2021年末に発売予定となっているIntelのAlder Lake-Sですが、どうやら2021年中に登場するのはオーバークロックが可能なCPUであるKシリーズとKF-シリーズそして、オーバークロック可能なマザーボードであるZ690のみのようです。
10月~11月中に登場するのはK/KFシリーズとZ690のみ
IntelのAlder Lake-Sは年内に発売される事が予定されていますが、10月27日から28にて、Intel Innovationと呼ばれる技術発表会を行う事が公表されており、ここでの発表が濃厚となっています。
ただし、Igor’s LABが入手した独自の情報によるとこの中で発表されるモデルは一部に留まる見通しとの事です。年内に発表・発売されるモデルはオーバークロックが可能なモデルであるKシリーズとiGPUが搭載されないモデルであるKFシリーズになるとの事です。また、対応マザーボードもオーバークロックが可能なハイエンドモデルであるZ690のみが発表・発売されるとの事です。
一方で、オーバークロックが不可能な無印モデルのCPUやミドルレンジ帯以下を担うマザーボードであるH670、H660、H610についてはCES2022まで発表がされない予定との事です。
ちなみに、この事を示唆する内容のリークは6月頃にMoore’s Law is Deadで取り上げられており、TDP 125WとなるKシリーズが最初に登場し、残りは2022Q1までに登場すると言われていました。
Alder Lakeの詳細情報が出現。Raptor Lakeについても少しだけ判明
ATX 12VO搭載マザボを少なくとも1モデル『作る』必要あり
1. Intel AlderLake is the same as TigerLake’s Xe, and will be used until the 14th generation.
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2. Some manufacturers say that intel requires us to “make” at least one 12vo-powered motherboard, but they didn’t say that we must “release” it. (Laughs🤣) pic.twitter.com/d9aCH0H7vP— 结城安穗-YuuKi_AnS (@yuuki_ans) July 27, 2021
ATX 12VOについてはIntelが推し進めている24pinコネクターに替わる電源規格ですが、多くのマザーボードメーカーは部品点数が増える事や既に設計が最終段階に来ている事から積極的に設定をしていないとの事です。ただ、Intelとしてはこの規格を普及させたいため、マザーボードに対してATX12VOに対応したマザーボードを少なくとも一つ作る必要があるとの事です。一方で必ずリリースするようには要望していないようです。
Videocardzによると、この情報に補足する形で、IntelではATX12VOに対応する場合、600シリーズチップセットを安価に提供する用意があるとの事です。そのため、Z690も含めてた一部マザーボードではATX12VOを搭載したマザーボードが出現する可能性があるようです。
Alder Lake-Sを心待ちにしているユーザーのほとんどは自作PCユーザーであることからKシリーズから出していくのは正しい戦略と言えると思います。個人的にはそもそもオーバークロック可能モデルと不可モデルを分けるのはいい加減に辞めて欲しいですが・・・
また、ATX12VOについてですが、この規格は既存の電源も流用できなくなることや対応電源がほとんどないなど自作PCユーザーにとってはメリットが殆どなくIntelがこのように推し進めるにしても少々無理があるように感じます。このATX12VO自体、カリフォルニアの環境法規であるCEC Tittle 40 Tier2などの対策としてOEMなどに推奨するべきものでマザーボードメーカーなど自作PCユーザーを相手にするメーカーからしたら積極的にはならなくて当然と言えます。
ちなみにカリフォルニアですがアメリカの中でも環境に対する意識が異常なほどに高い州です。自動車分野においてはアメリカ合衆国全体として排ガス規制を決める環境保護庁(EPA)の規制があるのですが、カリフォルニアはそれらを更に上回る排ガス規制(LEV*)を勝手に作り出し、EPAにカリフォルニアだけには独自の排ガス規制設定を認めさせるなどかなり意識高い系の州です。
*Low Emission Vehicle←そのまんまです。
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