AMDがZen 7世代をソケットAM5で投入することを計画中?
AMDは2028年頃にZen 7アーキテクチャーで構成されるCPUの発売を計画していると言われていますが、同CPUは現行のソケットAM5からソケットAM6に刷新されると見られていました。しかし、新しいリーク情報によるとAMDはZen 7世代のCPUにおいてソケットAM5向けに投入することも検討していることが明らかになりました。
Moore's Law is DeadによるとAMDはZen 7についてZen 6で使われているI/Oダイを流用するほか、対応ソケットもソケットAM5を引き続き使用することが資料などで記載されていることを明らかにしています。
ソケットAM6に移行する理由はあまりない?
Zen 7の登場が見込まれる2028年頃には、DDR6やPCIe Gen 6への対応が予想されることから、新たなソケットAM6が採用されるという見方が強まっていました。
中でもDDR6対応は大きな技術的進化で、ベースクロックはDDR5の4800MT/sから8800MT/sに引き上げられるほか、メモリーチャンネル構成も2ch x 32-bitから4ch x 24-bitへと刷新され、並列処理や転送効率が大幅に向上する見込みです。
そのため、Zen 7がDDR5のAM5をそのまま採用するとなるとパフォーマンスに懸念が出ますが、2028年頃になればDDR5の速度も大きく向上していると考えられるほか、仮にメモリーがボトルネックとなる状況となっても3D V-Cacheを活用することでメモリ帯域幅への依存を大幅に減らすことができます。そのため、Zen 7とソケットAM5の組み合わせによるパフォーマンス低下の懸念はほとんどないのが現状のようです。
DDR6は上述の通り帯域幅やデータ転送効率の大幅向上が見込まれていますが、現行のDIMMスロットでは信号の反射や干渉といった問題が発生しやすく、高速化の障壁になっているため、CAMM2と呼ばれる全く新しいメモリーモジュールが採用される可能性が高まっています。そのため、DDR4からDDR5へ移行した時よりもメモリーモジュールのコストが高騰するほか、値下がりもすぐには実現しないと考えられるため、Zen 7が登場すると言われている2028年時点ではDDR5対応のソケットAM5で投入した方が競争力を高められると考えているようです。
Zen 7がAM5対応となればAM4並みの長寿ソケットに? Intelに対抗する意図も
AMDのソケットAM4は、2017年の初代Zenから2020年のZen 3まで4世代をサポートし、ユーザーから高く評価されてきました。Zen 7がAM5対応となれば、Zen 4からZen 7まで4世代をカバーすることになり、AM5もAM4に匹敵する長寿ソケットとなる可能性があります。
競合のIntelはCPUソケットを頻繁に変更する傾向にありました。しかし、2026年に投入するNova Lakeと同時に登場するLGA 1954ソケット以降は方針を改め、Nova Lake含む、4世代ものCPUをサポートすると噂されています。そのため、AMDがZen 7をAM5対応にするという計画には、このIntelの動きに対抗する意図も含まれていると考えられます。
Zen 7がAM5対応となれば、Zen 4からすでにAM5を使用している既存ユーザーにとっては、新しいCPUへのアップグレードが容易になります。また、Zen 6からAMDに乗り換えようと考えているユーザーにとっても、将来性のあるソケットであることは大きな魅力です。
AMDとしても、Intelが絶不調な時期に取り込んだユーザーを手放さず、Nova Lakeなど競争力が高い製品が出てもユーザーの流出を喰いとめると言う意図もZen 7をAM5対応とした背景にありそうですが、本当にAM5のままZen 7が投入されるのか、今後の情報に注目です。
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