2024年第2四半期はAMD製CPUのシェアが各セグメントで増加。全セグメントでシェアが20%超えに
サーバーからコンシューマー向け製品のCPUのシェアではIntelが長年シェアの大多数を獲得していますが、Intelの新プロセスの開発失敗やAMDが2016年頃から投入したRyzenやEPYCシリーズによりここ最近はAMD製CPUのシェアが伸びる状況が見られていましたが、2024年第2四半期におけるCPUの市場シェアではAMDがすべてのセグメントで増加を記録したほか、サーバー、デスクトップ、ノートPCなどすべてのセグメントで20%を超えるシェアを獲得したことが明らかになりました。
2024年第2四半期はAMDにとっては新製品はなく、Ryzen AI 300シリーズやRyzen 9000など新製品投入の効果が表れるのは2024年第3四半期以降になります。しかし、シェアは堅調に伸ばしている状況になっています。
ソケットAM4/5対応のデスクトップ向けCPUセグメントにおいては2024年第2四半期は23%のシェアを獲得していますが、前期の24%に対しては1%減少となっています。これは第1四半期にはRyzen 8000Gシリーズ投入の効果があった一方で、第2四半期ではこの効果が無くなったことや、Ryzen 9000シリーズなど次世代製品登場を控えていたため、販売台数が若干落ちた事が考えられます。一方で、前年同期比では+5%と大きくシェアを伸ばすなどシェアは着実に伸ばしている様子が伺えます。ちなみに、競合のIntelではRaptor Lake系CPUで不具合を抱えるなど問題がありましたが、この不具合が判明した2024年第1四半期からシェアに大きな変動が起きていないため、あまり大きな影響がある訳では無いのかもしれません。
ノートPC向けCPUセグメントでは2024年第2四半期は20%のシェアを獲得しており、前期に対しては+1%、前年同期比では+3%と小幅な伸びを記録しています。ノートPC向けセグメントは競合のIntelにとっては収益源とも言えるセグメントで、IntelもCore Ultra 100シリーズを投入するなど攻勢を強めています。また、QualcommがSnapdragon Xシリーズを投入するなどx86系CPU以外も参入しているため、今後の戦いは厳しくなると考えられ、シェアが下がる可能性があります。ただ、AMDではRyzen AI 300シリーズ、そして来年にはStrix Haloなど高付加価値路線に舵を切っている側面もあるため、これがシェアにどのような影響を及ぼすのか注目が集まります。
サーバー向けCPUはAMDにとっては稼ぎ頭とも言えるセグメントなのですが、2024年第2四半期は24%を獲得していますが、前期に対しては横ばいになっています。前年同期比では+5%と大きな伸びを記録しています。AMDでは2023年第2四半期にEPYC BergamoやGenoa-Xなど新製品の発表し、その翌四半期には出荷を開始しているのですが、ここでシェアが大きく伸ばしているため、今後Zen 5を搭載するEPYC Turinなどが出荷される2024年第4四半期にはさらにシェアを伸ばす可能性があります。一方で、Intelも手をこまねいている訳では無く、同時期にXeon 6シリーズとしてEPYCと肩を並べるコア数になるGranite RapidsやSierra Forestを投入するため、近い内にサーバー向けセグメントではシェアに大きな動きが出る事が予想されます。
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コメント
コメント一覧 (1件)
Intelは、今までの信頼と実績でなんとか今回のRaptor Lake系の不具合をカバーしようとしているように見えるが、個人消費者を切り捨てて利益確保に動きそうな気配もあり不安要素排除がAMD購入の理由の一つになっていそうな気がするが記事ではこの不具合はあまり影響していないとしているところが注目かなと思う。