NVIDIAは3月~4月にかけてマイニング専用GPUであるCMP HXシリーズのリリースを予定していますが、どうやらNVIDIAでは100万円クラスの産業用GPUであるAmpere A100をベースとしたCMP HXを用意しているようです。
Ampere A100をベースにしたCMP HXシリーズが投入?
NVIDIAではTuringベースのCMP 30HX, CMP 40HX, CMP 50HXとAmpereベースとなるCMP 90HXの4種類を準備しており、CMP 30HXおよびCMP 40HXは3月から4月にかけてリリースが予定されており、CMP 50HXおよびCMP 90HXは夏ごろをめどに準備が進められています。そんなCMP HXシリーズですが、GPU関係のリークでお馴染みのKopite7kimi氏からCMP HXの新しいシリーズに関する噂が出ています。
I mean we will meet a new CMP HX card based on A100.
— kopite7kimi (@kopite7kimi) March 21, 2021
Kopite7kimi氏によると、データセンターやスーパーコンピューターなど主に産業向けGPUであるAmpere A100をベースとしたCMP HXをNVIDIAが準備しているとの事です。また、マイニング速度に関しては「バケモノ級」とツイートしていることから非常に高いEthereumハッシュレートが出るものと見られています。
このEthereumマイニングにおいてはGPU本体の性能も大きくハッシュレートに寄与しますが、メモリーのバンド幅や帯域幅が重要な役割を果たしているとの事です。そのため、現在市場に出ているGPUで最もEthereumハッシュレートが高いGPUはGeForce RTX 3090であり、936.2GB/sの帯域幅を誇るGDDR6Xを搭載して平均110~120 MH/sとなっています。
一方で、噂に出ているAmpere A100がベースとなるとメモリーはRTX 3090のGDDR6Xの936.2GB/sより遥かに高速なHBM2eメモリーが搭載されており、帯域幅は1.6TB/sと倍近い速度になります。そのため、ハッシュレートについては120MH/sを大きく上回るものと見られています。
ただし、このAmpere A100ですが、製造はTSMC 7nmプロセスで行われておりダイサイズが826mm2と巨大です。(RTX 3090のGA102は628mm2)そのため、歩留まりや生産量は多いとは言えず、現在販売されているAmpere A100では$11,000(1ドル110円で約120万円)する非常に高価なGPUとなっています。そのため、極めて限られたルートでしか販売はされないものと見られています。
NVIDIAの最新の決算ではデータセンター向けGPUが少し落ち込み始めている傾向が見られており、それが原因で売り上げが伸びたにも関わらず決算発表翌日には株価が大きく下落しました。恐らくですが、データセンター向けGPUの落ち込みと言うのは事実で、その穴埋めとしてAmpere A100をベースとしたCMP HXを投入するのではないかと考えられます。ただ価格が価格なだけにどれほど需要があるのかは分かりませんが、GeForce RTX 3090やRTX 3080を数千枚仕入れるようなマイニング集団であれば、120万円するGPUなんてちょろいもんなのでしょう。出来る事ならマイニング需要はAmpere A100ベースのCMP HXに流れてGeForce RTXなどのGPUに対する異常な需要が落ちる事を祈るばかりです・・・
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