AMDがサムスン3nmプロセスを採用する可能性。TSMCのキャパ不足とGAAで電力効率を高めたい思惑?
サムスンの3nmプロセスはTSMCに対して顧客が付いていない事や、歩留まりが芳しくない状況が伝えられるなどここ最近良いニュースが出ていませんでしたが、このサムスン3nmについて現在主力製品のほとんどをTSMCで製造しているAMDがサムスンの3nmプロセスを採用する可能性が出ている様です。
韓国の経済紙、韓国経済新聞によるとAMDでは3nmの利用についてTSMCを本命に考えていたようですが、生産キャパシティーの多くがAppleやQualcommなどのクライアントで埋まっているほか、TSMC一社にすべての製品を委ねることのリスクを懸念しているようです。
また、ここ最近AMDとサムスンはExynos向けにRDNAアーキテクチャーなどのGPUアーキテクチャーを共同開発する事や、AI向けGPUでサムスン製HBM3Eを採用するなど連携を強化している事を背景に、サムスンが持っている3nm GAAプロセスでAMDの次世代製品の製造を行う可能性があることを業界関係者の取材で明らかになったとのことです。
さらにAMDのCEO、Lisa Su氏はドイツで5月下旬に開催された半導体イベントのITF World 2024にて、特にサーバー・データセンター向け製品において電力効率は大きな課題になっている事を挙げ、AMDは3nm GAAを活用することをロードマップに置き、性能と効率を両立することを明らかにしています。
この3nm GAAは現時点ではサムスンのみが実用化しています。一方で、TSMCは3nmまではFinFETを適用し、GAAは2nmから適用する事を明らかにしています。そのため、ITF World 2024で挙げられた3nm GAAはサムスン製の可能性が高く、近い将来AMDはサムスン3nm GAAプロセスを採用した製品を投入する可能性が高いと言えそうです。
AMDがサムスンファウンドリーを使うという噂は何度か登場していていましたが、本当に使うとなれば大口顧客の獲得は初めとなります。
AMDはTSMCに主力製品のほとんどを製造してもらっていますが、過去には3nmについてキャパシティーのほとんどがAppleなどに割り当てられていることを不満に思っているという話もありましたので、一部製品だけサムスンで製造することを検討していても不思議ではありません。
Samsung, AMD to collaborate on 3-nm GAA tech chipmaking | The Korea Economic Daily (Global Edition)
https://www.kedglobal.com/korean-chipmakers/newsView/ked202405290004
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