AMDがAPUにも3D V-Cache搭載を計画中。GPU性能が大幅強化される?
AMDは、同社のキャッシュ積層技術である3D V-Cacheを、コンシューマー向けではRyzen、エンタープライズ向けにはEPYCなどのCPU製品に広く展開しています。また、2024年11月7日に発売されるRyzen 7 9800X3Dで、3D V-Cacheは新世代化されます。
この新世代3D V-Cacheでは、従来のCPUの上に3D V-Cacheを配置する構造から、CPUの下に3D V-Cacheを配置する構造に改められています。これにより、CPUの放熱性が改善され、パフォーマンスを向上させることが可能になっています。さらに、AMDではこの3D V-Cacheを、Ryzen Threadripper 9000X3Dなど今まで3D V-CacheがラインアップされていなかったCPU製品や、2026年以降に登場するAPUにおいて、CPUに加えGPUも利用可能な3D V-Cacheを開発していることがリークで明らかになりました。
Chiphellで活動するリーカーのzhangzhonghao氏によると、AMDではRyzen Threadripper 9000X3Dの開発を進めているほか、次世代製品ではAPUに3D V-Cacheを搭載するとのことです。既にコスト面での課題は解決できているため、性能を重視するHalo APUシリーズなどのハイエンドAPUでこの3D V-Cacheを搭載し、CPUやGPU性能の大幅な向上を目論んでいるようです。
3D V-Cacheについては冒頭に記載した通り、従来は発熱源であるCPUの上にキャッシュダイを重ねるという構造上、CPUの性能が大きく制約されるという課題がありました。そのため、より発熱量の大きいGPUなどには適用できませんでした。しかし、Ryzen 7 9800X3Dからはキャッシュを下に配置することで、この課題の解決が図られています。
そのため、今後同様の技術を採用することで、CPUやGPU共に3D V-Cacheの適用が可能になると考えられます。CPUではこれまで通り大容量キャッシュを搭載できるほか、GPUにはこれまで以上に容量が増えたInfinity Cacheなどを搭載することで、メモリーバス幅や帯域幅の制約を回避することが可能になり、グラフィックス性能の大幅な向上が期待できると言えます。
なお、今回のリークでは具体的にいつ登場するHalo APUでこの3D V-Cacheが搭載されるのかは明らかにされていません。しかし、現行のStrix Haloの後継にはCPUにZen 6アーキテクチャ、GPUにRDNA 5(またはUDNA)を搭載すると言われており、2025年から2026年の間に登場するとされています。そのため、そう遠くない未来に3D V-Cache内蔵のAPUを目にすることができるかもしれません。
[CPU] ZEN5线程撕裂者要出X3D版本了 | Chiphell
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