AMD Zen 6 の動作クロックは7GHzが目標。高クロック化で性能を伸ばす方針?

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AMD Zen 6 の動作クロックは7GHzが目標。高クロック化で性能を伸ばす方針?

AMDは2026年以降に次世代CPUアーキテクチャーであるZen 6を搭載するコンシューマー向け製品のRyzenやサーバー向けのEPYCを投入する予定ですが、この中でデスクトップ向けハイエンドモデルにおいてAMDは7 GHzの動作クロックを目指して開発されていると言うリークが登場しました。

Moore’s Law is Deadによると、AMDは既に6.4 GHzで動作するZen 6の試作品を完成させている状態なのですが、最終製品ではさらに高い動作クロックを目指しているとのことで、7 GHzを目標に開発が進められているとのことです。この動作クロックは現行のRyzen 9 9950Xの最大5.7 GHzから1 GHz以上も高く、非現実的とも言える数字ですが、Moore’s Law is DeadによるとTSMC N2Xを活用することで動作クロックの向上が可能になると主張しています。

実際に、AMDではTSMC 7nmで製造されていたZen 3からTSMC 5nmへ刷新されたZen 4では動作クロックが最大4.9 GHzから5.7 GHzへ大きく向上しています。

Zen 5はTSMC 5nmのマイナーチェンジ版であるTSMC 4nm (N4X)を採用していますが、Zen 6ではTSMC 3nmを飛ばし、さらにTSMC 2nmの中でも最新鋭のN2Xを採用するため現行Zen 5から1 GHzを超える動作クロックの向上も決して不可能ではない水準と考えられます。

動作クロックを大きく引き上げる設計志向はIntel製CPUでよく見られていましたが、AMDがZen 6で動作クロック向上に力を入れる理由についてリーカーのKepler_L2氏が補足しており、動作クロック向上はコスト効率が非常に高い性能向上策とのことです。そして、2026年以降にはARMアーキテクチャーを採用するCPUでさえも5 GHzを超える設定に引き上げられるなどAMDが7 GHzと言う動作クロックを目指すことに対して不思議ではないことを明らかにしています。

実際にTSMC N2Xのような最新鋭プロセスはウェハー価格が非常に高く、ダイサイズの拡大で性能を引き上げることはコストパフォーマンスの観点では現実的ではありません。一方で、プロセス微細化によりチップ内の距離が短縮されることや、消費電力も減ることから動作クロック向上が可能になることから、動作クロックでパフォーマンスを稼ぎ出すと言う設計にAMDは落ち着いた可能性があります。

なお、この高い動作クロックが実現するのはOlympic Ridgeと呼ばれるデスクトップ向けRyzenのみで、ノートPC向けAPUのMedusa PointではN2PやN3Pと言ったN2Xより世代が若干古いプロセスが用いられるためここまで高い動作クロックにはならないようです。

AMDのZen 6世代のRyzenと同時期に投入される競合IntelのNova Lake-Sは動作クロックなどはまだ明らかにされていませんが、Zen 6と同じくTSMC 2nm世代を活用してCPUコアが製造されると言われています。また、コア構成は最上位モデルは52コア、またゲーミング性能を重視したbLLC (Big Last Level Cache)など新機構も投入されると言われており性能の大幅向上が期待されています。一方のAMDは最上位モデルは最大24コア、ゲーミング重視の3D V-Cacheは容量が64MBから96MBに引き上げられるなど進化の大きさはIntelほど大きくありません。

しかし、7 GHzと言う高動作クロックが実現できればコア数などカタログスペックでは劣って見えるものの、ゲーミングやレンダリング処理などでは優れた性能を発揮できる可能性も高くなるため、どのような性能になるのか、また高動作クロックで懸念となる消費電力や発熱をどれほど抑制できるのかなど注目が集まります。

ソース

AMD Zen 6 Targets 7GHz Leak | Moore’s Law is Dead

https://www.youtube.com/watch?v=FtKuHaKevrk

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この記事を書いた人

『ギャズログ | GAZLOG』の編集兼運営者
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コメント

コメント一覧 (4件)

  • 昔、液体窒素で冷却して市販のCPUを5GHzで動作させたりしてたチーム?がいたなぁ

  • 古くはPrescottや最近ではZen4にRaptorなど、とかく高クロック路線は人気がなく叩かれやすい傾向です。
    ただ、シングルスレッド処理に関しては一番理論的制約が少なく手堅い性能向上方法であり、電力効率に配慮さえできれば問題ないと思います。
    さすがにあと何年か経過しても、コンシューマ向けで16コアより上が標準になることはないでしょうし、新鋭プロセスの利を活かすにあたり、コア数増に振り向けるのは(設計を兼用するサーバー/HPC向けの事情を別とすれば)悪手だと思います。

  • という事は、3GHzぐらいで動かせば超省電力なCPUになったりしないの?

  • 叩かれた理由は「消費電力が増大したわりに、性能が伸びなかったCPU」であって
    普通にクロックが上がったCPUは別に叩かれることはない
    Zen 4世代はSocket変更があった点が加味されての文句だろうし

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