AMDではIntelがAlder Lake-Sのミドルレンジ向けモデルを投入した事に対抗するため、Ryzen 7 5700Xなど価格が抑えられたミドルレンジモデルを4月から順次発売しますが、この中でCore i5-12600Kに対抗するRyzen 7 5700Xのベンチマークが出現しました。
ミドルレンジモデル、Ryzen 7 5700X
AMDでは2020年末頃にZen 3アーキテクチャーを採用したRyzen 5000シリーズを発表、発売を行いましたが当初のラインアップは最低でも4万円近くするミドルレンジモデル以上の製品のみの登場となっていました。しかし、Intelは2022年初旬より第12世代CPUであるAlder Lake-Sを8000円台のエントリーモデルからラインアップを行った事から、これらに対抗して2022年4月からエントリーからアッパーミドルまでの合計10モデルを追加する予定になっています。
今回、この10モデルの中で4月4日に発売が予定されているミドルレンジモデルにあたるRyzen 7 5700Xのベンチマークが出現しました。
このRyzen 7 5700Xは北米では299ドル、日本では4万円以下で販売がされると見られており、8コア16スレッドでベースは3.4 GHz、ブースト時は4.6 GHzで動作するCPUになっています。TDPは65Wに設定されており、上位モデルのRyzen 7 5800XやRyzen 7 5800X3Dの105Wからは大きく引き下げられています。
CPUアタル | 価格(北米) | 日本円予測 | コア数/スレッド数 | 動作クロック | 合計キャッシュ容量 | TDP |
---|---|---|---|---|---|---|
Ryzen 7 5700X | $299.00 | ¥39,380 | 8コア/16スレッド | 3.4 / 4.6 GHz | 36MB | 65W |
性能はRyzen 7 5800X、Core i9-10900K並みに
ベンチマークはASRockのX570 Taichiマザーボードで行われており、OSにはWindows 11でメインメモリーにはDDR4-3200が32GB搭載された状態で行われています。
Ryzen 7 5700Xのベンチマーク結果はシングルコアが1634pt、マルチコアが10179ptを記録しています。上位モデルであるRyzen 7 5800Xではシングルコアが1671pt、マルチコアが10338ptという事で、Ryzen 7 5700XはRyzen 7 5800Xに対してシングルコアは2%、マルチコアは1.5%とほぼ同等性能を維持しています。価格はRyzen 7 5800Xが449ドルに対してRyzen 7 5700Xは299ドルで販売が予定されているため、30%ほど安くなっています。
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CPUだけ見るとCore i5-12600Kに対する優位性無し。マザーボードセットで見ると優位性があるが…
Ryzen 7 5700XはRyzen 7 5800Xと同等性能でありながら、価格は30%ほど安価に設定されているためこれだけ見るとコストパフォーマンスは高いように見えますが、Ryzen 7 5700Xの販売価格である299ドルはIntel Core i5-12600Kのメーカー希望小売価格(MSRP)と同じになっています。
Ryzen 7 5700Xに関してはGeekbenchと言う一つのベンチマークではあるものの、スコア差は大きく恐らくCinebenchやゲーミング、動画編集においてもCore i5-12600Kと同等の性能を発揮する事は無いと考えられます。そのため、CPU単品で見るとRyzen 7 5700XがCore i5-12600Kに対して優位性はほとんど無い状態になっています。
ただ、自作PCを買う際はCPUとマザーボードをセットで買う必要がありますがCore i5-12600Kで必要となるIntel 600シリーズマザーボードは最安モデルでも1万円するなど価格が高めに設定されています。一方でRyzen 7 5700Xに対応するマザーボードはPCIe Gen 3.0まで対応のA520マザーボードを選べば最低6000円程度で購入する事が出来るため、PCIeの性能を求めない方であればRyzen 7 5700XとA520マザーボードが価格面では優れる事となります。
ただ、最新のグラフィックスカードを搭載したいと言う方や将来の拡張性を考えると多少高くてもCore i5-12600Kなどを素直に選んだ方が良さそうに見えます。
AMDではAlder Lake-Sに対して後出しでミドルレンジモデルを発売することになっていますが、Ryzen 7 5700XはRyzen 3000シリーズなどからの買い替えをするユーザーのみしか取り入れられることはできず、新規ユーザーに対してはAlder Lake-Sより高い商品性があるとアピールできるポイントがあまりないように思えます。ただRyzen 5000シリーズは他にも追加されるのでそれらのモデルがどんなパフォーマンスを発揮するかに期待がかかります。
Ryzen 7 5700XなどAMDはRyzen 5000シリーズ発売から1年半後にミドルレンジモデルを発表しましたが、正直これは遅すぎた登場と思います。もしAlder Lake-S発売前にミドルレンジまで揃えてしまえばマザーボードの入手性や安さも相まってシェアを先行して取ってしまえるなどできたと思うのですが、もしかしたら半導体不足やTSMCのキャパシティー不足で伸びに伸びたのかもしれませんね。どちらにせよ、今の状態なら素直にAlder Lake-Sを買っておいた方が良いと言えそうですのでAMDはZen4 Ryzen 7000シリーズ登場まで我慢を強いられそうです。
コメント
コメント一覧 (10件)
一般的にベンチのスペックだけで判断されがちだけど、RYZENは消費電力と発熱で優位性があるみたいですね
全くそうですね。
ワットパフォーマンスはかなり優秀。
そしてシネベンチという分かり易いベンチマークに頼りがちな記事が多過ぎる。
実性能は結構良いんだけどな。
Appleのワットパフォーマンスは肯定するのに、なぜAMDはそうでは無いんですかね。
ミドルレンジならAlder Lake方が消費電力も発熱も低いですよ
特に低負荷時の消費電力発熱はAlder Lakeの圧勝です。
TDPが65wと125wでは主にノートパソコンで話が変わってくるのではないかなと思いますがね
第1世代のマザボも使えるおかげで1700Xから変更できそう
将来性を考えると
インテルはコロコロCPUソケット変えるのが辛い
低負荷時は昔からインテルの方が低いでしょ
3700Xからの乗り換えだと旨みが少ないのかな
ただTDP65Wだし5800Xよりは多少は扱いやすくなると期待
引用元の記事もそうだけど、随分と内容が薄いな。
どういう構成で検証したのかが書いてないし、消費電力や温度のデータもなし。
あれだけ電力盛ってんだからスコアだけじゃ比較にならんよ。
ゲーミング系ベンチマークだと5800X>12600kなので
5700xが5800xとほぼ同程度の性能がゲームでも発揮できるのならば
12600kと同等程度にはなるとおもいますよ。