Intel Raptor LakeよりRyzen 7000のほうが故障率が高い模様。BTOメーカーが故障データを公開

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Intel Raptor LakeよりRyzen 7000のほうが故障率が高い模様。BTOメーカーのPugetが故障データを公開

ここ最近、Intelの第13世代デスクトップ向けCPUのRaptor Lakeおよび第14世代のRaptor Lake Refreshについては不適切なマイクロコードが原因でCPUの動作が不安定化し、修復方法はCPUの交換しかないなど深刻な状態に陥っています。この問題により、海外や国内のメディアやインフルエンサーも現状はIntel製CPUを推奨できないとし、信頼に大きな傷がついています。そんなIntel製CPUについて、主にエンタープライズ向けに高性能BTO PCを製造するPuget SystemsがIntelおよびAMD各世代のCPUの故障率をまとめたデータを公開し、Raptor Lake系CPUに関して稼働から半年後ぐらいから故障しだすことのほか、実はRaptor Lake系よりもRocket Lakeの方が不具合率が遥かに高かったり、Ryzen 7000シリーズの方が故障率が高いなど興味深いデータを今回の不具合に関連して示しています。

Puget Systemsでは第10世代Comet Lakeから第14世代Raptor Lake RefreshのCore i7以上のCPUに絞った毎月の故障件数についてまとめていますが、最近問題になっているRaptor Lake系CPUについては発売されてから毎月一定の故障を出しているほか、Raptor Lake Refreshに関しては2024年5月以降、スパイクのように故障件数が記録されています。ただ、興味深いのが第11世代CPUのRocket Lakeもかなり高い故障件数を記録しており、故障率はRaptor Lake以上を記録しているとのことです。ただ、Rocket Lakeについてはあまり大きな問題になっておらず、何が起きていて、Intel側が解決に向けて取り組んだ内容などは不明とのことです。

もう1つの集計として、故障がシステム組み立て時に発覚したか、システム稼働後に発生したかを別けたグラフでは、Raptor Lakeが発売された2022年11月時点ではほとんどがShop、つまり組み立て時に発覚しています。これは最近話題のCPUの不安定化とは関係がありませんが、Raptor Lakeが発売された半年以降からシステム稼働後に発生したことを示す「Field」の件数が上昇し、Raptor Lake Refreshが大部分の故障を占める2024年5月以降のデータも「Field」での故障件数が上がるなど、CPU稼働後半年以降あとにCPUの不安定化と見られる故障が顕著に増えています。

Puget Systems社長Jon Bach氏によると、Rocket Lake以来、Fieldでここまで高い故障率は見たことがなく、この故障すべてが6か月後に発生しているため、今後も故障率が上昇する可能性があり、深刻な問題であるとも述べています。

IntelのCPU内で言うと、Rocket LakeやRaptor Lake、Raptor Lake Refreshの故障率が高く、稼働後に発生する故障もRaptor Lakeは故障の半分を占めるなど多くなっています。しかし、AMD製CPUと比較すると、Raptor LakeやRaptor Lake Refreshに対して、AMDのRyzen 5000シリーズやRyzen 7000シリーズの方が故障率は圧倒的に高いことが集計結果から明らかになっています。ただ、AMDの場合Ryzen 7000シリーズは組み立て時に発覚するケースがほとんどで、一度動いてしまえば安定的に動作するようです。

ただ、Bach氏はRaptor LakeやRaptor Lake Refreshの故障は遅れてやってくるため、今後時間の経過とともにこの集計結果は変わる可能性が高いと述べています。また、現時点ではRaptor LakeやRaptor Lake Refreshの故障率は致命的な水準ではないものの、故障率が時間の経過とともに増えているため、今後さらに大きな問題になる可能性があるとも述べています。

このデータで注意点としては、Puget Systemsが記録した範囲であるためサンプル数は限られています。また、Puget Systemsではシステムの信頼性を高めるために独自のBIOS設定を行っており、特に過剰な電圧や電力設定は避けているため、通常よりもRaptor LakeやRaptor Lake Refreshの故障率は低く抑えられている可能性があります。そのため、実際の市場で発生している数字を代表するものではないことに注意が必要です。しかし、消費者の手に渡ってから6か月以降に不具合が発生し始めるなど、問題になっている症状と似ているため、電力設定を抑えてもCPUの不具合を完全に抑えることは難しいようです。該当するCPUを使っているユーザーは、マイクロコードアップデートが配信され次第、すぐに適用することが必要でしょう。

ソース

Puget Systems’ Perspective on Intel CPU Instability Issues | Puget Systems

https://www.pugetsystems.com/blog/2024/08/02/puget-systems-perspective-on-intel-cpu-instability-issues/

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この記事を書いた人

『ギャズログ | GAZLOG』の編集兼運営者
幼い頃から自作PCなどに触れる機会があり、現在は趣味の1つに。
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コメント

コメント一覧 (4件)

  • 7000シリーズの95度まで自動ブーストってのも前代未聞で怖かった
    CPUが膨れたみたいなニュースもあったと思うけど次の9000シリーズはリーク情報的に耐久性高そう

  • IntelのサポートはRMAを拒否することが多いから件数自体が少なくなる。
    自然故障と違って劣化で徐々に壊れてくるから、演算エラーでいつの間にかデータが壊れていたりするのも問題で、Ryzenと違って分かりやすい壊れ方をしないからね。
    一番の問題は専用の検証ソフトが無くて、壊れているのかいないのか素人には判断が付かない点にある。
    PCIEが壊れてもそれをテストするソフトが無い。
    最初にGen5のデバイスが認識しなくなり、次にGen4のデバイスが認識しなくなり、最後はチップセット側のPCIEにグラボ移動させないと起動しなくなる。
    正常に動いているように見えるCPUでも劣化が進んでいるとGen5のSSDを繋いだら起動しない。

  • Puget Systemsの社長のJon Bach
    Intel Board of Advisorsに関わるIntel関係者
    販売開始からの販売期間や出荷数を一切書いていないし
    組み立て時のミスによる不良もカウントしてる不自然な根拠

    AMDの方が故障率が高いという嘘を流布するための為の記事じゃないですかね?

  • 年産30台の自作erだけど
    Intelがよくやって来た手法と思われても仕方がない、大手を含めレビュアーやショップにこういう情報を出させるのは常套手段だった
    ワークステーションというからthreadripperかと思ったけどこの書き方だとRyzenか?
    確かに7000シリーズは爆熱なので、ワークステーションやサーバー用途だと85度制限(ノーマルで運用すると寿命が削られる感はある)するけどね、プロショップが95-100度設定とかありえない、そこに4090載せるとかでしょう?ワークステーションwを名乗るなら最低限RTX adaだろうと思う(ここまで憶測だらけです)
    EPYCの方がじゃじゃ馬でトラブルは色々あるけどね、マザー、メモリ、電源がそれぞれ合わないとか、火を吹くとか、でもEPYC自体(ん=5)は1個も壊れませんよ

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