低電力版の Arrow Lake-U「Core Ultra 200U」の中身はMeteor Lakeリフレッシュ版に
Intelは2025年1月のCES 2025にて、デスクトップ向けCore Ultra 200SシリーズのメインストリームモデルのほかにノートPC向けに展開するArrow Lake-HやArrow Lake-Uなどを発表すると言われていますが、Intel関連の製品中心にリークしているJaykihn氏から低電力版のArrow Lake-U(Core Ultra 200U)に関するスペックが明らかにされました。
Arrow Lake -U SKUs and clocking.
— Jaykihn (@jaykihn0) November 18, 2024
MTL-U (Core Ultra 1) 15W provided for comparison. pic.twitter.com/ElZ67od7oh
Jaykihn氏が明らかにした情報によると、Arrow Lake-U(Core Ultra 200U)は先代のMeteor Lake-U(Core Ultra 100U)に対してコア構成やラインアップは全く同じで、違いは動作クロックの向上などに留まるようです。
Core Ultra 200Uは全モデルが2P+8E+2LPEの合計12コア構成になり、最上位のCore Ultra 7 265UはP-Coreが最大5.3 GHzで動作し、先代より0.4 GHz、E-Coreも0.4~0.7 GHzの向上が見られています。また、設定TDP毎の動作クロックも向上しており、12W~15W動作時はP-Coreが0.4 GHz向上するほか、ブースト状態のTDP 28W時は先代より0.7 GHzと大幅に向上しているため、電力効率の向上が見られるようです。
内蔵GPUは先代モデルと同じXe-LPGを採用しているため、Xeコアの数も4基に据え置かれます。ただし、動作クロックは全モデルで0.1 GHz程度向上しています。
なお、Core Ultra 200Uはスペック的に、Core Ultra 100Uに対して大きな変更がなく、Arrow Lake系にはないLPEコアが内蔵されるなどArrow Lakeと言うには違和感があるスペックになっていますが、Jaykihn氏によるとCore Ultra 200Uは実質的にCore Ultra 100Uのリフレッシュ版に当たるようです。
Redwood Cove+ (RWC+) and Crestmont Enhanced (CME)
— Jaykihn (@jaykihn0) November 18, 2024
Core Ultra 200シリーズはArrow Lake世代またはLunar Lake世代と言われており、P-CoreにはLion Cove、E-CoreにはSkymontと呼ばれる新しいアーキテクチャーを採用しています。
しかし、このCore Ultra 200UはP-CoreはRedwood Cove+、E-CoreにはCrestmont Enhancedを採用しているとのことです。このアーキテクチャーはMeteor Lakeに採用されているRedwood CoveやCrestmontの流用ではありませんが、動作クロックやコア構成、キャッシュ容量などがほぼ同じであるため、リフレッシュ版と言う位置づけで、アーキテクチャーに大きな変更は加えられていないようです。
IntelがArrow Lakeと名乗っておきながら、Arrow Lake-Uにだけ古いアーキテクチャーを採用する理由は明らかにされていませんが、おそらく同じTDP15W帯の製品には最新鋭アーキテクチャーを採用したLunar Lakeが投入されており、このモデルは電力性能が非常に高い代わりに価格も高くなっています。そのため、Intelは同じTDP15W帯のArrow Lake-Uは廉価モデルとしてラインアップする意図があると考えられ、Lion Cove+Skymontという正真正銘のArrow Lake化ではなく、コストが大幅に安いMeteor Lake-Uのリフレッシュを選択したと考えられます。特にLion Cove+Skymontを搭載する場合はCPUをTSMC 3nmで製造する必要がありますが、Meteor Lake-Uであれば自社ファウンドリーのIntel 4かIntel 3が使えるため、コスト的にも有利になります。
ただし、それであればすべて「Arrow Lake-U(Core Ultra 200)」と名乗らず、Core Ultra 100+やMeteor Lake-U+など、性能面で若干劣ることが分かる名称にした方がユーザーはより性能が優れるLunar Lake (Core Ultra 200V)と区別しやすくなるため、Intel側にとってもメリットがありそうです。しかし、この点は「最新鋭Core Ultra 200U搭載!」と謳って安いCPUを搭載し、高値でPCを販売したいOEMやIntelの意図もあるのかもしれません。
Jaykihn | X (Twitter)
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