AMD Ryzen 7 5800X3Dは限定販売になる模様。1モデルのみ登場の理由か

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AMDではCES2022にて、3D V-Cache技術を活用して大量のキャッシュを搭載したRyzen 7 5800X3Dの発表を2022年春に発売する事を発表しましたが、このRyzen 7 5800X3Dは生産量が限られており、限定販売となるようです。

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3D V-Cache搭載、Ryzen 7 5800X3D

TSMC’s 3D Tech Supply & Manufacturing Woes May Cause Limited AMD Ryzen 7 5800X3D Availability, Could Also Explain No 3D Variants of 5900X & 5950X (wccftech.com)

AMDではComputex2021にて3D V-Cacheの試作品を公開した際に、Ryzen 9 5900Xがベースとされていました。そのため、少なくともRyzen 9 5900Xはリリースされ、他にもRyzen 5000シリーズのすべてのモデルは3D V-Cache搭載モデルが発表されるのではないかと見られていました。しかし、CES2022では3D V-Cacheを搭載するモデルはRyzen 7 5800XをベースとしたRyzen 7 5800X3Dのみ発表されました。

今回、この3D V-Cache搭載RyzenがAMDから1モデルのみ発表された背景としては、3D V-Cacheの生産キャパシティーに制約があるようです。また、Ryzen 7 5800X3D自体、生産量が非常に少ない限定モデルとなる可能性があるようです。

3D V-CacheはEPYC優先の模様

台湾のDigitimesによると3D V-Cache搭載CPUの製造に必要なTSMCの3D SoIC設備があるのですが、この設備は最新鋭設備である事から生産キャパシティーが非常に低い状況とのこと。

そんな中で、AMDでは3D V-Cacheを搭載する製品としては、CES2022にて発表されたRyzen 7 5800X3Dと2021年11月に発表されたEPYC Milan-Xシリーズ4モデルの合計5製品となります。

Ryzen 7 5800X3Dは64MBのキャッシュを3D V-Cacheとして1層搭載した製品となっています。一方で、EPYC Milan-Xについては64MBのキャッシュを8層搭載し、合計512MBのキャッシュを搭載する製品となっています。

AMDとしては3D V-Cache搭載CPUを大量に生産をする事は設備の制約上、難しく生産の優先順位としてはコンシューマー向けCPUより高い収益率を出せるサーバー向けCPUであるEPYCに優先的に割り当てられるとの事です。

AMDでは決算発表の度にサーバー・エンタープライズ部門が利益の柱になっている事が明らかになっており、ここ最近では多くのデータセンターでIntelのXeonより採用例が増えている状況にあります。IntelもこのEPYCの躍進に対応するため、2022年にはSapphire Rapidsと呼ばれるAlder Lake-Sで採用されているGolden Coveをベースとしたサーバー向けCPUをリリースする予定ではいますが、EPYC Milan-Xで性能面でのアドバンテージを確保し、生産の優先度を高くし、多くの顧客へ納品を急ぐ構えと見られています。

このような背景があるため、3D V-Cacheを搭載したRyzen 5000シリーズはRyzen 7 5800X3Dに留まると見られており、恐らく3D V-Cacheを搭載するRyzen 5000シリーズは1モデルのみで、Ryzen 7000シリーズのリリースを迎えると見られています。

また、TSMCの3D SoICの生産キャパシティーとEPYC優先と言うAMD側の判断も相まって、唯一の3D V-Cache搭載Ryzenである、Ryzen 7 5800X3Dも出荷量が非常に少ない限定販売モデルとなる可能性も出ているようです。

 

 

3D V-Cacheを搭載するRyzen 5000シリーズについては、少なくとも最上位モデルであるRyzen 9 5950XとアッパーミドルであるRyzen 7 5800Xの2モデルでは採用されると思っていましたが、Ryzen 7 5800X3Dのみ発売となる背景としては生産上の都合のようです。AMDではEPYCシリーズが大好評でAMDの収益を支える大黒柱になりつつあります。そのため、AMDとしてはEPYC Milan-X向けに生産キャパシティーを割き、残りをRyzen 7 5800X3Dに割り当てるという格好になっていると見られています。

Ryzen 7 5800X3Dについては、どれほどのパフォーマンスなのかレビューなどが出ておらず、価格もまだ不明です。そのため、どれほど売れるのかは未知数ですがコストパフォーマンスが高いとなれば、少ない生産量と相まって入手困難になる事は確実と言えそうです。

と言っても、Ryzen 7 5800X3Dが手に入らなければ数か月後に発売されるZen4搭載Ryzen 7000シリーズを待てばよいのですけどね。

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この記事を書いた人

『ギャズログ | GAZLOG』の編集兼運営者
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