第11世代Coreシリーズである、Rocket Lake-Sのリリースから間もないですが、Intelでは既に第12世代のAlder Lake-Sの開発を進めており、Igor’s LABにてそのES品に関する仕様が出現しました。
16コア24スレッドのAlder Lake-S ES品が出現
第12世代Coreシリーズであり、Alder Lake-Sでは完全新設計のアーキテクチャーを採用する他、6年間利用されていた14nmプロセスから10nm Enhanced SuperFinプロセスに進化する予定となっています。また、アーキテクチャー面では高性能コアと高効率コアを2つ搭載するbig.LITTLE構成になる事が既に判明していますが、今回16コア24スレッド搭載のAlder Lake-S ES品を手に入れたIgor’s LABにて現時点での詳細仕様が判明しました。
高性能コア、高効率コアが共に8コアで1.8GHzで動作
Igor’s LABが手に入れたAlder Lake-SのES品は初期段階のものと見られており、Intel Core-1800と呼ばれているようです。
仕様面では高性能コアと高効率コアが共に8コア搭載し、高性能コア側はハイパースレッディングが有効な新CoreアーキテクチャーであるGolden Cove系アーキテクチャーを採用。高効率コアではAtom系であるGracemont Coreが搭載されており、こちらはハイパースレッディングが無効となっています。この2つのCoreが組み合わさり、合計で24スレッドとなる見込みです。また、動作クロックはCore-1800と言う名称の通り、ベースクロックは1.8GHzとなっています。
TDPやPLについても今回明らかにされており、ベースとなるTDPは現行のRocket Lake-Sと変わらず125Wに設定されており、PL1として最大56秒このTDPで動作がされるとの事です。PL2時は最大で228Wで動作し、これは2.44msだけ動作します。また、CPUの最大温度であるTj Maxについても判明しており、Tj Maxは100度に設定されています。
動作クロックについてはベースが1.8GHzとなっていますが、高性能コアと高効率コアそれぞれのブーストクロックなど詳細も判明しています。高性能コア側であるGolden Coveコアは2コア動作で最大4.6GHz、3~4コア動作で4.4GHz、5~6コアで4.2GHz、7~8コア動作で4.0GHzで動作するとの事。
高効率コアであるGracemontコア側では1~4コア動作で3.4GHz、5~8コア動作で3.0GHzで動作するとの事です。
この動作クロックについてはまだES品である事から仕様は変わる可能性が高いと言えますが、ES品にしては非常に高クロックで動くという印象です。
IntelではRocket Lake-Sをリリースしたものの、海外のレビューを見ていても価格がRyzen 5000シリーズに比べてお得とは言えない事から評価としては芳しくありません。売り上げについても情報はありませんが、印象としてはRyzen 5000シリーズ程人気があるとは言えないと言えます。アーキテクチャーを刷新したとは言え、ハイエンドモデルでは12コアのRyzen 5900Xと同じ価格で8コアと性能面で劣るにも関わらず価格が高い事が響いていると見られています。
一方で、2021年末頃に登場が予定されているAlder Lake-Sではアーキテクチャーを再度刷新する他、14nmプロセスから10nmプロセスに移行がされます。(約6年ぶりのプロセス刷新だったはずです)
そのため、性能面でRocket Lake-Sを大きく越えると見られておりbig.LITTLE構成など新機構も多く搭載する革新的なCPUになる見込みです。
今回、出現したES品を見ている限り動作クロック、特にブーストクロックなどは初期ES品の割には高いと言え、開発は順調に進んでいると言えるかもしれません。
AMDでは次世代Ryzenは2022年頃に登場させる予定であるため、2021年末のAlder Lake-S発売以降はIntelがどれほど売り上げ面で巻き返せるか、またbig.LITTLEの消費電力や性能面でRyzen 5000シリーズをどれだけ越えられるのか注目です。
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