Amazonから明らかに偽物な Ryzen 7 9800X3D が届く事例が登場。中身は2011年発売のAMD FX
AMDのRyzen 7 9800X3D は2024年11月に発売されて以来、ゲーミング用途のPCで人気のCPUとして発売以降品薄が続いている状態になっています。また、販売価格も唯一無二のゲーミング性能を出せるCPUであることから日本円では93,800円とハイエンドモデルと遜色がない価格で販売されているのですが、この高値と人気に付け込んだ詐欺がAmazon内で発生しているようです。
ドイツのYoutuber、Hardware BustersがドイツのAmazonにてRyzen 7 9800X3Dの注文したところ、箱などは正規のシールされた箱が届いたとのことですが、中身を空けるとRyzen 7 9800X3Dとはヒートスプレッダーの形状が全く異なる状態で届いたとのことです。


AMDではZen 4以降のCPUでは足が生えた特徴的なヒートスプレッダーを備えていますが、偽物のRyzen 7 9800X3DはZen 3以前で見られた普通の正方形ヒートスプレッダーを備えているほか、ロゴも正規品とは異なる配置となり、製品名もフォントが異なるなど明らかに偽物と分かる。また、ヒートスプレッダー下部に書かれた製品情報にはOPNはRyzen 7 5800Xのものが記載されており、2024年に発売されたはずの製品でありながら『2020 AMD』と書かれるなど出来栄えが悪い偽物になっています。

また、本体を触れば一瞬で偽物と分かるのがCPUの裏面で、正規のRyzen 7 9800X3DはLGAを採用していますが、偽物のRyzen 7 9800X3DはZen 3世代までで使われていたPGAと呼ばれるピンがCPUから生えています。この偽物について、あまりPCコンポーネントに知識がない人がそのままマザーボードに差し込めばマザーボード側にもダメージが及ぶなどの2次被害も心配される状態になっています。


偽物のRyzen 7 9800X3DやRyzen 7 7800X3Dは数か月以上前から存在が確認されていましたが、ヒートスプレッダーや横から光を当ててもCCDやI/Oダイがあるように見せるなど起動を試みるまで偽物と分からないほど巧妙に作られた偽物でしたが、今回の偽物Ryzen 7 9800X3Dはヒートスプレッダーにシールが貼られているだけと言う手抜きぶりで、その中身はAMDが2011年に発売したFX-4100 CPUだったようです。

なお、今回Hardware BustersはドイツのAmazonが販売元となっている新品を購入したとのことで既に返品処理が進んでいるとのことですが、このようにAmazonが販売元となっているにも関わらず偽物が届いた原因について返品時に悪意ある者が偽物にすり替えてシールも未開封状態に偽装して返品し、検品時に誰も気づかなかった可能性が指摘されています。
実際にパッケージ裏面には『LPN』と言うAmazonに返品された際に貼り付けるシールが貼られているため、この偽物が入れられたRyzen 7 9800X3Dは誰かが返品した製品であることが明らかとなっています。
なお、Amazonに関しては返品時に中身をすり替える詐欺が横行しており、特にCPUやGPUなど高価な製品はターゲットにされやすくなっています。一応、Amazon側もこのすり替えに対して対策は行っているとは言っているものの完全に防げていないことから開封時に動画を撮るなど自己防衛する必要があるかもしれません。特に、パッケージが未開封でも『LPN』シールが貼られている場合は返品された製品の可能性が非常に高いので注意が必要と言えます。
Amazon Sold me a FAKE AMD Ryzen 7 9800X3D!! | Hardware Busters
https://hwbusters.com/news/amazon-sold-me-a-fake-amd-ryzen-7-9800x3d/
コメント
コメント一覧 (3件)
Amazonは、返品された商品をチェックしないというのが今回わかったということだな。
少し前にAmazonでメモリを購入したときに同じ目にあったよ
DDR5を頼んだら中身はDDR3で届いたことを伝えたら特に証明とかもなく返品できたけど、この簡単に返品できる仕組みを悪用してるんだろうね
その時のパッケージの画像を見返したら確かにバーコードがLPNから始まる番号になっているから、あれも返品だったということなのね……
CPUに刻印されたシリアルナンバーからある程度追えるんじゃないかな