AMDでは2023年から2025年にかけてZen 5やZen 6アーキテクチャの投入を継続的にするようですが、今回、Zen 5とZen 6に関するリーク情報が出現しました。
AMDの未来、Zen 5とZen 6の情報出現
AMDでは2022年下半期にTSMC 5nmプロセスを採用するRyzen 7000シリーズやEPYC Genoaをリリースする予定としてさらにその1年程度後にZen 5アーキテクチャーを搭載する製品の発売を予定していると過去に噂がされていましたが、かなり先の話という事でまだ多くの情報は出ていません。
しかし、今回Moore’s Law is Deadが関係者より入手したZen 5アーキテクチャ、そしてZen 6アーキテクチャに関するリーク情報が出現しました。
AMD ZEN 4 to ZEN 6 Leak: Transforming into a Premium Brand – YouTube
Zen 5はZen 4から最大15か月後に登場。リスク回避策としてTSMC 4nm向けにも設計済み
Moore’s Law is DeadではZen 5やZen 6アーキテクチャに関する大まかな仕様や開発状況やAMDの方向性がまとめられています。
Zen 5に関して、関係者は『Zen2並みの革新的なCPU』と言う人が多いにもかかわらず発売時期としてはZen 4を投入した11~15か月後と言う短いスパンで開発が進められているようです。
- IPCの向上代については、Zen 5ではZen 3➡Zen 4と比べると大きく、これらはデータファブリックやキャッシュ関係が再設計される事で成し遂げられる見込み
- 動作クロックについてはZen 3➡Zen 4のように大きく上がる事は無く、ほぼ同等となる可能性もある模様
- Zen 5の設計については最近大きな変更がされた模様で、一部ソースでは2023年初頭までにTSMC 3nmに関する問題※が解決されない事に備えて、4nmでも対応できる設計がされているとの事。
- 複数のアクセラレータがほぼすべてのZen 5搭載製品に搭載される
- コンシューマー向けCPUではコア・スレッド数が増えるものの、チップレットは8コア据え置き。
Zen 5についてはZen 4から11~15か月という事で、早ければ2023年の秋頃、遅くても2024年の初頭には発表、発売が行われると見られていますが、TSMCの問題にAMD頭を悩ませている様子がリークでも出ています。
IntelとAppleが原因でAMD Zen 5搭載CPUの登場が2025年まで遅れる可能性。
TSMC 3nmの開発難航中。AMD Ryzen Zen 5、RDNA 4は4nmプロセスに変更?
なお、Zen 5アーキテクチャを搭載する製品の情報についてはEPYC Turinの情報が出ています。
- Zen 5では最低でも256コア512スレッドに
- Direct Memory Access(DMA)エンジンが再設計
- タイルアーキテクチャーを採用し、CDNAやRDNA、HBMなどCPU以外の機能の追加が可能に
- TDPは一部モデルでは600Wを超える
EPYC系CPUでは顧客側はとにかく高いコンピュート性能が欲しいという事で、消費電力については低い方が良いが最優先ではないようです。そのため、EPYC TurinではTDPが600Wを超えるような製品も出るようです。
なお、EPYC Turinについては2023年Q4に一部顧客に対して供給が開始されるようですが、Zen 5アーキテクチャの開発状況にも引っ張られるため2024年初頭にずれ込む可能性はあるようです。
2025年にはZen 6アーキテクチャを投入へ
Zen 6については2025年頃の投入を目指して開発が進められていますが、情報についてはまだ流動的との事ですが現時点で言われている事としては
- Zen 5からキャッシュ周りとDMAエンジンが再設計へ
- 新しいアクセラレータを搭載
- IPCの向上やコア数の増加、アクセラレータの改善
- EPYC VeniceではHBMも内蔵
Moore’s law is DeadによるとAMDではパフォーマンスを世代毎に向上させる予定で、IntelのSkylake時代のように停滞する様子は無いとの事です。
AMDはプレミアムブランド化を目指す
AMDでは一部セグメント、例えばデスクトップ向けやモバイル向けCPUそして、グラフィックスカードにおいては価格帯が低いレンジに位置していると考えているようで、今後高い性能の製品を投入することで販売価格帯を上げに行くことを考えているようです。
特に、AMDは2023年初頭に投入するPhoenixにおいてはCPU性能のみならずグラフィックス性能も高くIntelに対しては大きなアドバンテージを持っているため、価格帯を上げる見込みです。このやり方を今後、デスクトップ向けCPUやRadeonグラフィックスでも実施すると見られています。
AMDでは市場シェアを順調に伸ばしながらもIntelの存在があるためか、Zen 5やZen 6においてもコア数やIPCなどを伸ばし続けていく方向にあるようで、CPU性能の進化はしばらく止まる気配が無いですね。
サーバーやモバイル向けにおいてAMDはシェアは順調に伸ばし、収益も伸ばせていますが、今後頭打ちとなる事が予想されています。そのため、デスクトップ向けやモバイル向けなどのコンシューマ向け製品では性能を上げると同時に価格も上げ、収益性を上げていく戦略のようです。