイのみならず、電源やメモリー含めて様々な部品が故障するケースがあります。ただ、中国国内ではA100 GPUやH100 GPUは入手することが困難であるため、ロイター通信によると中国国内でこれらGPUを修理する業者の需要はかなり高まっているとのことで、修理費は1台あたり最大$2400、日本円で約36万円ほどかかるのですが、月500台どどの修理依頼が来ているとのことです。

この修理内容はソフトウェアのテストから、ファンの修理、基板の修復、さらには破損した部品の交換まで多岐にわたりますが、NVIDIAからの正規の部品供給がない中で、どのようにして交換部品を調達しているのかは不明です。ただ、中国では既にGeForce RTX 5090をAI用にカスタマイズする工場が国内に存在するなど、密輸に特化した独自のサプライチェーンが既に構築されている可能性があるようです。

なお、中国ではNVIDIA製データセンターGPUに替わる選択肢として、Huaweiが作るGPUも存在していますが、多くの事業者は現行のチップを修理して使い続ける方がコストパフォーマンスは高いと考えているようで、NVIDIA製GPUの性能の高さに中国国内製GPUは追い付いていないことが浮き彫りになっています。

また、ここまでして多くの事業者がNVIDIA製GPUを使いたいと言う潜在的な需要が存在することからNVIDIAもA100 GPUより高性能と言われているH20 GPUの禁輸を撤回してもらうよう米国政府に粘り強く交渉したものと考えられるほか、これからもNVIDIAは中国市場を重宝した経営戦略が打ち出される可能性が高いと言えそうです。

ソース

Nvidia AI chips: repair demand booms in China for banned products | Reuters

https://www.reuters.com/world/china/china-repair-demand-banned-nvidia-ai-chipsets-booms-2025-07-24

この記事を書いた人

『ギャズログ | GAZLOG』の編集兼運営者
幼い頃から自作PCなどに触れる機会があり、現在は趣味の1つに。
自作PC歴は10年以上、加えて経済やマーケティングなどの知識もあるため、これらを組み合わせて高い買い物でもある自作PCやガジェットをこれから買おうと思ってる人の役に立てるような記事を提供できるよう心がけています。
プロフィールはこちら

コメント

コメントする

目次