AMDが最近リリースしたLinux Kernel Patchをデータマイニングした人によると、AMDがRDNA1アーキテクチャをベースとしたマイニング専用GPUを準備している可能性があるとのことです。
AMDがNVIDIA CMPシリーズに対抗製品をリリースか
AMD RDNA Mining GPUs Could Be on the Horizon
AMDでは過去にマイニング専用GPUの存在がドライバー上に出現したのは初めてではなく、2020年10月にはLinuxのカーネルパッチにNavi10ベースのマイニングGPUが存在していました。このAMD製のマイニングGPUでは通常のRadeonで搭載されているディスプレイ出力が存在しないため、DCN(Display Core Next)と(Video Core Next)の2機能が無効化されています。しかし、最近リリースされたLinuxカーネルパッチで再び通常のRadeonに搭載された機能が無効化されたマイニングGPUと思われるモデルが登場しました。
Navi12ベースのマイニングGPUが開発中?
3月3日にLinux用Patchにて、RDNA1ベース(Navi1x系)のグラフィックスカードが追加されました。それが、Navi12ベースとなるGPUであり、このGPUでは通常のRadeonに搭載されている動画再生支援機能である(VCN)Video Core Nextが搭載されていないとのことです。
このNavi12はモバイル向けRadeonであるRadeon Pro 5600Mで利用されていたGPUで、Radeon Pro 5600Mでは2560コア搭載されており、アーキテクチャはRDNA1を採用しTSMCの7nmプロセスで製造されています。
AMDもマイニング制限を導入する可能性?
AMDでは過去に何度かマイニング専用GPUと見られる存在がドライバー上で確認されていましたが、2017年に起きたマイニングブーム時に製品の導入タイミングを誤り大失敗した過去を持っています。そのためか、ドライバー上に存在はしても、実際に販売されることは近年ではありませんでした。
しかし、2021年現在はマイニング需要が伸びており、NVIDIAなどもマイニング専用GPUをリリースする中でAMDも同じような動きを取る可能性は十分あり得ます。ただ、そうなった際にはAMDもNVIDIAのようにゲーミングなどが主目的なRadeonシリーズにもマイニング制限を導入する可能性もあると見られています。
NVIDIAでは過去のアーキテクチャを用いたマイニング専用GPU、CMPシリーズを準備中ですが、もしこの情報が正しければAMDも全く同じ戦法を使うことになります。
ただNVIDIAとAMDで異なるのは、NVIDIAのCMPシリーズが使う一世代前のアーキテクチャは最新のGeForce RTX 3000シリーズとは異なる製造先、製造プロセスで作られています。一方でAMDのマイニング専用GPUのベースとなっているNavi12は現行のRadeon RX 6000シリーズと同じくTSMC 7nmを利用しています。そのため、AMDから本当にマイニング専用GPUが出現した際には、ゲーミング向けGPUであるRadeon RX 6000シリーズの出荷数に影響する可能性があると考えられます。
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