AMDのゲーミングセグメント売上高が前年比59%減少。2023年Q1を頂点に売上高が右肩下がりに

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AMDのゲーミングセグメント売上高は前年比59%下落、利益率も低下と厳しい状況に

AMDは2024年7月30日に2024年第2四半期の決算を発表し、データセンター向け半導体を筆頭に、Ryzenなどのクライアント製品が堅調だったことから市場予測を上回る売上高と利益を確保し、当日の株価は上昇を記録していました。しかし、決算の中身を見ると自作erにとって気になるディスクリートGPUのRadeonやPS5、Xbox向けAPUなどが含まれるゲーミングセグメントの売上高や収益率が好調なデータセンターやクライアント向け製品とは裏腹に大きく下がっている事が明らかになりました。

AMD全体で見ると2024年第2四半期の決算はかなり良く、売上高は58億ドル(約8700億円)で純利益は11.26億ドル(1689億円)で粗利益率は53%で、前年比では売上高は9%増、粗利益率は+3%と非常に高い収益を挙げている事が分かります。この主な要因はAMDはデータセンター部門が記録的な収益を得ていると述べており、実際にCPUのEPYCやGPUのInstinctが含まれるデータセンターセグメントは売上高が前年比+115%、営業利益は前年比+405%と驚異的な数字を記録し、営業利益率も26%で前年比+11%を達成しています。また、Ryzen CPUなどのクライアント向け製品も好調で、こちらも売上高が+49%を記録していますが、営業利益率は6%で前年比-7%と少々振るわない様子になっています。

そんな好調な事業とは縁が無いのがRadeon GPUやPS5、Xbox Series X/S向けAPUなどが含まれるゲーミングセグメントで、このセグメントは売上高は6.48億ドルで前年比-59%、営業利益は7700万ドルで前年比で-65%と大幅な減収減益を記録しています。これにより営業利益率も12%と前年比-2%と落ち込みを見せています。

この原因としては売上高を支えているPS5やXbox Series X/SなどのカスタムAPUの販売台数がこれらゲーミングコンソールのモデルライフ末期に差し掛かっている事が背景で落ち込んでいる他、コンシューマー向けグラフィックスカードのRadeon RX 7000シリーズも販売台数が伸び悩むなどが原因と見られています。ゲーミングセグメントに関してはAMD自身も2024年第一四半期決算の場で『2024年下半期は上半期に対してさらに減収が予測している』と述べるなど、まだまだ厳しい状況にあり、打開が期待できる次世代グラフィックカードのRadeon RX 8000シリーズも2025年以降発売と言う事で、第3四半期もゲーミングセグメントでは減収減益が続く可能性がありそうです。

ちなみに、AMDのゲーミングセグメントの売上高は2023年第一四半期を頂点に右肩下がりの状態で、下げ幅も大きいことからAMDが説明するゲーミングコンソールの販売台数減少だけとは言えず、AMD Radeon RX 7000シリーズなどの販売台数が大きく落ち込んでいる可能性があります。特にRadeon RX 7600とRX 7900を投入した効果が出ている2023年第一四半期は売上高が伸びていますが、そのあとはNVIDIAがラインアップを拡大する中、新モデルをほとんど投入してこなかったため、販売台数が大きく落ち込む結果になっているように見えます。

なお、この決算発表の場で行われたQ&AではInstinct MI300などデータセンター向け製品のロードマップや供給状況に関する質問が多数挙がり、少数ではあるもののクライアント製品に関する質問も挙がっていました。しかし、ゲーミングセグメントに関する質問は一切挙がってこなかったようで、投資家からもゲーミングセグメントに関しては興味関心が無くなりつつあるようです。

コメント

AMDでは生成AI需要を背景にInstinct MI300やEPYCなどデータセンターセグメントが絶好調でAMDの屋台骨を支える存在になりつつあり、コンシューマー向けRyzenも堅調な成長を見せていますが、ゲーミングセグメントに含まれるRadeonに関してはここ最近は新製品が一切登場せず、Radeon RX 8000シリーズも2025年登場予定であると噂されるなど巻き返しはまだまだ先になるなどなかなか厳しい状況が続きそうです。

そのため、恐らく来期の決算に関してもゲーミングセグメントの売上高は低下する可能性がありますが、2024年第4四半期や2025年第1四半期に関してはPlayStation 5 Proの発売やRadeon RX 8000シリーズの発売効果も期待できるため長い目線でどのように推移していくのか見守る必要がありそうです。ただ、ここでこけると場合によってはAMDはゲーミングセグメントから撤退も考えられますので踏ん張ってほしいところです。

ソース

Financial Information Q2 2024 | AMD Investor Relations

https://ir.amd.com/financial-information

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この記事を書いた人

『ギャズログ | GAZLOG』の編集兼運営者
幼い頃から自作PCなどに触れる機会があり、現在は趣味の1つに。
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コメント

コメント一覧 (2件)

  • dGPUにはもうあまり力を割かないのかなとも思ってます。
    RX7900XTXのリファ見た目とかとても良いんですけどね。

  • ゲーミングは全体の1割も無いのでnVidiaも力を入れていないし、今はAIの方が儲かりますからね。
    ゴールドラッシュで一番儲けたのは道具屋だったのと同じです。
    今はAFMF等のフレーム生成があるので、そこまで高価な物を買わなくて済むというのもあります。

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