モバイル向けIntel Arc Alchemist A730Mのベンチマーク出現。RTX 3060Mを下回る性能に

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IntelではディスクリートGPUであるArc Alchemistのラップトップ向け製品を先行して市場投入をしていますが、今回間もなく登場が見込まれているラップトップ向けのハイエンドGPU、Arc A730Mを搭載したラップトップのベンチマークが出現しました。

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一足早く登場するラップトップ向けArc Alchemist

IntelではNVIDIAやAMDに対抗するために、Arc Alchemistと呼ばれるディスクリートグラフィックスカードの開発を進めている事を発表しており、CES2022の段階では2022年Q1(3月まで)に発売する事をアピールしていました。しかし、Intel側でドライバーの調整などに時間を要しているため、2022年6月時点ではまだラップトップ向けでもエントリーモデルしか登場しておらず、ミドルレンジモデル以上のラインアップは夏頃になると言われています。

そんな、Arc Alchemistですが、今回アッパーミドルレンジとなるArc A730Mを搭載したラップトップのベンチマークが出現、Intelが長い時間を要して熟成させたドライバーの甲斐あって、ベンチマークでは高いスコアを記録していますが、実際のゲームではまだまだ及第点のようです・・・

3D Markではラップトップ向けRTX 3070を超えるスコアに

WeiboでPC系のリークを多く出しているユーザー、Golden Pig Upgrade氏がIntelの最新GPUであるArc Alchemistのモバイル版、Arc A730M搭載ラップトップの3D Markベンチマーク結果を掲載しています。

今回、出現したArc A730MはACM-G10 GPUを採用し、コア数は384基と言う事でアッパーミドルレンジに位置するGPUとなっています。なお最上位モデルはArc A770Mでコア数は512基を搭載しています。

3D Mark Time Spyでのスコアはグラフィックススコアが10107ptを記録しています。このスコアはNotebookCheckがまとめるラップトップ向けGPUランキングではGeForce RTX 3070の9664ptを超えており、GeForce RTX 3070 Tiの10409ptにも迫るスコアを記録しています。

ただ、このスコアはあくまで3D Markと言う特別な環境でのスコアであるため、実際のゲームにおいてはかなり違う結果が出てしまっています。

ゲームではGeForce RTX 3060を下回る。ただ、1440pでは上回る事も

Intel Arc A730M has been tested in games with performance between RTX 3050 and RTX 3060 – VideoCardz.com

NVIDIA GeForce RTX 3060 Mobile GPU – Benchmarks and Specs – NotebookCheck.net Tech

ゲーミング時のベンチマークもGolden Pig Upgrade氏から出現しており、ベンチマークを行うゲームとしては、Metro Exdus、F1 2020、Assasin’s Creed: Odysseyの3タイトルとなっており、解像度は1080pと1440pでどれも高画質設定でフレームレートが計測されています。

Metro Exodusにおいては1080pでは平均70FPS、1440pでは55FPSが記録されており、他のGPUと比較するとGeForce RTX 2070(1080pでは66FPS)を超えてはいるものの、RTX 3060(1080p 80FPS)を下回る結果となっています。ただ、1440pにおいてはRTX 3060は50FPS程度であるため、Arc A730Mの方が高いスコアを記録しています。

F1 2020では1080pで123FPS、1440pで95FPSで快適にプレイが可能なFPSにはなっていますが、1080pではRTX 3060の130FPSには及ばず、RTX 3050で記録されている120FPSに迫るレベルになっています。一方で、こちらも1440pにおいてはRTX 3060の90FPSを超えています。もしかしたらArc A730Mでは解像度が高い環境には強いのかもしれませんね。

Assassin’s Creed: Odysseyにおいては1080pで38FPS、1440pで32FPSと快適にプレイするには少々厳しい結果となっています。ただ、このゲームではRTX 3060では1080pで99FPSと言う事でArc A730Mのドライバーの最適化が進んでいない事が原因で非常に低いスコアが出てしまっていると見られています。

消費電力は92W。動作クロックは最大2050 MHzと高め

掲載されたリークにはIntel Arc Control Panelの画像も出現しています。この画面上ではArc A730Mの使用状況を確認する事が出来ますが、GPUの利用率が98.62%と言うフル稼働に近い状態でのTDPは92WとなっておりRTX 3060の120Wなどと比べると低い値になっています。動作クロックについては最大2050 MHzまでブーストされている事からラップトップ向けとしてはかなり高い動作クロックが設定されているようです。

この画面で少々気になるのがGPU温度が57度を指していますが、ラップトップGPUでは80度を超えるような場合もあるため、57度と言う数字がもし正しいのであればラップトップの蓋を開けた状態なのか、試作機という事で特殊な機械の上でベンチマークを行っているのか不思議に思える数字になっています。

Arc A730MではArc Alchemistの中で最上位GPUであるACM-G10 GPUを搭載しているのですが、性能面ではベンチマーク結果では良好なスコアを記録できていたものの、ゲームになると一気に落ちる辺りかなり性能面で不安を覚えそうですが、ここはドライバーの最適化が進んでいないと考えるようにします。。。

Intelではラップトップ向けやOEMデスクトップ向けArc Alchemistを初夏頃に、デスクトップ向けは8月下旬頃に発売すると言われていますが、今回のゲーミング時の結果を見ると本当に予定通りに発売が出来るのかかなり不安になる出来に感じます。

まぁArc Alchemistは第一世代製品であるのでこれで失敗しても経験を糧にBattlemageで一気に性能を上げてきてくれればいいです。

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この記事を書いた人

『ギャズログ | GAZLOG』の編集兼運営者
幼い頃から自作PCなどに触れる機会があり、現在は趣味の1つに。
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