Intelの第12世代デスクトップ向けCoreシリーズ『Alder Lake-S』ですが、既に初期ES品と見られるベンチマークが複数出回っていますが、800MHzで動作など本当の試作品と言う状態でした。しかし、今回より現実的な2.2GHzで動作した状態で記録されたベンチマークが出現しましたが、『Alder Lake-S』には期待できそうな記録です。
16コア、24スレッドの『Alder Lake-S』がGeekbenchに登場
Intelの『Alder Lake-S』はCES 2021にて開発中である事が発表され、2021年末には発売される見込みとなっています。この『Alder Lake-S』では従来までのCPUとは違い、Core系の高性能なコアであるGolden CoveアーキテクチャーとAtom系の高効率なコアであるGracemontアーキテクチャーを組み合わせたbig.LITTLE構成となっています。
今回は、その中で最上位モデルである高性能コア8コア(16スレッド)と高効率コア8コア(8スレッド)を積んだ計16コア24スレッドモデルが、Geekbench 4 ベンチマークに登場しました。
2.2GHzのES品にも関わらずシングルコアでは高い性能
今回、リークしたのは冒頭で記載した通り、最上位モデルである高性能コア8コア(16スレッド)と高効率コア8コア(8スレッド)を積んだ計16コア24スレッドモデルの『Alder Lake-S』となっており、ベースは2.2GHzで動作しています。メインメモリーは『Alder Lake-S』から対応するDDR5が32GB搭載されています。なお、ブーストクロックでは27.2GHzと言う読み違えられた値が記録されているため無視する必要があります。また、L1キャッシュの個数がコア数と合わなかったり、L2キャッシュが3個あったりとキャッシュ周りの値も正常に読み取れていない可能性があります。
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そんな『Alder Lake-S』ですが、今回記録された値はシングルコアが6536pt、マルチコアが47870ptとなっています。比較すると、シングルコアにおいてはCore i9-10900Kに対して3%ほど低く、Ryzen 9 5800Xに対しては15%ほど低いスコアです。ただ、今回の『Alder Lake-S』では2.2GHzで動作しています。比較対象に挙げたCore i9やRyzen 9はどれも4GHzを越えるCPUであるため、約半分の動作クロックで性能差がここまで小さいのは驚きの結果です。
また、マルチコアではCore i9-10900Kに対してほぼ同等性能となっていますが、こちらも2.2GHzで動作しているため同等であること自体『Alder Lake-S』のパフォーマンスの高さが示唆されています。
『Alder Lake-S』ではスマートフォンなどのCPUで搭載されているbig.LITTLE構成となっており消費電力面では有利ですが、デスクトップパソコンではメリットを感じられにくい作りになっています。特に、高性能コア側が8コアと言うのは、AMDなどが16コアRyzen 9を出しているのを見ると少々物足りなさを感じてしまいます。ただ、今回のベンチマーク結果を見る限り、性能については新しいGolden Coveアーキテクチャーの性能が高いと見られ、これに高効率コア8コアを組み合わせれば、Ryzen 9 5900X辺りまで十分戦えるだけの性能を発揮できるかもしれません。どちらにしても、Intelの反転攻勢を仕掛ける商品であることは間違いなく、今後の情報が楽しみです。
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