AMD Radeon RX 9060 のレビューが登場
AMDは2025年8月5日にエントリーからミドルレンジ向けグラフィックスカードとなるRadeon RX 9060を正式発表しました。ただ、このグラフィックカードはコンシューマー向けには販売されず、主にOEMやSIなど限られた市場でしか供給が行われないモデルになっています。
スペック | Radeon RX 9060 | Radeon RX 9060 |
---|---|---|
GPU | Navi 44 XL | Navi 44 XT |
Compute Unit | 28基 | 32基 |
ブーストクロック | ~3.0 GHz | ~3.13 GHz |
メモリー仕様 | 18Gbps GDDR6 | 20Gbps GDDR6 |
メモリー容量 | 8 GB | 8 / 16 GB |
メモリーバス幅 | 128-bit | 128-bit |
メモリー帯域幅 | 288 GB/s | 320 GB/s |
消費電力 | 不明 | 150 / 182 W |
Radeon RX 9060は上位のRadeon RX 9060 XTと同じくNavi 44 GPUを搭載していますが、一部のCompute Unit (CU)が無効化されているため、CU数は32基から28基に減らされています。また、動作クロックやGDDR6の速度も若干落とされるなどコストを下げるため随所に渡りスペックダウンが行われたモデルになっています。ただ、大幅とは言えない程度のスペックダウンに留まっているため、Radeon RX 9060 XTの大きく変わらない性能も期待されていますが、韓国のYoutuber、「Technosaurus ()테크노사우루스」がRadeon RX 9060を入手し、グラフィックカードのゲーミング性能をRadeon RX 9060 XTや競合でもあるNVIDIA GeForce RTX 5050やRTX 5060との比較を行っています。
GeForce RTX 5060に迫る性能を発揮。OEM向け限定にはもったいない製品
レビューに使われるゲームは以下の10タイトルが用いられ、設定は1080pで最高画質に設定された状態で検証が行われています。
- God of War
- Cyberpunk 2077
- モンスターハンター:ワイルズ
- Battle Ground
- 黒神話:悟空
- Witcher 3
- Red Dead Redemption 2
- Forza Horizon 5
- Warhammer 40,000: Space Marines 2
- Lost Ark

Radeon RX 9060はエントリー向けに近いことからNVIDIAのGeForce RTX 5050との比較がまずは行われています。その結果は、RX 9060はRTX 5050に対して平均25%ほど高いパフォーマンスを発揮するほか、多くのタイトルで60FPSを超えるフレームレートを実現しているため、プレイに支障はない水準になっています。

RX 9060に対して上位モデルのRX 9060 XT 8GBやNVIDIAのGeForce RTX 5060と比較した際もRX 9060は比較的良いポジションに位置しており、RX 9060 XT 8GBに対しては6%、NVIDIA GeForce RTX 5060に対しては2%劣るなどほぼ同等性能を発揮しています。

特にこのRX 9060が輝く点がそのコストパフォーマンスの高さになっています。RX 9060 XTやRTX 5060が$299、日本では4.6万円ほどで販売されています。一方のRadeon RX 9060はAMDは$280での供給を想定しており、これはRTX 5050に対して約10%高い程度の価格帯で、日本円では約4.2万円ほどになっています。
一方で性能は上述の通りRX 9060 XTやRTX 5060に対して2~6%劣るレベルで、価格帯が近いRTX 5050に対しては25%優れるなどコストパフォーマンスが異様に高い製品になっていることが明らかになっています。
OEM限定なのはGPUダイの問題? 今後の展開に期待
Radeon RX 9060は非常に高いコストパフォーマンスであることから一般販売を行えばエントリー向けセグメントのシェアを大きく取れそうですが、残念ながら現時点ではOEM向けやSIなどコンシューマー向けへ一般販売は行われていない状況であるためこのコストパフォーマンスの高いグラフィックカードを単品で入手することは現時点では不可能です。
この理由としてはRX 9060に使われるGPUダイはRX 9060 XTに採用できなかった選別落ちしたNavi 44 GPUダイを使用するためですが、Navi 44 GPUの生産量が増えるにつれて選別落ちしたGPUダイは増えていくため、これだけ高いコストパフォーマンスを発揮できるのであれば近いうちにコンシューマー向けにも販売される可能性は高いと言えそうですのです。そのため、もし近いうちにエントリー向けグラフィックスカードを狙っている人にとって、AMDの今後の動向に期待です。
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