AMD Zen 6 搭載 Medusa Point のスペックが判明。ノートPC版は最大22コア
AMDは2026年にZen 6アーキテクチャーを搭載するCPUを投入予定で、このCPUはサーバー向けなどエンタープライズ向けのEPYCと、デスクトップやノートPCなどコンシューマー向けRyzenに展開されますが、今回この中でハイエンド向けノートPC向けに開発されているAPUの『Medusa Point』について一部スペック情報が判明しました。
Medusa Point 1
— HXL (@9550pro) May 16, 2025
R5/R7=4C+4D+2LP+8CU RDNA 3.5+
R9=12C CCD+4C+4D+2LP+8CU RDNA 3.5+
APU=IOD👀
リーカーのHXL氏がMedusa Pointのコア数や内蔵GPUのCompute Unit数を明らかにしており、Ryzen AI 5やRyzen AI 7などのミドルレンジモデルはモノリシックダイになる見込みで、高性能コアであるZen 6C (Classic)コアと高効率コアに当たるZen 6D (Dense)コアをそれぞれ4コア、さらに省電力コアを2コアの合計10コア構成になるようです。また、これに加え、内蔵GPUはRDNA3.5+を引き続き採用し、CUは8コアになるとのことです。
現行のRyzen AI 7 350では通常のZen 5Cと高効率コアのZen 5Dをそれぞれ4コア搭載することで8コアを実現しているため、LPコアが2コア追加された以外の構成は変わりがないです。また、内蔵GPUはアーキテクチャーもCU数も据え置きとなっているため、動作クロック以外にグラフィックス性能の向上は見られないかもしれません。
ミドルレンジ向けMedusa Pointの仕様は、現行のZen 5世代APUと比較してCPUコアの変更規模は限定的に見えるものの、Ryzen AI 9などに相当するハイエンドモデルでは、CPU性能を中心に大幅なスペックアップが図られる見込みです。
Ryzen AI 5/7ではモノリシックダイが採用されていましたが、Ryzen AI 9ではこのモノリシックダイにCCDを加えたチップレット形式になる見込みとのことです。このCCDは12コアの通常版Zen 6を搭載しており、Ryzen AI 5/7に搭載されていたモノリシックダイを利用することでCCD+APUと言う構成になるようです。この構成によりCCD側のZen 6Dを12コア搭載に加え、モノリシックダイに搭載されるZen 6CとZen 6Dをそれぞれ4コア、そしてLPコアを2コアで合計22コアを搭載するとのことです。ただ、背反として上記の構造であるため内蔵GPUはRyzen 5/7と同じくRDNA3.5+で構成されるCUを8コアだけ搭載した製品になる見込みで、現行のRyzen AI 9 HX 370の16CUに比べるとグラフィックス性能が大きく劣ると見られています。
しかし、AMDは伝統的にAPUの内蔵グラフィックス性能を重要なセールスポイントとしてきた経緯があります。そのため、今回リークされたハイエンド構成は、クリエイター向けノートPCや小型デスクトップPCなど、CPU性能を特に重視する特定用途向けのものであり、現行のRyzen AI 9 HX 370が持つような強力なグラフィックス性能を備えた別のMedusa Pointバリアントが用意される可能性も十分に考えられます。Medusa Pointの製品ラインナップ全体像については、今後のさらなる情報が待たれます。
コメント
コメント一覧 (1件)
ノートPCなんて8コアあれば通常の用途には事足りると思うんだが……。