AMD UDNA のレイトレーシング性能はNVIDIA並みに向上へ。PlayStation 6 にも恩恵?
AMDのグラフィックカードについては競合のNVIDIAに対してラスタライズ性能は同等か若干優れるレベルに達しているモデルは存在するも、レイトレーシングに関しては依然として後れを取っていると言うのが一般的な評価となっています。実際に2025年3月に発売されたRadeon RX 9070 XTではラスタライズ性能はNVIDIAのGeForce RTX 5070 Ti並みの性能を発揮できていましたが、レイトレーシングになるとRTX 4070 Tiレベルに落ちることがレビューでの評価で明らかにされています。
ただ、AMDもレイトレーシング性能が課題と言うのは認識しているようで、RDNA 4の後継アーキテクチャーにあたるUDNA (RDNA 5)ではレイトレーシング性能が大きく向上し、NVIDIAのGeForce RTX 5000シリーズに搭載されているBlackwellアーキテクチャーに迫るか、超えるぐらいの性能を発揮する可能性が特許情報や関連技術者の採用状況から指摘されています。
RedditでAMDが出願している過去2年の特許情報を追ったMrMPFR氏によると、ここ最近AMDはレイトレーシングに関連する特許申請の件数が非常に増えているとのことで、特にレイトレーシング処理の基本となるシーン内のオブジェクト情報管理(BVH: 境界ボリューム階層)において、オブジェクト間の類似性を見つけてデータを圧縮しCPU負荷を削減する技術、光線がどのオブジェクトに衝突するかを判定するレイトラバーサル(光線追跡)およびインターセクション(交差判定)処理そのものを高速化する技術などレイトレーシングパイプラインの効率を抜本的に改善する内容が多数含まれているとのことです。
また、AMDに関しては2022年から2023年にかけてNVIDIAやIntelから多くの人員をスカウトしたとも言われているため、新たにスカウトされた技術者の成果が特許と言う形で徐々に出始めているようです。
これら特許出願された内容が実際にUDNA (RDNA 5)で搭載された場合の効果については、レイトレーシング性能は少なくともNVIDIAのBlackwell世代に迫る可能性が高く、RDNA 4を大幅に超えるレイトレーシング性能となり、AMDにとってはかつてNVIDIAが「Maxwell」アーキテクチャでグラフィックス性能を飛躍的に向上させた時のようなインパクトがあるかもしれないとのことです。
なお、このUDNA (RDNA 5)についてはソニーが2027年以降に発売すると言われているPlayStation 6 (PS6)やPS6ベースのハンドヘルドデバイスにも搭載されると言われているため、これらレイトレーシング性能の向上は限られたハードウェアの中でもグラフィックス品質や快適性向上などに繋がるなど大きな恩恵を受けることが出来ると言え、このUDNAがどのようなアーキテクチャーとなり、性能となるのか今後の動向が注目されます。
AMD’s Post-RDNA 4 Ray Tracing Patents Look Very Promising | Reddit
コメント
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なるほど、これは良い傾向だ。