AMD Ryzen 9 7950X3Dのシングルコア性能はCore i9-13900K並の模様

AMDでは2022年2月28日に3D V-Cacheを搭載するRyzen 7000X3Dシリーズの発売を計画していますが、このX3Dはあまりベンチマークには影響を与えないと考えられていました。しかし、新たに出現したGeekbenchの結果によると、Ryzen 9 7950X3DはRyzen 9 7950XのみならずCore i9-13900Ｋを並のシングルコア性能が発揮する事が明らかになりました。

Ryzen 9 7950X3Dがシングルコア性能はRyzen 9 7950Xを上回り、Core i9-13900K並に

AMDはCES2023にてRyzen 7000シリーズに3D V-Cacheを搭載したRyzen 7000X3Dシリーズを発表し、このなかで上位モデルとなるRyzen 9 7950X3DとRyzen 9 7900X3Dについては2023年2月28日から発売することが明らかになりました。このRyzen 9 7950X3Dについては発売日が近い事もあり、2月18日にはGeekbenchにベンチマーク結果が登録され、シングルコアはRyzen 9 7950X並みでマルチコアは10%劣る結果が出ていましたが、最適化されたBIOSを搭載しているのか、シングルコアでRyzen 9 7950Xを超えるベンチマーク結果が登場したようです。

登録されたベンチマークはGIGABYTEのX670E AORUS MASTERと呼ばれる8万円近くするハイエンドマザーボードでメモリーはDDR5を32GB搭載した状態でベンチマーク計測が行われています。

結果はシングルコアは2271pt、マルチコアは24727ptが記録されています。

[visualizer id=”25845″ lazy=”no” class=””]

シングルコアについては前回Geekbenchに登場したスコアは2157ptで今回のスコアは5%向上しています。これにより、Ryzen 9 7950Xに対しては4%優れたスコアとなり、Core i9-13900Kに対しては2.6%優れたスコアとなります。なお、シングルコア時の動作クロックについては平均は5.5 GHzと記載されており、前回登場したベンチマークの5.7 GHzより低くなっています。ただ、動作クロックのログでは最高5.681 GHzが記録されており最大速度で動作しているようです。スコアが伸びた明確な理由は不明ですが、AMDではRyzen 7000X3Dに備えた新しいチップセットドライバーやAGESA BIOSを準備しており、このドライバーやBIOSによる最適化の効果が表れている可能性がありそうです。

マルチコアにおいても前回登場したスコアの21841ptから今回は13%と大幅な向上が確認されておりこちらもRyzen 9 7950Xを7%上回るなど小さくない向上幅になっています。ただ、Core i9-13900Kに対しては2%劣る結果になっています。

Ryzen 9 7950X3Dに搭載される3D V-CacheについてはGeekbenchなどベンチマークでは有利に働かず、むしろ動作クロックが下がる点から不利になるとも言われていましたがチップセットドライバーやBIOSの最適化により性能の向上が見られるようです。ただ、この3D V-Cacheは単純な計算能力よりレイテンシーの低下などによってゲーミングなどでは大幅な性能向上が期待されていますので、ゲームも速くてCPU性能も高いとなれば競争力が非常に高いCPUとなります。

Ryzen 7000シリーズについてはマザーボード価格がネックとなりスタートダッシュはあまり好調とは言えませんでした。しかし、まもなく登場するRyzen 7000X3DやRyzen 7000対応マザーボード価格が下がり始めている事、そして廉価なA620マザーボードが導入される事でRyzen 7000X3Dをはじめ、Ryzen 7000シリーズ全体の人気は回復する可能性がありそうです。