2021年11月に発売が予定されているAlder Lake-SのK、KFシリーズですがその中で内蔵GPU機能を持たないCore i5-12600KF、Core i7-12700KF、Core i9-12900KFのCinebenchやBlenderなど様々なベンチマーク結果が出現しました。
Alder Lake-SのCinebenchやBlenderベンチなどの結果が出現
2021年10月末に発表され、11月に発売が予定されているIntelの第12世代CPUであるAlder Lake-Sですが、過去にはGeekbenchなど一部ベンチマーク結果は出現しており非常に高い性能を持つことが明らかになっています。
そんなAlder Lake-Sですが、その中で内蔵GPU機能を持たないKFシリーズ3モデル、Core i5-12600KF、Core i7-12700KF、Core i9-12900KFを用いてCinebenchやBlenderなど様々ベンチマークにかけた結果が中東のテック系サイトに掲載されました。
ここで取られているベンチマークはどのような環境で運用されたか分かっておらず、もしかしたらAlder Lake-Sに最適化が出来ていないWindows 10で動作させている可能性があります。また発売前という事でBIOS側で最適化が完全には施されていないなど製品版と異なる仕様となっている可能性があるため、あくまで参考としての性能となります。
Alder Lake-Sの概要について
Alder Lake-Sは下位はPentiumやCore i3、最上位はCore i9までリリースされますが2021年11月に発売されるのはCore i5、Core i7、Core i9の中のオーバークロックが可能なKシリーズおよびオーバークロックが可能で内蔵GPUを持たないKFシリーズが先行して発売が行われます。
Core i9はCore i9-12900K/12900KFとして出現し、P-Coreを8コア・16スレッド、E-Coreを8コア・8スレッドの計16コア24スレッドとなり、L3キャッシュを30MB搭載するフラッグシップモデルとなります。
Core i7は12700K/12700KFとして出現、P-Coreを8コア・16スレッド、E-Coreを4コア・4スレッドとし、合計12コア、20スレッド、L3キャッシュを25MB持つハイエンドモデルとなります。
Core i5は12600K/12600KFとして出現、P-Coreを6コア・12スレッド、E-Coreを4コア・4スレッドとし、合計10コア、16スレッド、L3キャッシュを20MB持つミドルレンジモデルに設定されます。
全モデルがRyzen 5000シリーズを圧倒的に上回る性能を発揮
掲載されたベンチマークはCinebench R23、H264 HDおよびH265 HDでの動画エンコードおよびHWBOT X265エンコードベンチマーク、Blenderのbmw27、クラスルームなど4つのシーンおよびPC Markの結果が掲載されています。
Cinebench R23
このベンチマークについてはベンチマーク掲載結果や原文の翻訳を確認する限り、明確にCinebench R23と記載がありませんでしたが、Ryzen 9 5950Xなど既に発売済みのベンチマークスコアなどと照らし合わせるとCinebench R23の結果が最も近いです。
Cinebench R23のシングルコア結果では、Alder Lake-SがRyzen5000シリーズを圧倒する結果を出しています。Core i9-12900KFは2000pt付近におり、1650pt付近にいるRyzen 9 5950Xを20%近く上回っています。同じ傾向はCore i7-12700KFやCore i5-12600KFでも確認され、それぞれ1950pt付近、1900pt付近に位置しており、競合するRyzen 7 5800XやRyzen 5 5600Xを20%近く上回っています。
Cinebench R23のマルチコア結果でもAlder Lake-S系がRyzen5000シリーズをほとんど圧倒していますが、Alder Lake-SとRyzen 5000シリーズではコア数やスレッド数の考え方が異なるため一概に比較するのが正確かは疑問が残りますが、商品ラインアップ上(Core i9=Ryzen 9)と言う考え方で言うと、最上位モデルのCore i9-12900KFの性能はRyzen 9 5950Xと拮抗しているものの、Core i7-12700KFやCore i5-12600KFは競合するRyzen 7 5800XやRyzen 5 5600Xを約40%~50%を上回るスコアとなっているため、ハイエンド帯やミドルレンジ帯CPUの性能はAlder Lake-S登場によって大幅に引き上げられる事になります。
動画エンコードテスト
より実環境に近いベンチマークである動画エンコードにおけるベンチマークで、こちらは1秒間に何コマエンコードできるかと計測し高い方が高性能となります。こちらのベンチマークの傾向もCinebench R23マルチコアの性能の傾向が似ています。最上位モデルのCore i9-12900KFとRyzen 9 5950Xではほとんど同等ですが、Core i7-12700KFやCore i5-12600KFが競合するRyzen 7 5800XやRyzen 5 5600Xを大幅に上回るスコアを出しており、Core i5-12600KFはRyzen 7 5800Xと、Core i7-12700KFはRyzen 9 5900Xと同等と言う立ち位置になっています。
Blenderレンダリング
Blenderでのレンダリングはレンダリングに掛かった秒数ですので、低いほど性能が良いこととなります。こちらはRyzen 9 5950Xが僅差ではあるものの全体的にCore i9-12900KFを上回る状態となっています。ただし、Core i7-12700KFやCore i5-12600KFの傾向は他のベンチマークと同じく、Ryzen 5000シリーズの一つ上のモデルと競合する性能を発揮しています。
PC Mark
PC Markについては他のベンチマークとは打って変わって、Ryzen 5000シリーズが全体的に圧倒する結果となっていますが、Rocket Lake-Sにも圧倒されている事からPC Mark側がAlder Lake-SのP-CoreとE-Coreを持つ異種混合CPUに大して最適化がされていないという可能性がありますので、何とも言えないところです。
冒頭でも記載した通り、まだ発売前である事や最適化がされているWindows 11を使ったかどうかなど分からないですが、シングルコア性能に付いては圧倒的で依然としてシングルコア性能の影響を受けやすいゲーミングでのパフォーマンスアップは間違いなく体感できそうに感じます。一方で動画エンコードやレンダリングなどマルチコアをフルで活用する場面では最上位モデルにあたるCore i9-12900KとRyzen 9 5950Xがほぼ同等だったところは少し残念ではあります。個人的にはRyzen 9 5950Xが登場した時ほどの衝撃が欲しかったところです・・・(とは言ってもまだ発売まで時間があったりWindows 11で動いているか分からないので期待はめちゃくちゃしています)
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